文献情報
文献番号
201313014A
報告書区分
総括
研究課題名
診断用機器及び診断方法の開発に基づいたがん診断能向上に関する研究
課題番号
H22-3次がん-一般-019
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
佐竹 光夫(独立行政法人国立がん研究センター東病院 放射線診断科)
研究分担者(所属機関)
- 藤井 博史(独立行政法人国立がん研究センター東病院臨床開発センター 機能診断開発分野)
- 柿沼 龍太郎(独立行政法人国立がん研究センターがん予防・検診研究センター 検診部)
- 村松 幸男(独立行政法人国立がん研究センターがん予防・検診研究センター 検診部)
- 黒木 嘉典(栃木県立がんセンター 画像診断部)
- 九嶋 亮治(独立行政法人国立がん研究センター中央病院 病理・臨床検査科)
- 上田 真信(独立行政法人国立病院機構九州がんセンター 内視鏡科)
- 仁木 登(徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス 研究部)
- 佐藤 均(東京医療保健大学 医療保健学部・医用画像処理工学・情報システム)
- 寺内 隆司(独立行政法人国立がん研究センターがん予防・検診研究センター 検診部)
- 角川 康夫(独立行政法人国立がん研究センターがん予防・検診研究センター 検診部)
- 出雲 雄大(独立行政法人国立がん研究センター中央病院 内視鏡科)
- 大松 広伸(独立行政法人国立がん研究センター東病院 呼吸器内科)
- 小田 竜也(国立大学法人筑波大学筑波大学医学医療系・臨床医学域・外科学(消化器)分野)
- 町田 幹(日本医科大学付属病院 放射線科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
56,231,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、がん死亡数を減少させることを目的に、がん検診精度と効率の向上を目指すこと、および近年著しい進歩をとげたコンピュータ技術の医療分野への導入により、新しい診断機器とこれらを用いた新しいがん診断法の開発を行うことである。これに加えて病理画像および臨床画像情報のレファレンスデータベース化では、より精度が高く効率の良いがん画像診断を行うことを目指す。
研究方法
01)ADCTでは、肺がんの周囲臓器への侵潤について腫瘍の呼吸性移動を視覚的に評価した。
02)既存のプローブとは異なる機序で腫瘍内低酸素領域に留まる新しい低酸素イメージプローブの開発を行った。
03)CT検診の肺内リンパ節とすりガラス様陰影の経過観察のためのガイドラインを作成することを目指した。
04)診断精度の高い機器を用いたがん発見率、がん罹患率、初回検診発見がん死亡率、再度検診発見がん死亡率について検討した。
05)乳がんに対し、MRSとDW-MRIを利用した拡散の解析をした。
06)病理スライドグラス上の画像データをデータベース化する次世代バーチャルスライド装置の開発を行った。
07)医用画像データベースの症例数の増加と内容の充実を図り、多言語で発信した。
08)肺がんの高性能診断アルゴリズムや高性能治療前計画アルゴリズムを確立して新しい診断・治療支援システムを開発した。
09)膨大な容量の医療情報データを匿名化して重要な個人情報のみを保存する新しい秘密分散法を開発した。
10)腹膜播種症例に対するFLT-PETの診断能について検討した。
11)超低線量下のCT画像を用いた、早期肺がん病変の存在診断、CAD技術の開発を行った。
12)膵癌等の難治性固形癌を対象とした癌幹細胞/癌間質幹細胞を標的とするがん診断法、治療法の開発を行った。
02)既存のプローブとは異なる機序で腫瘍内低酸素領域に留まる新しい低酸素イメージプローブの開発を行った。
03)CT検診の肺内リンパ節とすりガラス様陰影の経過観察のためのガイドラインを作成することを目指した。
04)診断精度の高い機器を用いたがん発見率、がん罹患率、初回検診発見がん死亡率、再度検診発見がん死亡率について検討した。
05)乳がんに対し、MRSとDW-MRIを利用した拡散の解析をした。
06)病理スライドグラス上の画像データをデータベース化する次世代バーチャルスライド装置の開発を行った。
07)医用画像データベースの症例数の増加と内容の充実を図り、多言語で発信した。
08)肺がんの高性能診断アルゴリズムや高性能治療前計画アルゴリズムを確立して新しい診断・治療支援システムを開発した。
09)膨大な容量の医療情報データを匿名化して重要な個人情報のみを保存する新しい秘密分散法を開発した。
10)腹膜播種症例に対するFLT-PETの診断能について検討した。
11)超低線量下のCT画像を用いた、早期肺がん病変の存在診断、CAD技術の開発を行った。
12)膵癌等の難治性固形癌を対象とした癌幹細胞/癌間質幹細胞を標的とするがん診断法、治療法の開発を行った。
結果と考察
01)ADCTは腫瘍の呼吸性移動が評価可能で、放射線治療を目的とした治療計画に有用な情報を提供できる。
02)新規のイメージプローブは、低酸素領域に良好な分布を示す。
03)肺内リンパ節とすりガラス様陰影は、読影者の主観的な判断に左右されることが判明した。
04)がん死亡を減らすには初回検診のみならず再度検診が重要であることが明らかになった。
05) DW-MRIのデータをHistogram解析することでMRSと同様にresponder群とnon responder群をと層別化できる。
06) 病理標本をデータベース化し、既往標本や他院標本を参照することが日常的に可能になった。
07) 消化管医用画像データベースは日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語で発信した。
08) 肺がん検出支援システムのプロトタイプシステムを完成した。
09) 膨大な医療情報を新しい秘密分散技術を使って高いセキュリティを保ちながら、高速読影機能と情報処理能力を備えたセキュアな遠隔画像読影システムの実用化が可能である。
10)腹膜播種症例に対すFLT-PETは検出感度が良好である。
11) 低線量肺がんCT検診は、より早期に肺癌を発見可能となり、発見肺癌の生存率も良好であったが、必ずしもIA期で発見されるとは限らなかった。
12) ヒト膵癌組織においてCD44等の幹細胞マーカーが高率に発現し、がんの悪性化に関与していることを明らかにした。
02)新規のイメージプローブは、低酸素領域に良好な分布を示す。
03)肺内リンパ節とすりガラス様陰影は、読影者の主観的な判断に左右されることが判明した。
04)がん死亡を減らすには初回検診のみならず再度検診が重要であることが明らかになった。
05) DW-MRIのデータをHistogram解析することでMRSと同様にresponder群とnon responder群をと層別化できる。
06) 病理標本をデータベース化し、既往標本や他院標本を参照することが日常的に可能になった。
07) 消化管医用画像データベースは日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語で発信した。
08) 肺がん検出支援システムのプロトタイプシステムを完成した。
09) 膨大な医療情報を新しい秘密分散技術を使って高いセキュリティを保ちながら、高速読影機能と情報処理能力を備えたセキュアな遠隔画像読影システムの実用化が可能である。
10)腹膜播種症例に対すFLT-PETは検出感度が良好である。
11) 低線量肺がんCT検診は、より早期に肺癌を発見可能となり、発見肺癌の生存率も良好であったが、必ずしもIA期で発見されるとは限らなかった。
12) ヒト膵癌組織においてCD44等の幹細胞マーカーが高率に発現し、がんの悪性化に関与していることを明らかにした。
結論
01) ADCTは、腫瘍の呼吸性移動を評価することが可能であり、局所浸潤の評価に有用である。
02)新しい低酸素イメージプローブは臨床応用が期待できる。
03)肺内リンパ節とすりガラス様陰影の定量化解析ソフトの開発が望まれる。
04)診断精度の高い機器を用いた任意型がん検診においても再度検診の受診率を向上させる必要がある。
05) パラメータの最適化をはかり、多施設での前向き研究が重要である。
06)病理画像や診断トレーニングソフトの公開は病理医の診断の向上と均てん化に貢献できる。
07)医用画像データベースの多言語での公開は、内外の多方面の医療関係者に利用されている。
08) 肺がんのコンピュータ支援画像診断・治療システムは薬事申請を念頭にしたシステム実用化に向けた成果を得た。
09)本研究の遠隔読影システムは、高いセキュリティで効率の良い適法な情報管理、運用の仕組みの実現が可能であることを示した。
10)腹膜播種症例に対するFLT-PETの有用性が期待される。
ある。
11)超低線量での肺がんCT検査は、検診のみならず、一般臨床まで普及されるべき技術である。
12)癌幹細胞/癌間質幹細胞を標的とするがん診断法、治療法の開発につなげる。
02)新しい低酸素イメージプローブは臨床応用が期待できる。
03)肺内リンパ節とすりガラス様陰影の定量化解析ソフトの開発が望まれる。
04)診断精度の高い機器を用いた任意型がん検診においても再度検診の受診率を向上させる必要がある。
05) パラメータの最適化をはかり、多施設での前向き研究が重要である。
06)病理画像や診断トレーニングソフトの公開は病理医の診断の向上と均てん化に貢献できる。
07)医用画像データベースの多言語での公開は、内外の多方面の医療関係者に利用されている。
08) 肺がんのコンピュータ支援画像診断・治療システムは薬事申請を念頭にしたシステム実用化に向けた成果を得た。
09)本研究の遠隔読影システムは、高いセキュリティで効率の良い適法な情報管理、運用の仕組みの実現が可能であることを示した。
10)腹膜播種症例に対するFLT-PETの有用性が期待される。
ある。
11)超低線量での肺がんCT検査は、検診のみならず、一般臨床まで普及されるべき技術である。
12)癌幹細胞/癌間質幹細胞を標的とするがん診断法、治療法の開発につなげる。
公開日・更新日
公開日
2015-06-02
更新日
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