乳幼児健康診査の実施と評価ならびに多職種連携による母子保健指導のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
201312013A
報告書区分
総括
研究課題名
乳幼児健康診査の実施と評価ならびに多職種連携による母子保健指導のあり方に関する研究
課題番号
H24-次世代-指定-007
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
山崎 嘉久(あいち小児保健医療総合センター 保健センター)
研究分担者(所属機関)
  • 山縣 然太朗(山梨大学大学院医学工学総合研究部 社会医学講座 公衆衛生学)
  • 溝呂木 園子(山梨大学大学院医学工学総合研究部 社会医学講座 公衆衛生学)
  • 佐藤 拓代(大阪府立母子保健総合医療センター)
  • 玉腰 浩司(名古屋大学医学部保健学科看護学専攻)
  • 丸山 進一郎(医療法人アリスバンビーニ小児歯科)
  • 市川 香織(社団法人日本助産師会)
  • 加藤 恵子(愛知県半田保健所健康支援課 地域保健グループ)
  • 草野 恵美子(大阪医科大学 看護学部 地域看護学)
  • 石川 みどり(国立保健医療科学院生涯健康研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
8,820,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
乳幼児健康診査(以下、乳幼児健診)の実施状況、妊娠期から乳幼児期の保健指導に関する実態ならびに乳幼児健診に対する都道府県の状況を把握することから、乳幼児健診の実施と評価ならびに多職種連携による母子保健指導のあり方について検討すること。
研究方法
研究2年次の本年度は、以下のような方法を用いて検討した。
1)乳幼児健診の実施や保健指導に関する全国市町村の状況把握:市町村が乳幼児健診で優先している健康課題や事後措置、健診事業の評価の状況、市町村における妊産婦の保健指導、妊娠期から乳幼児期の歯科保健指導について自記式調査票を用いたアンケート調査を実施した。2)標準的な乳幼児健診の実施に関する検討:疾病スクリーニング項目、乳児健診の問診項目について検討した。3)標準的な保健指導のあり方に関する検討:妊娠期の保健指導、栄養学から見た妊婦・乳幼児期の保健指導、及び乳幼児健診の保健指導における保健師の総合的な判断に関する検討を行った。4)モデル地域での実践等による乳幼児健診の情報活用に関する検討:医療機関委託健診における医療機関と自治体との円滑な情報共有のあり方、及び乳幼児健診後のフォローアップによる情報把握と精度管理、支援の評価のあり方について、モデル地域での実践により検討した。また、母子保健情報の利活用の基本的な考え方について検討した。
結果と考察
市町村調査から、市町村が乳幼児健診事業において優先している健康課題として「発達の遅れや発達障害」「養育者のメンタルヘルス(産後うつなど)」と「子ども虐待」が多く、健診の実施体制については、「フォローアップ体制」「未受診者対策」の優先度が高かった。他機関との情報共有については、個々のケースについての連絡は比較的進んでいるものの、対象者全員の情報を共有する取り組みは少ない状況であった。健診事業の評価として、受診数や未受診数などの実績値の業務報告はほとんどの市町村で実施されているものの、事業の成果や実績を把握し、計画の見直しにつなげるなどPDCAサイクルに基づいた事業評価は十分でない状況であった。また、2年間にわたって実施した市町村調査の結果や現場担当者等のヒアリングなどによる事実確認、保健指導に関するエビデンスの集積、モデル地域における実践状況の分析、さらに他研究班や関連学会と情報共有等を行い、標準的な乳幼児健診のあり方について考察した。
結論
標準的な乳幼児健診のあり方として、その意義を、①健康状況の把握、②支援者との出会いの場、③一貫した行政サービスを提供するための標準化、及び④多職種が連携し、協働する健診の4つの視点にまとめ上げた。そして、「乳幼児期の健康診査と保健指導に関する標準的な手引きの考え方」を作成し、その具体的な内容を記述した。

公開日・更新日

公開日
2014-08-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201312013Z