病児・病後児保育の実態把握と質向上に関する研究

文献情報

文献番号
201312010A
報告書区分
総括
研究課題名
病児・病後児保育の実態把握と質向上に関する研究
課題番号
H25-次世代-一般-006
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
三沢 あき子(京都府立医科大学 男女共同参画推進センター (小児科学教室))
研究分担者(所属機関)
  • 遠藤 郁夫(日本保育園保健協議会)
  • 上別府 圭子(東京大学大学院医学系研究科 健康科学・看護学専攻)
  • 宮崎 博子(全国保育園保健師看護師連絡会)
  • 山崎 嘉久(あいち小児保健医療総合センター)
  • 多屋 馨子(国立感染症研究所 感染症疫学センター)
  • 安井 良則(大阪府済生会中津病院 臨床教育部)
  • 稲見 誠(全国病児保育協議会)
  • 塩飽 仁(東北大学医学部保健学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
8,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
【背景】我が国においては核家族化が進み、頼れる身内が近隣にいない共働き家庭が増加している。このような社会状況下において、子育て世代が仕事を継続していくために、病児・病後児保育はニーズの高い保育サービスの一つとなっている。需要が高まり多様化している病児・病後児保育の質の確保は喫緊の課題である。また、保育所における看護師の配置は約30%にとどまっており、保育保健の充実が求められている。
【目的】本研究は、全国の病児・病後児保育の実態把握を行ったうえで実践的標準化マニュアルを作成し、病児・病後児保育の質向上の普及に寄与することを目的とする。また、保育所における看護師の役割及び必要な人員配置を明確化し、保育保健マニュアルを作成することにより、子ども達の健康及び安全を守るための基盤を確立する。
研究方法
【方法】平成24年度全国の病児・病後児保育事業補助金交付1604施設(病児対応型557、病後児対応型540、体調不良児対応型507)を対象として、平成25年7月に当研究班作成調査票(別添)を送付し、返信用封筒にて返信いただいた(回収率67%)。連結可能匿名化データの統計解析は臨床研究情報センターで実施した。
結果と考察
【結果】
①人員配置:病児・病後児保育利用児は、0歳児10%、1歳児33%、2歳児18%で、3歳未満の児が61%をしめていた。各施設の常勤換算保育士1人あたりの児童数の中央値は、病児対応型では保育士1人あたり児童2.0人、病後児対応型では保育士1人あたり児童3.0人であった。各施設の看護職員1人あたりの児童数中央値は、病児・病後児ともに、看護職員1人あたり児童4.0人であった。
②運営課題:「自施設の病児・病後児保育運営上困っている課題」は、病児対応型では「利用児童数の日々の変動」(65%)、「当日利用のキャンセル」(50%)、「人件費等採算(赤字)」(40%)であったのに対し、病後児対応型では「利用が少ない」(43%)が最も多かった。また、医療機関併設でない施設においては「医療機関との連携」が課題としてあげられた。(1)利用児童数:年間述べ利用児童数の中央値は、病後児対応型施設が90人であったのに対し、病児対応型施設は577人であった。また、1施設あたりの許容定員に対する利用率の中央値は、病児対応型が40%であったのに対し、病後児対応型は11%であった。各施設の[最も利用児童が多かった月の述べ利用児童数]と[最も利用児童が少なかった月の述べ利用児童数]の比の中央値は2.7であり、感染症の流行状況等により、月による利用児童数の変動が2.7倍あることが示された。(2)当日キャンセル:1施設あたりのキャンセル率は、病児対応型・病後児対応型ともに平均25%にのぼった。(3)不採算性:年間利用児童数が少ない施設のみでなく、多い施設においても不採算(赤字)が課題であった。
結論
【結語】全国病児・病後児保育施設を対象としたアンケート調査により、病児・病後児保育施設の実態と課題を明らかにし、病児・病後児保育事業に関する提言を作成した。次年度は、現在行っている保育保健調査の結果をとりまとめ、両調査結果に基づき、人材育成のための地域研修の内容を含めた病児・病後児保育及び保育保健マニュアルまたはガイドラインを作成するとともに、病児・病後児保育施設の地域連携モデル研究を行う予定である。

公開日・更新日

公開日
2014-08-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2014-08-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201312010Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
10,200,000円
(2)補助金確定額
10,200,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 149,146円
人件費・謝金 685,106円
旅費 433,510円
その他 7,232,238円
間接経費 1,700,000円
合計 10,200,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2014-06-02
更新日
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