認知症一次予防のための多角的データ利用による縦断研究

文献情報

文献番号
201311016A
報告書区分
総括
研究課題名
認知症一次予防のための多角的データ利用による縦断研究
課題番号
H24-認知症-若手-003
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
山岸 良匡(国立大学法人筑波大学 医学医療系 社会健康医学)
研究分担者(所属機関)
  • 磯 博康(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科 公衆衛生学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 認知症対策総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
1,608,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本人における認知症の一次予防に関するエビデンスは極めて限られており、高齢社会に達したわが国において認知症の一次予防に関するエビデンスの蓄積は急迫した課題である。申請者は平成21~23年度認知症対策総合研究事業の若手育成型として、認知症の新しい危険・抑制因子の探求を行った。茨城・秋田の2地区において、過去の健診データと介護保険データを突合したコホート内症例対照研究により、喫煙、血圧、糖尿病、血清総コレステロール、血清CRP、血清単価不飽和脂肪酸は認知症リスクと正の関連又は傾向を、血清n-3系多価不飽和脂肪酸と血清コエンザイムQ10は負の関連又は傾向を示すことを見いだした。本研究では追跡期間を延長して、過去の調査では例数の不足から不確定であった要因を確定するとともに、心電図、眼底、腎機能等の項目と認知症発症との検討を進める。
研究方法
本研究は、長年にわたり脳卒中予防対策を実施してきた茨城・秋田の2地域において、循環器疾患健康診査データと介護保険データを一体化させてデータベースを構築し、要介護認知症の予防に役立つ生活指導・健診項目を明らかにする。本年度は従来の健診項目に加え先行研究では分析し得なかった項目(心電図、眼底、腎機能等)について、従来の症例対照研究用のデータセットに加えてベースライン時年齢が40歳から69歳までの通常のコホートによるデータベースを構築し、古典的な循環器リスクファクター(喫煙、血圧、脂質、糖尿病、Body mass index)や心電図、眼底、腎機能所見と要介護認知症発症との関連についての粗解析をCoxの比例ハザードモデルを用いて分析した。さらに、血圧の長期的変化を曝露要因とした認知症発症に関するコホート内症例対照研究を行い、降圧薬治療の有無を考慮した血圧の長期間の変化と認知症発症との関連について検討した。
結果と考察
今回新たに心電図、眼底、腎機能の情報を含めたデータベースが整備され、これらを新たに含めた分析を行った。その結果、高血圧、飲酒、糖尿病が認知症の重要なリスクファクターである可能性に加えて心電図ST-T変化や高血圧性眼底所見、糸球体濾過量が認知症のリスクファクターとして検出された。また、ダイナミックコホートデータの特性を活かし、長期間にわたる曝露要因データを活用した新しい分析方法を開発し、認知症発症前の経時的な拡張期血圧の上昇が認知症発症リスクに促進的に作用することが、特に降圧薬治療歴がある人で顕著に認められた。これらを併せ、若手研究者を中心としたライティンググループを組織し、最新のデータベースを用いて、血清高感度C反応蛋白と認知症発症との関連など2報の論文を投稿中である。その他のテーマについても論文作成に着手している。したがって本研究は当初の研究計画に従い、順調に進捗している。
結論
従来の健診項目に加えて、心電図、眼底、腎機能の情報を含めたコホート研究用のデータベースを新たに整備し、認知症との関連を分析した。さらに、繰り返し測定測定データの特性を活かした、長期的なリスクファクターの変動を考慮した分析手法を新たに開発した。今後も新たな認知症発症を追加同定し、データセットを拡充・完成させ、これまでに整備したデータベースと合わせて総合的な最終解析を行い、研究を統括する予定である。

公開日・更新日

公開日
2014-08-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2015-01-23
更新日
-

収支報告書

文献番号
201311016Z