病・診・介護の連携による認知症ケアネットワーク構築に関する研究事業

文献情報

文献番号
201311005A
報告書区分
総括
研究課題名
病・診・介護の連携による認知症ケアネットワーク構築に関する研究事業
課題番号
H24-認知症-一般-002
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
神崎 恒一(杏林大学 医学部 高齢医学)
研究分担者(所属機関)
  • 武田 章敬(国立長寿医療研究センター 脳機能診療部 第二脳機能診療科)
  • 小田原 俊成(横浜市立大学附属市民総合医療センター精神医療センター)
  • 旭 俊臣(旭神経内科リハビリテーション病院)
  • 木之下 徹(医療法人社団こだま会 こだまクリニック)
  • 山口 晴保(群馬大学大学院 保健学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 認知症対策総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
8,924,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
認知症高齢者ならびにその家族が地域で安心して暮らすためには、医療、介護、福祉の連携による地域包括ケアの構築が必要である。これを実現するため三鷹市と武蔵野市で、1.かかりつけ医もしくは相談医(医師会)、2.専門医療機関(杏林大学病院他)、3.在宅相談機関(地域包括支援センター他)の三者の連携組織である“三鷹武蔵野認知症連携を考える会”を設立し活動している。その活動の中で、三者間双方向型情報交換シートを作成し、運用してきた。これにより、三者間での情報共有化によって、認知症の早期発見・介入、適切な介護サービスの導入、患者・家族の安心感の向上が得られている。
今後、連携をさらに推進するために、在宅向け認知症啓発冊子を用いた地域全体での啓発活動、早期発見ツールの効用検証、さらには、同じシステムを三鷹市・武蔵野市以外の地域に導入することが可能かについて実地で検証することを目的としている。
研究方法
1.“三鷹武蔵野認知症連携を考える会”の運営を継続し、その中で、2.早期診断ツール(情報交換シート1)の運用と効果検証を行う。3.在宅相談機関向け認知症対応マニュアル“認知症のことで困ったら”を完成させ、各地域に配布し、アンケートを作成し、マニュアルの効果を検証する。4.三鷹市・武蔵野市に近接する調布市、狛江市、小金井市、府中市で、同様の医療、介護、福祉の連携活動を推進する。
結果と考察
1.と4. 地域連携協議会の推進
“三鷹武蔵野認知症連携を考える会”ワーキンググループ会議を4/22、7/22、10/21、1/27に開催した。シート1~3の運用について、三鷹市において120件以上、武蔵野市において100件以上の使用を確認した。小金井市で平成25年1/16, 4/15, 7/8, 11/11, 平成26年2/17に連携会議を開催した。同市では三鷹・武蔵野連携シート修正版を作成し、運用を開始した。調布市では平成25年5/17, 7/19, 9/5, 11/15, 平成26年1/16に連携会議を開催した。同市では鷹・武蔵野連携シートを使用している。府中市では平成25年2/19, 7/30, 10/22,平成26年2/18に連携会議を開催した。同市では三鷹・武蔵野連携シートを利用している。狛江市では平成25年3/15に連携会議を開催した。また、三鷹市、武蔵野市、小金井市、調布市、府中市、狛江市全体の連携会議を平成25年11/18に開催した。
2.早期診断ツールの効果検証
三鷹・武蔵野連携シート1は早期診断ツールである。そこで、杏林大学病院受診症例476例として、シート1、13項目について以下の検討を行った。13項目のうち陽性項目数(平均4.6±2.9個)はMMSEと有意な負の相関(r=-0.39, p<0.001)、周辺症状の指標DBDと負の相関(r=-0.39, p<0.001), 家族の介護負担度ZBIと正の相関(r=-0.46, p<0.001)を示した。このことから、シート1は認知症のスクリーニングチェックとして妥当であると考えられた。
3.在宅相談機関向け認知症対応マニュアルの利用と効用検証のためのアンケートの作成
 認知症高齢者ならびにその家族が地域で幸せに暮らすためには、家族とそれを支える職種(地域包括支援センター、ケアマネジャー、社会福祉士、保健師、介護福祉士、看護師、医師、薬剤師、療法士など)が認知症のことをよく理解し、認知症高齢者と良い関係を築くことが必要である。そこで本研究では、4人の研究分担者の協力のもと、認知症啓発冊子「認知症のことで困ったら」を作成した。これは在宅向けの認知症の方への対応の仕方、周辺症状への具体的対応策を事例付きで提示したものである。これを4000部作成し、三鷹市、武蔵野市、小金井市、調布市、府中市、狛江市、品川区近傍、横浜市、千葉県松戸市、群馬県、愛知県知多北部地域の地域包括支援センター、在宅介護支援センター、居宅介護支援事業所、病院、診療所に配布し、各所から認知症の方を在宅でみている利用者に配布している。その際、平成26年度に冊子利用の効果をアンケート形式で調査する。
結論
1.平成25年度は三鷹市、武蔵野市での認知症連携活動を継続して行った。2.杏林大学病院もの忘れセンターでの使用例から、早期発見ツールであるシート1の13のチェック項目は認知機能、周辺症状の程度、家族の介護負担度と十分高い相関を示し、認知症のスクリーニングツールに有用であることを検証した。3.在宅向け認知症啓発冊子「認知症のことで困ったら」を4,000部作成、配布した。その効用をアンケート形式で確認する(平成26年度)。4.三鷹市、武蔵野市での認知症連携体制を小金井市、調布市、府中市、狛江市でも展開し、6市全体での協議会も開催し、普遍的な連携体制構築に務めた。

公開日・更新日

公開日
2014-08-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2015-01-23
更新日
-

収支報告書

文献番号
201311005Z