認知症の超早期診断システムの構築と発症予防のための介入プログラムの作成

文献情報

文献番号
201311003A
報告書区分
総括
研究課題名
認知症の超早期診断システムの構築と発症予防のための介入プログラムの作成
課題番号
H23-認知症-一般-003
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
内田 和彦(国立大学法人筑波大学 医学医療系)
研究分担者(所属機関)
  • 朝田隆(国立大学法人筑波大学 医学医療系 )
  • 水上勝義(国立大学法人筑波大学 医学医療系 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 認知症対策総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
17,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では「元気な高齢化社会実現のための生涯の健康脳の維持」を目的に、3年間で「早期介入のための認知症早期診断法の確立」を目指す。申請者らの利根プロジェクトと称した2001年から今日まで継続する「認知症予防の地域介入縦断研究」1-4)で蓄積してきた時系列の臨床データと血清を活用し、認知症を発症した者としなかった者の分子基盤の解析により、認知症発症と発症リスク要因・リスク抵抗要因に関わる生体分子(バイオマーカー)を明らかにする。今年度、2013年は、縦断研究におけるプロテオミクスならびにタンパク質メタボロミクス解析のための血清・血漿の収集とプロテオミクス解析を行う。
研究方法
本研究では、これらの10年間以上にわたる地域縦断研究において蓄積してきた時系列の臨床データと血清を用いて、軽度認知障害と認知症を発症した者としなかった者の分子基盤についての情報を獲得、リスク要因とリスク抵抗要因に関わる生体分子を探索する。バイオマーカーについては、申請者らが見いだしたMCIの血液中に特徴的に検出される神経細胞由来のタンパク質・ペプチド5)、ならびにフォーカスドプロテオミクスによって注目した5つのタンパク質について、複数のコホートからの臨床サンプルを用いた横断研究、利根町コホートの時系列臨床サンプルを用いて、タンパク質はイムノアッセイと組織免疫化学により、ペプチドについては高速液体クロマトグラフと質量分析を用いたLC-MS法によって解析する。
結果と考察
確立したタンデム四重極質量分析装置を用いた高速MRM(同時多項目分析)LC-MS定量法によって縦断研究の血清の解析結果を得た。同じサンプルを用いて複数の血清タンパク質について同時多項目免疫アッセイ法による縦断研究サンプルの解析し、3つのタンパク質が、知的健常からMCIへと至った者ないしはMCIを維持しているもので低下していることが明らかになった。これら3つの組み合わせで多重ロジスティクス解析による判別分析によって、AD vs. 知的健常において感度92%, 特異度70%を、MCI vs. 知的健常において感度90%, 特異度50%を得た。これらのタンパク質は健常老化においてもその量が低下するものもあるが、知的健常からMCI、ADへと至った者で顕著に低下した。本研究によってペプチドバイオマーカーの親タンパク質であるそれぞれについてイムノアッセイを行い、その一部について、時系列の変動が明らかになった。
結論
利根町縦断研究サンプルを用いた補体タンパク質由来ペプチドの定量においては、バイオマーカーペプチドで有意差があった。さらには血液凝固系タンパク質由来ペプチドについても、有意な変化が見られた。これらの10年間以上にわたる地域縦断研究において蓄積してきた時系列の臨床データと血清を用いて、軽度認知障害と認知症を発症した者としなかった者の分子基盤についての情報を獲得できたと考えられる。今後の研究によって、これらのバイオマーカーと疾患発症との因果関係についても検討していきたい。

公開日・更新日

公開日
2014-08-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2014-08-26
更新日
-

文献情報

文献番号
201311003B
報告書区分
総合
研究課題名
認知症の超早期診断システムの構築と発症予防のための介入プログラムの作成
課題番号
H23-認知症-一般-003
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
内田 和彦(国立大学法人筑波大学 医学医療系)
研究分担者(所属機関)
  • 朝田隆(国立大学法人筑波大学 医学医療系)
  • 水上勝義(国立大学法人筑波大学 医学医療系)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 認知症対策総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では「元気な高齢化社会実現のための生涯の健康脳の維持」を目的に「早期介入のための認知症早期診断法の確立」を目指す。利根プロジェクトと称した2001年から今日まで継続する「認知症予防の地域介入縦断研究」で蓄積してきた時系列の臨床データと血清を活用し、認知症を発症した者としなかった者の分子基盤の解析により、認知症発症と発症リスク要因・リスク抵抗要因に関わる生体分子(バイオマーカー)を明らかにする。申請者らが見いだした軽度認知障害(Mild Cognitive Decline: MCI)の血液中に特徴的に検出される神経細胞由来のタンパク質・ペプチドに注目し、複数のコホートからの臨床サンプルを用いた横断研究、利根町コホートの時系列臨床サンプルを用いて、タンパク質はイムノアッセイと組織免疫化学により、ペプチドについては高速液体クロマトグラフと質量分析を用いたLC-MS法によって解析する。
研究方法
本研究では、認知症予防の地域介入の縦断研究とタンパク質メタボロミクス(ペプチドミクス)ならびにプロテオミクスによるバイオマーカー研究を融合させ、アルツハイマー病とMCIの血液検査の臨床的有用性について横断面と縦断面の解析を行う。主な研究項目を以下に示す。1)これまでの予備的な解析で得られたMCI・アルツハイマー病診断バイオマーカーの多施設解析(横断研究)2)知的健常からMCI、アルツハイマー病 へと至った者における疾患関連タンパク質・ペプチドの推移を解析する(縦断研究)。3)脳脊髄液と血清におけるバイオマーカータンパク質・ペプチドの動態 4)バイオマーカータンパク質・ペプチドのアッセイ法の開発 。5)「認知症を発症した者としなかった者の分子基盤」の解析により、認知症発症のリスク要因・リスク抵抗要因に関わる生体分子(バイオマーカー)を明らかにする。
結果と考察
国内の5つのコホートおいてそれぞれの研究で参加した患者・健常老人と収集された臨床サンプル、ならびに利根プロジェクト「認知症予防の地域介入縦断研究」で参加した患者・健常老人と収集された臨床サンプルを用いた。アルツハイマー病、MCI、各種認知症疾患ならびに他の精神神経疾患の患者の血清(一部は血清と血漿ならびに髄液)を用いて、これまでの研究で得られた診断マーカー候補(21種類)の解析を行った。医学統計解析に供するためデータはデータベース化した。
2)知的健常からMCI、アルツハイマー病 へと至った者における疾患関連タンパク質・ペプチドの推移を解析する(縦断研究)。知的健常からMCI、アルツハイマー病 へと至った縦断研究症例におけるマーカーの推移を測定し評価した。同時多項目免疫アッセイ法による、地域介入縦断研究の時系列血清サンプルの解析を行った。
結論
1.ペプチドミクス解析で見いだされたMCIやADに移行するタイミングで変動するバイオマーカーペプチドについて異なる定量方法でその再現性を確認した。2.シナプス障害に関わる因子と炎症(Abオリゴマー排除)に関わる因子について、多施設血清サンプルを用いた横断研究の結果と時経列縦断研究の結果が一致した。3.認知症発症リスク要因とリスク抵抗要因に関わる生体分子として、3つのタンパク質を同定した。これらのタンパク質は健常老化においてもその量が低下するものもあるが、知的健常からMCI、ADへと至った者で顕著に低下した。4.これらの3つのタンパク質の組み合わせで多重ロジスティクス解析による判別分析で、AD vs. 知的健常において感度92%, 特異度70%を、MCI vs. 知的健常において感度90%, 特異度50%を得た。これにMMSEを加えるとそれぞれ特異度が96%, 85%となった。

公開日・更新日

公開日
2014-08-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2014-08-26
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201311003C

収支報告書

文献番号
201311003Z