倫理審査委員会の認定制度と要件に関する検討

文献情報

文献番号
201309058A
報告書区分
総括
研究課題名
倫理審査委員会の認定制度と要件に関する検討
課題番号
H25-医療技術-指定-018
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
楠岡 英雄(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター )
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究事業(臨床研究・治験推進研究事業)
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
1,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」では、「臨床研究等における倫理性及び質の向上」のためには「質の高い臨床研究の実施促進と被験者保護の在り方」の検討が必要であり、<中・長期的に目指すこと>として、「倫理審査委員会の認定制度」の導入が上げられている。すなわち、国等による倫理審査委員会の認定制度(倫理審査委員会の質を保証するシステム)を導入することにより、「国等が一定の基準を満たしているものを適切な倫理審査を行える委員会と認め、審査の質を保証するとともに継続的な質の向上を図る」ことをめざし、それにより「医療機関等が認定を受けた倫理審査委員会を積極的に利用するように努める」ことにより研究の質の向上を図ろうとするものである。本研究は、この倫理審査委員会の認定制度の導入のために必要な制度設計と認定要件に関して検討し、具体的な認定要件を策定することを目的としたものである。
研究方法
10名の研究協力者により研究班を構成し、倫理審査委員会の認定に関する制度設計、認定要件についての検討を行った。研究協力者は、法律の専門家、研究倫理の専門家、生物統計学者、臨床研究に豊富な経験のある臨床医、医薬開発学の専門家、臨床研究コーディネーター、患者・被験者の対場を代表する者などである。本研究の初年度である今年度においては、2回の班会議を開催した。
結果と考察
結果
1.倫理審査委員会の認定要件
 認定は、特に際立った研究や特殊な研究の審査を行う倫理審査委員会の認定ではなく、持続的に活動を行っている一般的な倫理審査委員会を対象とすることが確認された。その上で、認定の要件として、審査の効率性、倫理審査委員会に関わる人材や資源の状況、教育研修等の視点から、以下の項目を考慮すべきとした。
①基本要件
②追加すべき要件
③審査時の提出物
④認定後の義務
⑤認定の更新
⑥その他
 各項目の詳細については次年度において検討することとした。

2.認定を行う機関に関する要件
 倫理審査委員会の認定を行う機関については、その設立母体、設置者の要件等についての検討を行ったが、具体的な結論には至らなかった。ただし、組織内に臨床研究に関する倫理審査委員会を持つ機関は、利益相反等から考えて、妥当ではないとする点ではほぼ一致を見た。

考察
 海外における倫理審査委員会の認定制度として、アメリカの民間団体であるAAHRPPによる認定、米国保健福祉省のOHRPへの登録制度、アジア・西太平洋地域におけるFERCAPによる認証等を検討した。この中で、AAHRPPによる認定は倫理審査委員会のみを対象としたものではなく、研究組織としての被験者保護プログラム全体の評価・認証であるので、今回の検討の対象とはなりにくいことが明らかとなった。また、OHRPは登録のみで認証とは言いがたいことも明らかとなった。
 倫理審査委員会の認定の具体的要件として、WHOの出しているガイドラインStandards and Operational Guidance for Ethics Review of Health-Related Research with Human Participantsを参考とすることの妥当性について、今後、検討を加えることとなった。
結論
今年度は、倫理審査委員会の認定要件と認定を行う機関の要件について検討した。最終的な要件決定には至らず、次年度において引き続き検討することとなった。

公開日・更新日

公開日
2015-03-03
更新日
-

収支報告書

文献番号
201309058Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
1,300,000円
(2)補助金確定額
1,300,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 271,744円
人件費・謝金 261,180円
旅費 312,840円
その他 154,248円
間接経費 300,000円
合計 1,300,012円

備考

備考
利息12円

公開日・更新日

公開日
2015-04-16
更新日
-