症例集積性向上等に貢献できる治験ネットワーク活性化に関する研究

文献情報

文献番号
201309052A
報告書区分
総括
研究課題名
症例集積性向上等に貢献できる治験ネットワーク活性化に関する研究
課題番号
H25-医療技術-指定-014
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
山本 学(公益社団法人日本医師会 治験促進センター 研究事業部)
研究分担者(所属機関)
  • 辻村信正(独立行政法人国立病院機構本部総合研究センター)
  • 長谷川彰(独立行政法人国立病院機構本部総合研究センター)
  • 栗山 猛(独立行政法人国立成育医療研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究事業(臨床研究・治験推進研究事業)
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
研究分担者交替 辻村信正(平成25年4月1日~平成25年6月30日)→長谷川彰(平成25年7月1日以降)

研究報告書(概要版)

研究目的
複数の治験実施医療機関があたかも1つの治験実施医療機関のように治験を受託できる治験ネットワークを確実に運営し、促進していくために、症例集積性や事務手続きの効率化、迅速化等の点で優良な治験ネットワークに求められる要件を定める。また、「治験等の効率化に関する報告書」に記載されている内容の実効性について評価し、さらに検討が必要とされている項目(共同IRB普及への具体的な方法や効率的な活用について等)や、「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」が治験ネットワーク(事務局を含む)、参加医療機関、治験依頼者に課している内容(共同IRBや患者紹介システム、医師等のインセンティブ、治験ネットワーク事務局機能の強化等)、疾患に応じた治験ネットワーク構築のための具体的な方策等を検討し、提案する。
研究方法
本研究は2年計画であることより以下のスケジュールで研究を行う
平成25年度:既存の治験ネットワークおよび治験依頼者等からのヒアリングや情報収集を行い、治験ネットワークの利用が促進される諸要件の素案を取りまとめ、その素案についてパブリックコメントを利用し最終化する。また、報告書の内容の実効性を評価するための項目等を検討し、評価を行う。
平成26年度:1年目で最終化した諸要件に基づき、既存治験ネットワークについて検証を行い、諸要件設定の妥当性を評価し、必要に応じて修正を行う。また、報告書の評価結果より検討すべき項目について検討する。
結果と考察
本研究により、治験NW参加医療機関にとって治験NWへの参加は受動的なものが多く、積極的な関与は少ないことが明らかになった。また、治験NW経由で実施できた治験は少なく、「治験NWがあたかも1つの医療機関のように機能する」ために必要な体制や対応も十分でなく、結果として医療機関にとって治験NWへ参加する意義が少ない状況であった。一方で、治験NW事務局から医療機関側に要請されると思われる多くの事項は、90%以上が受け入れ可との回答であり現実とは乖離があった。
結論
真に治験NWが機能するには、治験NW事務局の積極的なマネジメントと治験NW参加医療機関の協力が不可欠であり、そのためには双方が合意できる目標と具体的な行動方針、評価指標が必要である。本研究において、症例集積性向上等に貢献できる治験NW活性化策として、治験NW参加医療機関個々が取り組むべき課題、治験NW事務局が取り組むべき課題、治験NW全体で取り組むべき課題の一例を示した。また、治験NWの改善状況を定量的に示すための評価指標(自己評価シート)を検討している。課題について治験NWで実際に取り組み、評価指標により改善状況を確認することで、課題設定と評価指標の妥当性を評価し必要に応じて改善していくというPDCAサイクルで取り組むことが重要である。

公開日・更新日

公開日
2015-03-03
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2015-06-04
更新日
-

収支報告書

文献番号
201309052Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,000,000円
(2)補助金確定額
1,873,000円
差引額 [(1)-(2)]
1,127,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 53,970円
人件費・謝金 146,000円
旅費 1,109,870円
その他 564,256円
間接経費 0円
合計 1,874,096円

備考

備考
利息及び自己資金

公開日・更新日

公開日
2017-05-25
更新日
-