臨床研究コーディネーター養成カリキュラムの標準化に関する研究

文献情報

文献番号
201309051A
報告書区分
総括
研究課題名
臨床研究コーディネーター養成カリキュラムの標準化に関する研究
課題番号
H25-医療技術-指定-013
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
楠岡 英雄(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター )
研究分担者(所属機関)
  • 後澤 乃扶子(独立行政法人国立がん研究センター、)
  • 遠藤 一司(明治薬科大学)
  • 小原 泉(自治医科大学)
  • 山田 浩(静岡県立大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究事業(臨床研究・治験推進研究事業)
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
3,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
質の高い臨床研究・治験の実施には臨床研究コーディネーター(以下、「CRC」とする。)の存在が不可欠である。CRCは、臨床研究・治験の実施を円滑に行うために、研究者を支援し、研究スケジュールの管理、関連部門との調整、被験者へのケア、臨床データの管理等、臨床研究・治験の倫理性や科学性を担保する役割を担う専門職である。本研究は、「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」に記載されている「初級者CRC」、「上級者CRC」に求められる人材像を明確化した上で、初級者CRC、上級者CRCの養成研修の立案を目的とした。すなわち、CRCの養成において、どの団体が実施しても質が適切に保たれるよう、標準的な養成カリキュラムの整備を行い、研修内容の標準化を図ることを目的としている。
研究方法
本研究の初年度である今年度においては、5回の班会議を開催し、以下の事項を行った。まず、臨床研究・治験に関わっている臨床研究者や諸団体に対するヒアリングを行い、初級者CRC、上級者CRCに求められる知識・技倆についての情報収集を行い、初級者CRC、上級者CRCの人材像を明確化した。
また、これまで本邦で実施されてきたCRCに関する養成研修内容、海外における研修状況等について情報収集を行い、標準養成カリキュラムの策定を行った。次年度においては、策定したプログラム内容を1つ以上の団体等で実施し、評価を行い、問題点があれば改訂を試みる予定である。
結果と考察
1.CRCの人材像
以下の7名から、CRCの人材像についてヒアリングを行った。
・山口育子(NPO法人ささえあい医療人権センターCOML)
・藤原康弘(国立がん研究センター)
・山本精一郎(国立がん研究センター)
・小林典子(国立がん研究センター)
・榎本有希子(日本大学医学部附属板橋病院)
・山本晴子(国立循環器病研究センタ-)
・青谷恵利子(北里大学臨床研究機構)
 各発表については資料に収載している。
2.CRC養成標準カリキュラム案
 初級者CRC、上級者CRCのそれぞれの標準養成カリキュラムを作成した。各カリキュラムは分担研究報告書に示すとおりである。なお、今回のカリキュラム作成においては、Association of Clinical Research Professional(ACRP)が採用している、臨床研究支援人材の14 の役割・責務を基本項目とした。また、日本SMO協会のCRC育成に関する取り組みについても情報提供を受け、資料に収載した。

考察:今回のヒアリングより、CRCに求める人格・能力・技能は、それぞれの立場において異なることが明らかとなったが、コミュニケーション能力を重要視する点では共通していた。
CRC養成カリキュラムの策定においては、ACRPの臨床研究支援人材の14 の役割・責務を基本に置くことで、初級CRC養成研修カリキュラムと上級CRC養成研修カリキュラムとの整合性、一貫性が計られたと考えられる。また、ACRPの項目にないが、我が国におけるCRC養成に必要と考えられる項目を明らかにし、追加した。これにより、CRCに求められる技能等のグローバル比較も同時に行えたと考えられる。
結論
CRCに求められる人材像の明確化と、初級者CRC、上級者CRCの養成カリキュラムの標準化が計れた。さらに、臨床研究支援人材の育成に関する大学院教育プログラム骨子案を提案できた。

公開日・更新日

公開日
2015-03-03
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2016-01-28
更新日
-

収支報告書

文献番号
201309051Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
4,680,000円
(2)補助金確定額
4,680,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,425,431円
人件費・謝金 377,540円
旅費 668,750円
その他 1,128,500円
間接経費 1,080,000円
合計 4,680,221円

備考

備考
差額221円は利息により充当した。

公開日・更新日

公開日
2016-01-28
更新日
-