大学の連携による職種・レベル別に対応した臨床研究・治験のe-learningシステムを展開する研究

文献情報

文献番号
201309030A
報告書区分
総括
研究課題名
大学の連携による職種・レベル別に対応した臨床研究・治験のe-learningシステムを展開する研究
課題番号
H24-臨研基-一般-002
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
小出 大介(東京大学 医学部附属病院 臨床疫学研究システム学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 木内 貴弘(東京大学 医学部附属病院 UMINセンター)
  • 興梠 貴英(自治医科大学 医療情報部)
  • 小室 美子(東京大学 医学部附属病院 トランスレーショナルリサーチセンター)
  • 原田 賢治(東京農工大学 保健管理センター)
  • 苅尾 七臣(自治医科大学 内科学講座)
  • 浜本 敏郎(自治医科大学 情報センター)
  • 吉尾 卓(自治医科大学 内科学講座)
  • 星出 聡(自治医科大学 内科学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究事業(臨床研究・治験推進研究事業)
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
22,500,000円
研究者交替、所属機関変更
研究分担者である興梠貴英が東京大学医学部附属病院から自治医科大学 医療情報部へ異動にともない所属が変更。同じく研究分担者の原田賢治が東京大学医学部附属病院から東京農工大学 保健管理センターへ異動にともない所属が変更。

研究報告書(概要版)

研究目的
既存の臨床研究・治験のe-learningは、使い難さや少数の受講者、内容の偏りなど改善の余地がある。そこで「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」に基づき、大学と地域病院が連携して、基幹病院だけでなく地域医療の現場でも臨床研究を推進するための新しいe-learningのシステムを構築することを目的としている。
研究方法
方法として2年目は、改良したシステムを実装する。まずインフラでは、複数のサーバを一元的に利用するシングルサインオン(SSO)を導入する。そしてアクセスログから学習予定者の利用環境とニーズを探るための調査を実施する。また次年度の評価に向けて、評価方法について既存の方法を参考に検討する。
コンテンツについては上級編、初級編と分け、各カリキュラムには理解度を確認するための設問を基本的に各5問以上設定し、8割以上の正解を求めることとする。また各職種別、そして上級と初級別に必修科目を設定し、それら必修科目について全て8割以上の正解を修めた場合には修了証が発行される仕組みとする。これらコンテンツの検証については、研究分担者と手分けする。
さらに臨床研究や治験の教育自体が医療系大学である医学部、歯学部、薬学部、看護学部や、大学病院でどのような内容で、どの程度実施されているか、どのようなニーズを有しているか、e-learningなどの活用も含めて現状把握の為にアンケート用紙を作成し、調査を実施する。
またグローバル化へ対応するために海外のAcademic Research Organization (ARO)と協力して、教育方法の検討や実際にシンポジウムを開き、それらもコンテンツとして加える。昨年度は世界最大のAROであるDuke Clinical Research Institute (DCRI)が中心であったが、本研究における中間評価で海外のAROはDCRIだけではないとの意見を受けたことから、Harvard大学とも協力を持つ。そして今年度は日本における研究者主導の臨床研究における信頼性向上が必要となる重大問題が生じたこともあり、Quality Assuranceも一つの大きな題材として含める。
結果と考察
システムとしてはシングル・サイン・オン(SSO)を導入し、UMIN IDを持つものであれば同じID、パスワードで利用できる仕組みができた。また学習予定者の利用環境とニーズ調査の結果、将来性も視野に入れ、画面の小さいスマートフォンなどにも対応できることも必要になると示唆された。そして本e-learningシステム自体を評価する方法として、製品品質、使用品質、組織品質、プロセス品質、学習品質という5つの軸と成果の評価、さらに評価者のタイプをまとめることができた。
コンテンツに関して、当初の予定を超えた多くのコンテンツを初級及び上級に盛り込むことができ、平成26年2月13日に次のサイトに一般公開とした(https://moodle2.umin.ac.jp/moodle/)。またグローバル化に向けたコンテンツとして「交絡手法を調整する統計手法」、「質的管理がされた研究者主導の臨床研究」や「研究者主導の臨床研究における日米の相違」について拡充もできた。設問なども概ね適切に取り揃えられたが、さらに難易度やビデオの時間など調整することもうかがわれた。またアンケート結果から看護学部でさらに当該分野の教育を増やすことや、全般的にまだe-learningを導入していないことから、本研究のe-learningが活用していく意義があると示唆された。
結論
大学と地域病院が連携して、基幹病院だけでなく地域医療の現場でも臨床研究を推進するための新しいe-learningのシステムの構築を目的として始まった本研究は、初年度の準備期間を経て2年目に実装することができた。
 システムとしてはSSOを導入し、UMIN IDを持つものであれば同じID、パスワードで利用できる仕組みができた。また将来的にはスマートフォンなどにも対応できることも必要になると示唆された。そして評価方法として幾つかの軸と評価者のパタンをまとめた。
コンテンツでは、当初の予定を超えた多くのコンテンツを初級及び上級に盛り込むことができた。加えてグローバル化に向けたコンテンツの充実もできた。設問なども概ね適切に取り揃えられた。またアンケート結果から臨床研究・治験を看護学部で増やすことや、e-learningとして全体的に広めていく意義が明らかとなった。

公開日・更新日

公開日
2015-03-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201309030Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
29,250,000円
(2)補助金確定額
28,952,902円
差引額 [(1)-(2)]
297,098円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,353,836円
人件費・謝金 2,869,026円
旅費 3,100,495円
その他 13,879,545円
間接経費 6,750,000円
合計 28,952,902円

備考

備考
外国人の招聘に関して調整に時間を要し、年度末ギリギリとなり、赤字となった時に補填する財源もないことから、少し余裕をもたせた経費運営をしたことから、最終的に少し研究費が余ったために返還した。

公開日・更新日

公開日
2017-07-06
更新日
-