造血細胞移植における肝中心静脈閉塞症(VOD)に対する本邦未承認薬defibrotideの国内導入のための研究:第I相および第II相試験(医師主導治験)

文献情報

文献番号
201309025A
報告書区分
総括
研究課題名
造血細胞移植における肝中心静脈閉塞症(VOD)に対する本邦未承認薬defibrotideの国内導入のための研究:第I相および第II相試験(医師主導治験)
課題番号
H24-被災地域-一般-006
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
菊田 敦(公立大学法人福島県立医科大学附属病院 臨床腫瘍センター)
研究分担者(所属機関)
  • 梅村 和夫(国立大学法人浜松医科大学医学部附属病院 薬理学/探索的臨床研究部)
  • 小川 千登世(独立行政法人国立がん研究センター中央病院 小児腫瘍科)
  • 福田 隆浩(独立行政法人国立がん研究センター中央病院 造血幹細胞移植科)
  • 谷口 修一(国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 血液内科)
  • 堀部 敬三 (国立病院機構名古屋医療センター 臨床研究センター)
  • 小川 啓恭(兵庫医科大学 内科学講座)
  • 中前 博久(公立大学法人大阪市立大学 血液腫瘍制御学)
  • 高橋 義行(名古屋大学大学院医学系研究科成長発達医学)
  • 後藤 裕明(地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター 血液・再生医療科)
  • 吉村 健一(神戸大学医学部附属病院 臨床研究推進センター )
  • 渡邊 協孝(独立行政法人国立がん研究センター東病院 治験管理室 治験事務局)
  • 木村 利美(東京女子医科大学病院 薬剤部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究事業(臨床研究・治験推進研究事業)
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
94,952,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、造血細胞移植の重大な合併症である肝中心静脈閉塞症(VOD)に対し、唯一の治療/予防薬で、欧米では薬事承認間近であるオーファン薬のdefibrotideについて医師主導治験を実施し、日本人での薬物動態、安全性、有効性を検討し、薬事承認を含めた一般化を目指すことを目的としている。

研究方法
平成24年度、海外製造販売元と契約終了。国内薬物測定法樹立。第Ⅰ相計画書作成。平成25年3月から5月に健康成人第Ⅰ相試験実施終了。平成25年度、小児および成人造血幹細胞移植患者に対する予防および治療投与の2試験による有効性確認試験+臨床薬理試験を開始、26年度試験継続、27年度内登録終了(PMDA相談済)。27年度下半期は追跡終了し、総括報告書の作成完了、研究期間内の治験薬提供者による承認申請を可能とする。本年度は、平成24年度の第I相試験第1コホート試験(3mg/kg)に引き続き、第2コホート試験(標準量6.25mg/kg)を開始、健康成人男性20例を対象とした2用量レベル設定プラセボ対照非ランダム化第I相試験を終了し、第I相試験総括報告書作成完了した。PMDAとの薬事戦略相談の結果、国内における治療承認を確実にするために治療試験を別試験として行い、予防試験に関しては予定した試験デザインで有効性評価を行うことを確認した。これに基づき第II相試験デザインの確定と治験計画書の作成、IRB承認と治験届提出、第II相試験の登録を開始した。
結果と考察
薬物動態の類似性および安全性確認を目的に健康成人第I相試験と第II相試験+臨床薬理試験を実施し、その後EPP試験とのブリッジを目指し薬事承認申請を目指す予定であったが、平成25年7月26日EMA承認見込みとなり、同年10月18日にEMAで治療承認となったため、本研究でも治療承認を確実のするために予防と治療の2試験を実施する。
本年度は、平成24年度の第I相試験第1コホート試験(3mg/kg)に引き続き、①第2コホート試験(標準量6.25mg/kg)を開始、海外データとの相同性確認、容量制限毒性を認めず安全性を確認、健康成人男性20例を対象とした2用量レベル設定プラセボ対照非ランダム化第I相試験を終了し、②第I相試験総括報告書最終固定した。また、③薬物血中濃度測定における長期保存安定性試験を実施した。平成25年6月12日と7月11日にPMDAとの2回の薬事戦略相談事前面談を経て、9月20日に④PMDAと医薬品戦略相談対面助言を実施した。この結果、国内における治療承認を確実にするために治療試験を別試験として行い、予防試験に関しては予定した試験デザインで有効性評価を行うことを確認した。これに基づき⑤第II相試験デザインの確定と治験計画書の作成、⑥IRB承認と治験届提出、⑦第II相試験の登録を開始した。また、国内治験体制の準備として治験薬提供者の会社登記完了(平成25年4月23日)と治験薬の希少疾病用医薬品の指定申請を行った。
結論
VOD の唯一の治療/予防薬であるdefibrotideの薬事承認を含めた一般化の目的のために国内開発計画を企画し、第I相試験を終了し、第II相試験を開始した。

公開日・更新日

公開日
2015-03-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201309025Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
123,437,000円
(2)補助金確定額
120,145,000円
差引額 [(1)-(2)]
3,292,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 19,708,270円
人件費・謝金 12,564,211円
旅費 3,614,355円
その他 55,773,923円
間接経費 28,485,000円
合計 120,145,759円

備考

備考
当初、本学から国立がん研究センター内に新たに設置予定であるデータセンターへ業務を委託する予定でありましたが、データセンターの体制整備が遅れたため、業務委託契約を結ぶことができず、本年度予定したデータセンター委託費を返却することになりました。
この間、治験薬の海外承認状況が変化し、PMDAと追加の薬事戦略相談が必要となり、第Ⅱ相試験開始が予定年度の後半へ移行したため、本格的なデータセンター業務が発生せず治験の進捗には支障を来たしませんでした。

公開日・更新日

公開日
2016-01-28
更新日
-