受精卵呼吸測定装置を用いた臨床試験に橋渡しするための安全性および有用性に関する研究

文献情報

文献番号
201308024A
報告書区分
総括
研究課題名
受精卵呼吸測定装置を用いた臨床試験に橋渡しするための安全性および有用性に関する研究
課題番号
H24-被災地域-指定-016
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
宇都宮 裕貴(東北大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 志賀 尚美(高橋 尚美)(東北大学病院 婦人科 )
  • 寺田 幸弘(秋田大学 医学部産婦人科)
  • 阿部 宏之(山形大学 理工学部)
  • 高橋 俊文(山形大学 医学部産婦人科)
  • 福井 淳史(弘前大学 医学部産婦人科)
  • 菅沼 亮太(福島県立医大 産婦人科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
22,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究は3年間で従来機器と異なる新規デバイスの開発を目的としている。そして、開発後に各施設の倫理委員会より承認を取得し、その後に廃棄予定の余剰卵を用いた臨床研究を行い、開発機器の有用性および安全性を検討していく予定である。昨年度は新規測定機器の試作品を作成していたが、本年度はそれを基にさらに正確で操作性の容易な機器を完成した。デバイス開発はパナソニック・ヘルスケア社のデバイス開発部門と協力した。

研究方法
 初回試作品で課題点として挙げられていた、①電極面積の規定(小サイズ化)、②電極表面汚れ、③サイクリックボルタンメトリー波形の変動、などに関し改良を加えた。尚、今年度の開発はパナソニック・ヘルスケア社と正式な契約を締結した。また、東北5大学の研究協力施設代表と機器開発関連の代表が班会議を開催し、チップ開発・改良の進捗状況を評価し、来年度行う臨床研究に向け臨床サイドからの要望や課題を提起した。また、各施設において今後の臨床研究に関し、プロトコール作成およびデータ管理方法について議論した。そして最終的には研究施設で臨床研究に向けた倫理委員会の承認を取得する。

結果と考察
 試作品開発およびその改良を行い、最終的に培養器内に受精卵を設置し、煩雑な操作なしに受精卵の呼吸量を測定できるチップを開発した。これは現行機器において不可能であった操作の単純化と湿潤環境保持を満たしたものである。 
 また、来年度予定の余剰卵を用いた臨床研究で50症例予定し各施設で余剰卵数を確認し、現段階で156例が確保されている。
 一方で、機器開発に若干の時間を要したため、各組織における倫理委員会申請が少し遅れている。本年度中に、全施設で倫理委員会の承認を取得する予定であったが、現在のところ、代表施設の東北大学で平成26年3月に倫理委員会承認を取得し、他の4関連施設では倫理委員会より承認を得る手続きを進めている。
結論
 臨床研究で使用するチップを完成し、操作性や耐久性なども従来機器の問題点を大きく改善していることが確認された。具体的には、癌細胞株やウシ受精卵を用いた容易な呼吸量測定が可能となり、その計測電流や測定精度が条件を十分に満たすものであることを確認した。今後は先行する前臨床研究として、マウス受精卵を従来の形態学的評価のみの群と開発機器を用いた呼吸量測定併用群に分け、胚移植から胎仔出産まで観察し、本チップの有用性と有害事象の有無を検討する。さらに、将来的な前方視的臨床試験に向けた大量生産をふまえて、パナソニック・ヘルスケア社と機器の試作および仕様の決定を目指す。

公開日・更新日

公開日
2015-03-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2015-06-18
更新日
-

収支報告書

文献番号
201308024Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
29,640,000円
(2)補助金確定額
29,640,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 6,143,482円
人件費・謝金 3,744,278円
旅費 2,920,870円
その他 9,991,370円
間接経費 6,840,000円
合計 29,640,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2015-06-16
更新日
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