アルツハイマー病診断用タウプローブの開発および探索的臨床研究

文献情報

文献番号
201308008A
報告書区分
総括
研究課題名
アルツハイマー病診断用タウプローブの開発および探索的臨床研究
課題番号
H24-医療機器-一般-002
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
工藤 幸司(東北大学 東北大学病院)
研究分担者(所属機関)
  • 谷内 一彦(東北大学 医学部)
  • 荒井 啓行(東北大学 加齢医学研究所)
  • 岡村 信行(東北大学 医学部)
  • 古本 祥三(東北大学 サイクロトロンRIセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
28,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
研究代表者らはアルツハイマー病(AD)における代表的な病理像、すなわち脳内過剰リン酸化タウ蛋白(以下タウ)を検出するためのPET (Positron Emission Tomography; 陽電子断層撮影装置)プローブ(陽電子標識化合物)を開発中である。 本研究課題ではこれらプローブを探索的臨床研究に供するとともに、さらにマイクロドージング的手法によりプローブの最適化を図り、日本発・世界標準のヒト タウイメージングプローブを開発しようとするものである。
研究方法
1. 東北大学における[18F]THK-5117の探索的臨床研究
2. 脳ホモジネートを用いたTHK-5117光学異性体の結合実験
3. (S)および(R)[18F]THK-5117オートラジオグラフィ
4. 臨床用[18F]THK-5117注射剤の製造法
5. さらなる化合物の最適化
を検討した」・
結果と考察
1.[18F]THK-5117AD患者におけるの集積は側頭葉および海馬で相対的に優位であり、[11C]PiBの集積パターンとは大きく異なっていた。[18F]THK-5117の集積はタウとADの臨床症状顕在化に関する研究として有名な「葛原・井原学説(脳神経:41.465-470.1989)」を裏付けていた。
2.S体の方がR体に比しタウに対する結合性が高かったが、
3.オートラジオグラフィでは両異性体間で差は見られなかった。
4.臨床使用に耐えうる[18F]THK-5117注射剤の自動合成装置製造法を確立した。
5.優れた複数の最適化化合物を見出した。
結論
AD患者における[18F]THK-5117を用いた探索的臨床研究を実施し、同プローブは優れたタウイメージング用プローブであることを確認した。

公開日・更新日

公開日
2015-03-03
更新日
-

収支報告書

文献番号
201308008Z