文献情報
文献番号
201307050A
報告書区分
総括
研究課題名
次世代型コンパニオン診断薬の創出に向けた橋渡し研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H25-創薬-一般-010
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
西尾 和人(近畿大学医学部ゲノム生物学教室)
研究分担者(所属機関)
- 土原 一哉(国立がん研究センター 早期・探索臨床研究センター)
- 山中 竹春(国立がん研究センター 早期・探索臨床研究センター)
- 坂井 和子(近畿大学医学部ゲノム生物学教室)
- 後藤 功一(国立がん研究センター東病院)
- 中川 和彦(近畿大学医学部腫瘍内科)
- 松本 慎吾(国立がん研究センター 早期・探索臨床研究センター)
- 冨田 秀太(近畿大学医学部ゲノム生物学教室)
- 葉 清隆(国立がん研究センター 早期・探索臨床研究センター)
- 武田 真幸(近畿大学医学部腫瘍内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
38,264,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
近年の非小細胞肺癌における事例はEGFR変異やALK融合遺伝子陽性をバイオマーカーとして患者選択を行うことにより、著しい治療成績の改善が得られることを示している。コンパニオン診断薬の課題として、特に肺癌においては診断に供する検体が限られる場合が多く、微量検体から高精度に診断する技術が求められる。また、複数の遺伝子異常を個別に順次診断していくことは時間と検査費用を要する。ターゲットとなる遺伝子異常と薬剤開発が増えるほど、この問題は深刻さを増す。そこで、本研究では、次世代型コンパニオン診断薬として、複数の遺伝子異常を同時に測定可能なMultiplex体細胞変異診断薬のfeasibility試験、基本性能試験、GMP製造、SOP整備の工程による開発を進め、最終年度(平成27年度)に臨床性能試験を実施し、薬事承認申請することを目標とする。
研究方法
平成25年度は、次世代型コンパニオン診断薬として、ALK, RET, ROS1融合遺伝子を検出する3種類のキット (LungFusionキット, PGM Fusion Panel, NCCE Panel)について、開発の第一段階であるキットデザインの確定とfeasibility試験を実施した。LungFusionキットとPGM Fusion Panelについては、近畿大学が主体となり、それぞれの開発企業であるシーケノム社ならびにライフテクノロジーズ社と共同で実施した。キットのfeasibility試験では、融合遺伝子陽性の細胞株とホルマリン固定パラフィン包埋検体を用いた検討を行った。NCCE Panelについては、国立がん研究センターが主体となり、同様のfeasibility試験を実施した。倫理面への配慮として、臨床検体を用いた体細胞変異解析は、「疫学研究に関する倫理指針」(平成14年6月制定、平成25年4月1日一部改正)を遵守して実施した。近畿大学では、近畿大学医学部遺伝子倫理委員会において承認された研究計画書(受付番号24-071、24-075)に則り行った。国立がん研究センターでは、国立がん研究センター研究倫理審査委員会において承認された研究計画(研究課題番号17-109)に則り行った。
結果と考察
近畿大学ならびに国立がん研究センターにおいて、ALK, RET, ROS1融合遺伝子を検出する3種類のキット (LungFusionキット, PGM Fusion Panel, NCCE Panel)のfeasibility試験を実施した。各キットの検出動作確認として融合遺伝子陽性の肺がん細胞株ならびにホルマリン固定パラフィン包埋検体を含む臨床検体を用いた検討を行った結果、良好なfeasibilityが確認された。本年度の結果を受けて、各キットの構成と仕様に関する取りまとめを行い、次年度に予定されている基本性能試験とGMP製造ならびにSOP整備を進めることが可能であると考えられた。
結論
平成25年度は、次世代型コンパニオン診断薬として、ALK, RET, ROS1融合遺伝子を検出する3種類のキット (LungFusionキット, PGM Fusion Panel, NCCE Panel)について、開発の第一段階であるキットデザインの確定とfeasibility試験を実施し、いずれのキットについても良好な結果を得た。次年度以降の計画遂行に向けて、順調に進んでいると考えられる。
公開日・更新日
公開日
2015-03-03
更新日
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