医科学研究に重要な霊長類資源の繁殖・育成と疾患モデルの作製・解析

文献情報

文献番号
201307047A
報告書区分
総括
研究課題名
医科学研究に重要な霊長類資源の繁殖・育成と疾患モデルの作製・解析
課題番号
H25-創薬-指定-009
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
保富 康宏(独立行政法人医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 山海 直(独立行政法人医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター )
  • 下澤 律浩(独立行政法人医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター )
  • 揚山 直英(独立行政法人医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター )
  • 岡村 智崇(独立行政法人医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター )
  • 鈴木 治(独立行政法人医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部)
  • 高橋 一朗(独立行政法人医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
29,522,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
創薬研究においては詳細な分子メカニズムの解析に続き、高度な動物実験により、効果や毒性の解析を行うことが必要である。さらに治験段階を迎えるには霊長類を用いた解析、検討は必須であり、その霊長類ももちろん実験動物として高度化されていなければならない。医薬基盤研究所霊長類医科学研究センターは我が国で唯一の医科学研究を目的とした霊長類センターであり、さらに1,500頭以上のカニクイザル系統を維持しSPF化している世界で唯一の機関である。近年は当センターカニクイザルの全ゲノムシークエンスの解析にも成功している。本研究ではこれら高度な霊長類を用い、創薬につながる動物資源の繁殖技術の向上、動物資源の高度化および疾患モデルを検討し、医科学研究の基盤を構築することを目的とした。
研究方法
カニクイザルの性周期確認のためのホルモン測定による繁殖技術の確立、卵巣の凍結およびMHCの発現を調べた。さらに感染症モデルおよび循環器疾患モデルの解析を行った。
結果と考察
カニクイザルを用いて、創薬につながる霊長類資源の繁殖技術の向上、動物資源の高度化、および疾患モデルを検討し、医科学研究の基盤を構築を行った。具体的には動物資源の高度化においては1)今までカニクイザルでは系統だった解析が行われていなかったホルモン測定による繁殖技術の確立と2)PTENを用いた排卵誘発法の検討、3)高品質カニクイザルの卵子、受精卵および卵巣の凍結技術の開発を行い、均質なカニクイザルの資源確保を目指し、さらに世界的にも未整備な4)カニクイザルの主要組織適合性抗原複合体(MHC)の解析を行い、世界で最も清浄化されたカニクイザルコロニーの高度化を試みた。これら高度化されたカニクイザルを用い、疾患モデルとして霊長類以外では検討の困難な1)循環器疾患モデルの作製とその解析、2)ワクチン開発における霊長類を用いた基盤的技術の開発および免疫反応の解析、3)カニクイザルを用いたウイルス感染モデルの作製行った。これらの成果は世界的にも認められている系統の維持されたSPFカニクイザルコロニーにより進めらており、創薬に利用する価値の高い動物資源として、広く提供可能と考えられた。
結論
カニクイザルを実験動物としての高度化を行い、創薬への有用性を示した。

公開日・更新日

公開日
2015-03-03
更新日
-

収支報告書

文献番号
201307047Z