文献情報
文献番号
201305020A
報告書区分
総括
研究課題名
健康診断におけるエックス線照射の安全性に関する研究
課題番号
H25-特別-指定-005
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
本田 浩(九州大学 大学院医学研究院 臨床放射線科学分野)
研究分担者(所属機関)
- 待鳥 詔洋(国立国際医療研究センター国府台病院 放射線診療科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
1,840,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
診療放射線技師法(第26条第2項第2号)においては、多数の者の健康診断を一時に行う場合には、医師又は歯科医師の立ち会いの下にエックス線を照射することとされている。しかしながら、実際に医師が立ち会うかどうかは施設により異なっているのが現状であり、報道や国会において、これらの問題が指摘された。本研究では、健康診断時のエックス線照射の安全性が、医師立ち会いの有無により影響があるかどうか、学術的立場から検証を行った。
研究方法
まず、検診車を所有すると思われる検診施設並びに医療機関647施設に対し、検診車での胸部エックス線撮影についてのアンケート調査を行い、続いて、有識者会議を実施した。
結果と考察
これらを基に「健康診断におけるエックス線撮影時の医師又は歯科医師の立ち会いに関する提言」を取りまとめた。この提言では、健診時の胸部エックス線撮影においては、診療放射線技師法制定当時と比べて、撮影機器や撮影方法は格段に進歩しており、安全性は保たれていると考えられること、事前に医師からの指示があれば、実地で医師が立ち会わなくても適切に対応できること、また一方で、安全性には問題ないものの、比較的被ばく量の多い撮影機器や撮影方法も残っていることなどを指摘した。また、さらに、事前に責任医師の明確な支持を得ること、医師との連絡体制の整備、機器・設備の整備、マニュアルの整備、日常点検等の管理体制の整備、従事者の教育・研修体制の整備等が必要であると指摘した。
結論
これらの指摘を踏まえ、診療放射線技師法の改正の是非を含めたさらなる議論が期待される。また、法改正の有無にかかわらず、関連団体において、新たな管理体制や教育体制等の整備が必要と考えられる。
公開日・更新日
公開日
2015-05-27
更新日
-