東京電力福島第一原発作業員の甲状腺の調査等に関する調査

文献情報

文献番号
201305014A
報告書区分
総括
研究課題名
東京電力福島第一原発作業員の甲状腺の調査等に関する調査
課題番号
H25-特別-指定-030
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
祖父江 友孝(大阪大学大学院医学系研究科 社会環境医学講座環境医学)
研究分担者(所属機関)
  • 吉永 信治(独立行政法人 放射線医学総合研究所)
  • 谷口 信行(自治医科大学 臨床検査医学講座)
  • 宮川 めぐみ(小河 めぐみ) (国家公務員共済組合虎の門病院)
  • 百瀬 琢麿(日本原子力研究開発機構東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
15,008,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
東京電力の協力を得て対照群(甲状腺等価線量100mSv以下。可能な限り被ばく線量の低い者)を設定し、日本超音波医学会の甲状腺結節(腫瘤)超音波診断基準を用いて、頸部超音波検査を実施する。一方、ばく露群(甲状腺等価線量100mSv(実効線量で5mSv相当)を超える被ばくをした緊急作業従事者)についても、東京電力の協力の下、同診断基準を用いて検査を行う。両群を比較する際に、ばく露群の被ばく線量の再評価を行う。ばく露群と対照群との間で甲状腺結節(腫瘤)の発見割合について、疫学、放射線影響、甲状腺臨床等の視点で解析・評価する。
研究方法
東京電力福島第一原子力発電所事故において緊急作業に従事した作業員(緊急作業従事者)を対象として、厚生労働省の指導の下で東京電力及びその協力事業者が主に作業者の健康管理のために実施した内部被ばく線量評価の結果について、放射線被ばくによる甲状腺の影響を疫学的に解析するための研究に資する観点から、内部被ばく線量を算定する過程で適用された各種のパラメータ等を見直すことによってより現実的な甲状腺等価線量を推計した。
結果と考察
ばく露群627人および対照群1462人に対して頸部超音波検査を含む甲状腺検査を行った。その結果、経過観察(A2)および二次検査(B)となったものの割合が、対照群に比べてばく露群で高い傾向にあり、また、再評価後の甲状腺等価線量を用いた解析でも、線量が高い群で同様の傾向にあった。ただし、ばく露群における頸部超音波検査受診歴のあるものの割合が対照群に比べて極めて高く、結果の解釈には注意を要する。
東京電力福島第一原子力発電所事故において、緊急作業に従事した作業員のうち、甲状腺の等価線量が外部被ばくと内部被ばくの合計として100mSvを超えた可能性がある者(暴露群)について、それぞれの作業員に適用された内部被ばく線量評価のアプローチの違いに応じて現時点で現実的と考えられる仮定に基づき、個人別の甲状腺等価線量を推計した。一方、摂取量における131I/137Cs比に基づく推計値など信頼度の区分がCとなったケースについては、推計値に大きな不確かさを伴う可能性がある。信頼度の区分がDのケースに関しては、現段階では信頼度の見積もりを行うためのデータを入手していないため、疫学的な調査研究への適用に関しては慎重に行う必要がある。また、線量推計精度の向上と信頼度の定量的な評価が課題である。
結論
ばく露群627人および対照群1462人に対して頸部超音波検査を含む甲状腺検査を行ったところ、経過観察(A2)および二次検査(B)となったものの割合が、対照群に比べてばく露群で高い傾向にあり、また、再評価後の甲状腺等価線量を用いた解析でも、線量が高い群で同様の傾向にあった。ただし、ばく露群における頸部超音波検査受診歴のあるものの割合が対照群に比べて極めて高く、結果の解釈には注意を要する。

公開日・更新日

公開日
2015-06-22
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201305014C

収支報告書

文献番号
201305014Z