文献情報
文献番号
201305007A
報告書区分
総括
研究課題名
我が国における動物の狂犬病モニタリング調査手法に係る緊急研究
課題番号
H25-特別-指定-033
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
井上 智(国立感染症研究所 獣医科学部)
研究分担者(所属機関)
- 堀田明豊(国立感染症研究所 獣医科学部)
- 羽山伸一(日本獣医生命科学大学獣医学部)
- 浦口宏二(北海道立衛生研究所感染症部)
- 喜屋武向子(沖縄県衛生環境研究所感染症グループ)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
3,440,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、台湾およびフランス等諸外国で行われている野生動物の狂犬病調査および検査体制を分析し、協力自治体とともに国内で可能な動物の狂犬病調査を試行・検証を行い、その結果を踏まえて、我が国の実情に合った動物の狂犬病調査方法を可能にする『動物の狂犬病調査ガイドライン』を作成することである。
研究方法
狂犬病に感受性の高い飼育動物および野生動物種の狂犬病調査に必要となる対象動物種の選定基準、行政的な対応、検査に必要な解剖と検査の手法、安全な検査を行うための方法、調査結果の記録と報告、更には国で集計・分析された調査結果の自治体への提供の方法等について、自治体の関係部局、狂犬病に造詣の深い臨床獣医師、大学・研究機関の野生動物・微生物学・病理学等専門家と共同して情報収集・分析・議論等を行った。動物の狂犬病調査については諸外国で行われている方法等を調査・分析を行ってガイドラインに反映させた。また、研究班を利用して協力自治体と技術研修会を開催し、ガイドラインが自治体において実際に機能するかについての検討および検証についても行った。これら成果を踏まえて、関係専門家および協力自治体の担当現場担当等と『動物の狂犬病調査ガイドライン』を取りまとめた。
結果と考察
ガイドラインでは、狂犬病調査の対象となる動物の選定基準、行政的な対応、検査に必要な解剖と検査の手法、安全な検査を行うための方法、調査結果の記録と報告、更には国で集計・分析された調査結果の自治体への提供の方法等を示している。今後、万が一国内で狂犬病が発生した場合に、それを速やかに探知し、対策を実行できるようなシステムの構築が可能になる。これにより、狂犬病の発生がない状況下において、また、発生後の清浄化状態の確認においても、国内に狂犬病の発生がないことを積極的に証明できることとなる。
結論
本ガイドラインにより、各自治体における動物の狂犬病調査と検査体制の整備が推進され、我が国への狂犬病侵入・発生の早期摘発を可能にする監視体制が構築されることが期待される。また、狂犬病調査の成績をデータベース化することで、狂犬病の清浄性を積極的に証明するための科学的論拠を得ることにもなる。公衆衛生における動物由来感染症対策は、人の健康危害防止が目的である。国内で犬や野生動物に狂犬病が疑われる場合には、本ガイドラインに準じた動物の調査が適切に行われ、人が狂犬病を発症する前に、担当部局で動物の狂犬病が先に摘発されて人の発症予防が万全に行われるような体制が構築されることが期待される。
公開日・更新日
公開日
2015-05-28
更新日
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