食品添加物の指定の迅速化と国際整合性に関する研究

文献情報

文献番号
201305001A
報告書区分
総括
研究課題名
食品添加物の指定の迅速化と国際整合性に関する研究
課題番号
H25-特別-指定-010
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
穐山 浩(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
研究分担者(所属機関)
  • 小川 久美子(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 病理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
7,650,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、添加物の指定手続きについて迅速化するために方策のため、遅延部分や問題点を明確化、及び海外の食品添加物指定のガイドライン及び取組みの調査・分析を行う。またそれらの情報を基に事業者指定要請資料作成のマニュアル案を作成することを検討する。
研究方法
(1)欧米等、各国のガイドラインの調査:インタネットウェブサイトや書籍上で入手可能な海外のガイドラインを調査し、作成要領に盛り込むべき内容を精査した。また、この調査から生じる疑問点の解消や各国で要求される毒性情報の確認するために、海外の行政担当機関に出張し、直接行政担当者に聞き取り調査を行った。
(2)これまでの資料作成及び確認における問題点の明確化:厚生労働省及び食品安全委員会の担当者や日本食品添加物協会に対するヒアリング等により、問題点を明確化した。
(3)添加物に関する事業者指定要請資料作成マニュアル案のとりまとめ:①これまでに提出された申請書類において問題となった点のアンケート結果及びヒアリング、②JECFA、FDA、EFSA、FSANZ、Health Canadaの食品添加物指定のガイドラインの概要(翻訳版)、③既存の平成8年厚生省ガイドライン「食品添加物の指定及び使用基準改正に関する指針」、④2010年版食品安全委員会指針「添加物関する食品健康影響評価指針」、⑤食品安全委員会より公開されている、添加物、動物用医薬品および農薬の評価書を参照し、事業者指定要請資料作成マニュアル案を作成した。
(4)事業者指定要請資料作成マニュアル(マニュアル)案の英訳及び日本の規制制度の情報発信:本研究で取りまとめたマニュアル案を成果として公表し、活用するため、英文化を行う。また、各国や国際的な規制の枠組みと比較しつつ、日本の規制制度を情報発信するための資料を作成する。
結果と考察
①我が国における指定作業過程における遅延部分や問題点の明確化
厚生労働省から食品安全委員会へ安全性評価資料を提出するまでに、指定要請事業者と厚生労働省担当官との資料作成における過程に遅延部分が集中していることが明らかになった。指定要請事業者が厚労省及び食品安全委員会の指定資料のガイドラインを示しているが、そのガイドラインのみでは、指定要請事業者は作成が困難である場合が多いことが示唆された。そのため、ガイドラインをさらに詳細に解説するマニュアルを作成することが指定作業迅速化のためには重要であることが示唆された。
②欧米等の各国の食品添加物指定の取組みの調査
JECFA、FDA、EFSA、FSANZ、Health Canadaの食品添加物指定のガイドラインの概要を翻訳し要約した。また、我が国の食品添加物規制が比較的類似であるオーストラリア・ニュージランドの食品規制局(FSANZ)を訪問し、FSANZの食品添加物指定の取組みの聞き取り調査を行った。
③指定迅速化のためのマニュアル案作成の検討
海外からの申請を考慮し、JECFA、FDA、EFSA等の海外における申請書作成方法および食品安全委員会の国内における評価指針の内容との整合性に留意すると共に、十分なデータに基づく安全性評価が可能となるよう、定型的試験のみならず、既存の評価書からの引用を含むフレキシブルな試験の結果についても記載を促すように留意することが必要と考えられた。
概要、有効性、安全性、摂取量推計、規格案等に関する内容を中心に議論を重ね、指定要請事業者が指定要請資料作成する上で、ポイント、留意点、参考になる情報先、記載例を示したマニュアル案を作成した。
④海外への日本の指定手続き等の情報発信の効率化の検討
海外への日本の指定手続き等の情報発信の効率化の検討我が国における指定作業過程において作成したマニュアル案の英文化を行った。
結論
食品添加物指定等資料作成のマニュアル案の構成は、既に厚生労働省及び食品安全委員会で示されている指針があれば示し、次に記載方法の詳細な説明を示した。その次に、記載の留意点を示し、最後に具体的な記載例を示すようにした。概要の項においてはJECFA、CODEX、FDA、EFSA、FSANZ、Health Canada等の海外指定情報入手先を詳細に示すように作成した。有効性に関しては、記載例に既に公表されている日本の添加物部会報告やFSANZ及びEFSAの安全性評価書から引用した。安全性に関しては、食品安全委員会の審議の迅速化に配慮した資料作成になるように毒性実験のデータを表形式での記載を推奨した。摂取量推計に関しては、記載例をわかりやすく示した。成分規格に関しては、各小項目に関して詳細に記載方法を説明した。

公開日・更新日

公開日
2015-06-22
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201305001C

成果

専門的・学術的観点からの成果
摂取量推計、有効性のデータ、規格基準案、安全性評価の部分に関して、事業者の資料作成上における問題点を解析した。また、JECFA、FDA、EFSA等の食品添加物指定のガイドライン及び取組みの調査・分析を行った。
臨床的観点からの成果
食品添加物指定等の書類における安全性評価の資料作成を迅速化できるよう貢献した。
ガイドライン等の開発
本研究で作成した事業者指定要請資料作成のマニュアル案は、今年度に厚生労働省を通じて通知される予定である。
その他行政的観点からの成果
指定手続きの遅延部分となっていた資料作成が適正化及び効率化されることが期待される。また、そのマニュアル案の英文資料は、外国企業の資料作成に役立ち、諸外国からの要望に対抗するための重要な基礎資料となるものと期待される。
その他のインパクト
指定迅速化の取り組みの一環と社会的に評価されている。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
1件
学会発表(国内学会)
1件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
その他成果(普及・啓発活動)
1件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-22
更新日
2016-05-24

収支報告書

文献番号
201305001Z