医療機器に関する単体プログラムの薬事規制のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
201303033A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機器に関する単体プログラムの薬事規制のあり方に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H25-地球規模-指定-009
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
菊地 眞(公益財団法人医療機器センター)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 地球規模保健課題推進研究(地球規模保健課題推進研究)
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
6,160,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、医療機器としての単体プログラムのわが国における薬事法上の取扱いを明らかにするための適切な情報を提供することであり、そのため欧米の規制動向を把握するとともに、単体プログラムの薬事審査において何をどのように評価するのかなどの概念を整理する。
研究方法
本研究の実施にあたっては、有識者からなる研究班を組織し、大所高所からの議論に加え、欧米の状況なども調査しながら、わが国の実態に即した考え方の整理を行った。具体的には、欧米の規制動向の調査とともに、単体プログラムとして想定される製品の実態調査、単体プログラムの薬事規制のあり方(対象範囲、製造販売、製造行為、承認審査、流通、表示、不具合報告等)に関する検討を行った。
結果と考察
海外の規制状況を調査においては、FDAガイダンスとしては、ソフトウェア規制の基本となっているOff-The-Shelf Software Use in Medical Devices(1999/9/9)、General Principles of Software Validation(2002/1/11)、Cybersecurity for Networked Medical Devices Containing Off-the-Shelf (OTS) Software(2005/1/14)、Guidance for the Content of Premarket Submissions for Software Contained in Medical Devices(2005/5/11)、Content of Premarket Submissions for Management of Cybersecurity in Medical Devices(2013/6/14)の5つのほか、モバイルアプリ対応のMobile Medical Applications(2013/9/25)の具体的内容を調査した。さらにIMDRF、欧州のスタンドアロンソフトの資料を用い比較資料を作成し、日本における薬事規制の際の留意点などを検討した。また、欧米に拠点のある認証機関から欧米の単体プログラムの審査方法をヒアリングし、審査実態を把握した。さらに並行してソフトウェアを搭載した医療機器の製品実態について、医機連の協力を得て医療機器産業界で今後上市予定の単体プログラム類を調査したほか、保健医療福祉情報システム工業会の協力を得て広範な医療情報システムの実態を調査した。
これらの調査結果を踏まえて、QMSとIEC62304の整合の取り方や、薬事法改正において予定されている医療機器の製造業の許可制度の見直しとどのように結び付けることが合理的な規制制度となるのかを現在検討した。これらを総合的に検討し課題抽出を行うなど、医療機器に関する単体ソフトウェアの薬事規制のあり方を研究班会議の中での議論をとおして提言した。
結論
平成25年度においては、欧米の規制動向の調査とともに、単体プログラムとして想定される製品の実態調査、単体プログラムの薬事規制のあり方に関する検討を行った。
単体プログラムを医療機器規制の範囲に加えることはわが国おいては初の試みであり、プログラムの定義・対象範囲、承認審査、製造、流通・市販後対応など広範な検討が必要であったため、次年度以降も引き続き産学官により検討していくことが必要である。
また、単体プログラムが医療機器規制の対象となることを医療機器産業界のみならず広い産業界に周知する必要があり、タイムリーかつ積極的な周知・広報活動が必要である。

公開日・更新日

公開日
2015-06-30
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201303033Z