文献情報
文献番号
201303026A
報告書区分
総括
研究課題名
インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動の情報収集に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H25-地球規模-指定-002
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
岡部 信彦(国立感染症研究所 感染症疫学センター)
研究分担者(所属機関)
- 宮崎千明(福岡市立西部療育センター)
- 桃井真里子(国際医療福祉大学)
- 谷口清州(国立感染症研究所 感染症疫学センター)
- 大日康史(国立感染症研究所 感染症疫学センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 地球規模保健課題推進研究(地球規模保健課題推進研究)
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
インフルエンザ様疾患罹患時に見られる異常な行動が、医学的にも社会的にも問題になり、その背景に関する実態把握の必要があり、昨年度に引き続いて調査を行った。
2006/2007シーズンは後向き調査であったが、2007/2008シーズン、2008/2009シーズン、2009/2010シーズン、2010/2011シーズン、2011/2012シーズンは、前向き調査として実施されており、2012/2013シーズンは前向き調査の6年目になる。
2006/2007シーズンは後向き調査であったが、2007/2008シーズン、2008/2009シーズン、2009/2010シーズン、2010/2011シーズン、2011/2012シーズンは、前向き調査として実施されており、2012/2013シーズンは前向き調査の6年目になる。
研究方法
方法
◆調査概要
調査依頼対象はすべての医療機関とした。報告対象は、インフルエンザ様疾患と診断され、かつ、重度の異常な行動※を示した患者(※飛び降り、急に走り出すなど、制止しなければ生命に影響が及ぶ可能性のある行動)で、報告方法はインターネット又はFAXとした。
◆症例定義
インフルエンザに伴う異常な行動に関する報告基準(報告基準)は、インフルエンザ様疾患と診断され、かつ、重度の異常な行動を示した患者である。
インフルエンザ様疾患とは、臨床的特徴(上気道炎症状に加えて、突然の高熱、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛を伴うこと)を有しており、症状や所見からインフルエンザと疑われる者のうち、下記のいずれかに該当する者である。
次のすべての症状を満たす者①突然の発症、②高熱(38℃以上)、③上気道炎症状、④全身倦怠感等の全身症状迅速診断キットで陽性であった者
◆調査期間
2012年11月1日~2013年3月31日とした。
◆分析
本報告では重度の分析を行い、その後突然走り出す・飛び降りのみ、で分析を行う。
倫理的配慮
国立感染症研究所医学研究倫理審査を受け、承認されている(受付番号462「インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動の情報収集に関する研究」)。
結果と考察
本研究は、2013年10月28日の厚生労働省安全調査会にて報告された。
重度の異常な行動の服用薬別の報告件数は、タミフル(他薬の併用を含む。以下同じ)16件(11件)、アセトアミノフェン15件(9件)、リレンザ9件(6件)、イナビル8件(3件)、であり、これらの医薬品の服用がなかったのは4件(3件)であった。(( )の件数は、突然走りだす・飛び降りの内数。)したがって、これまで同様に、抗ウイルス薬の種類、使用の有無と異常行動については、特定の関係に限られるものではないと考えられた。
重度の異常な行動の発生状況について、従来のインフルエンザ罹患者における報告と概ね類似していた。年齢は9才が最頻値で、男性が79%、女性が21%と、男性の方が多かった。
また、報告内容には、飛び降りなど、結果として重大な事案が発生しかねない報告もあった。このことから、インフルエンザ罹患時における異常行動による重大な転帰の発生を抑止するために、措置が引き続き必要であると考えられた。
重度の異常な行動の服用薬別の報告件数は、タミフル(他薬の併用を含む。以下同じ)16件(11件)、アセトアミノフェン15件(9件)、リレンザ9件(6件)、イナビル8件(3件)、であり、これらの医薬品の服用がなかったのは4件(3件)であった。(( )の件数は、突然走りだす・飛び降りの内数。)したがって、これまで同様に、抗ウイルス薬の種類、使用の有無と異常行動については、特定の関係に限られるものではないと考えられた。
重度の異常な行動の発生状況について、従来のインフルエンザ罹患者における報告と概ね類似していた。年齢は9才が最頻値で、男性が79%、女性が21%と、男性の方が多かった。
また、報告内容には、飛び降りなど、結果として重大な事案が発生しかねない報告もあった。このことから、インフルエンザ罹患時における異常行動による重大な転帰の発生を抑止するために、措置が引き続き必要であると考えられた。
結論
本研究は、2013年10月28日の厚生労働省安全調査会にて報告された。
また、WHO、米国FDAに情報提供した。CDCの担当者に説明、意見交換を行った.
また、WHO、米国FDAに情報提供した。CDCの担当者に説明、意見交換を行った.
公開日・更新日
公開日
2017-05-30
更新日
-