文献情報
文献番号
201303011A
報告書区分
総括
研究課題名
国連ミレニアム開発目標の達成に関する研究
課題番号
H24-地球規模-一般-010
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
中村 安秀(国立大学法人 大阪大学 大学院人間科学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 澤村 信英(国立大学法人 大阪大学 大学院人間科学研究科)
- 池上 清子(日本大学 大学院総合社会情報研究科)
- 横田 雅史(NPO法人 HANDS)
- 垣本 和宏(大阪府立大学 第1学群人文科学系地域保健学域)
- 小林 潤(琉球大学 大学院保健学研究科)
- 高橋 謙造(帝京大学 公衆衛生専門職大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 地球規模保健課題推進研究(地球規模保健課題推進研究)
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
3,450,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、「希望を担う次世代への約束」という理想的なコミットメントを、(1)現実の国際協力の国際的な動向の中での意義を分析し、(2)その理論的な枠組みを構築することにより、(3)政策提言として広く国際社会に発信することにある。
研究方法
本研究においては、以下の研究調査を実施する。これらの全体の統括を研究代表者である中村が行なう。従来のような研究分担者による個別の研究の寄せ集めではなく、本研究班は研究分担者全員の研究の融合を目指しており、上記の分担研究者の役割は相互に深く関連しあっている。
①ドナー支援状況調査(池上、澤村):ポストMDGsを視野に入れた国際機関および2国間ドナーの戦略、教育分野のODA・NGO支援の現状分析を行う。
②文献レビューによる政策分析(垣本、高橋、小林):妊産婦保健、UHC(Universal Health Coverage)等の包括的な文献レビューを行い、事業統合ツールとしての学校保健等の介入の可能性を検討する。
③母子保健関係者に対する質問紙・インタビュー調査(横田、中村):アフリカ諸国および母子保健協力関係者に対して、インタビュー調査と質問紙調査を実施する。
④DHS(Demographic Health Survey)の2次分析(垣本):母子保健の状況と要因について、DHSデータを用いて統計学的に分析する(垣本)。
⑤理論的枠組みの構築(中村):日本の戦後の発展に大きく寄与したといわれる教育と保健医療分野における「社会的共通資本」を援用し、アフリカに応用可能な枠組みを構築する。
⑥提言と成果発表:研究成果を国際的に発信するとともに、2015年以降の国際協力の方向性として母子保健と基礎教育分野を包括した子ども支援に関して具体的に運用可能な最終提言を行う。
①ドナー支援状況調査(池上、澤村):ポストMDGsを視野に入れた国際機関および2国間ドナーの戦略、教育分野のODA・NGO支援の現状分析を行う。
②文献レビューによる政策分析(垣本、高橋、小林):妊産婦保健、UHC(Universal Health Coverage)等の包括的な文献レビューを行い、事業統合ツールとしての学校保健等の介入の可能性を検討する。
③母子保健関係者に対する質問紙・インタビュー調査(横田、中村):アフリカ諸国および母子保健協力関係者に対して、インタビュー調査と質問紙調査を実施する。
④DHS(Demographic Health Survey)の2次分析(垣本):母子保健の状況と要因について、DHSデータを用いて統計学的に分析する(垣本)。
⑤理論的枠組みの構築(中村):日本の戦後の発展に大きく寄与したといわれる教育と保健医療分野における「社会的共通資本」を援用し、アフリカに応用可能な枠組みを構築する。
⑥提言と成果発表:研究成果を国際的に発信するとともに、2015年以降の国際協力の方向性として母子保健と基礎教育分野を包括した子ども支援に関して具体的に運用可能な最終提言を行う。
結果と考察
初年度は、母子保健分野の日本の国際協力支援の現状分析、教育分野の日本の国際協力支援の現状分析、国際機関・2国間ドナーの戦略の分析、包括的文献レビューによる政策分析、第8回母子手帳国際会議(ケニア)における質問紙調査をはじめ、個々の分担研究者による調査研究を遂行した。本年度は、それらの研究成果を発展させるとともに、本研究成果の社会的な発信をめざした。「Global Health Action」、「Can Japan Contribute to the Post Millennium Development Goals?」、「2015年以降の開発枠組み」に関する論文を発表するとともに、第28回日本国際保健医療学会(沖縄)や第24回国際開発学会全国大会におけるシンポジウムなどで公表し、ポストMDGsに関する広範な議論を深め、学会・国際協力機構・NGOなどで構成されるBeyond MDGs Japanの活動にも大きな波及効果を及ぼした。
結論
最終年度である2014年度は、研究成果を国内外に発信するとともに、2015年以降の国際協力の方向性として母子保健と基礎教育分野を包括した子ども支援に関して具体的に運用可能な最終提言を行なう。また、本研究班の成果を共有する国際シンポジウムを開催するとともに、国内においてMDGsシンポジウムを開催し、研究成果の社会的な発信を目指す予定である。すでに実施した研究調査の分析を進め、日本政府としての発言要領を作成するうえでの基礎資料となれるように学会の発表や論文作成を行う。2014年10月にアフリカ・カメルーンで開催される母子手帳国際会議においてもMDGs4、5に関する本研究成果をアフリカから参加予定の20数か国の母子保健関係者に対して発信する予定である。
公開日・更新日
公開日
2015-03-10
更新日
-