地域に求められる医療機能と医療提供体制の変化に対応した医療施設調査、患者調査のあり方とその評価・分析手法に関する研究

文献情報

文献番号
201302010A
報告書区分
総括
研究課題名
地域に求められる医療機能と医療提供体制の変化に対応した医療施設調査、患者調査のあり方とその評価・分析手法に関する研究
課題番号
H25-統計-一般-006
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
伏見 清秀(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 医療政策情報学分野)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
2,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成37年に向けた医療提供体制のあり方の議論において、高度急性期、急性期、亜急性期、地域一般等の病床機能分化が想定されているが、これらの病床群の機能評価手法、調査手法等は今後の重要な検討課題となっている。
地域の患者動態と医療ニーズの定量的な評価に適している医療施設調査、患者調査等と公表されているDPCデータを補完的に用いて、高度急性期から亜急性期を含めた地域医療提供体制の全体像を把握することが期待できる。
 本研究では、悉皆性を有する医療施設調査、患者調査データを用いて、変化しつつある地域医療の実態と地域で必要とされる医療機能を明かとする手法を示すとともに、他の調査との整合性を持たせながら病床機能を含めた地域医療提供体制の評価につながる統計調査のあり方を示すこととを目的とした。
研究方法
平成37年に向けた医療提供体制のあり方の議論において、高度急性期、急性期、亜急性期、地域一般等の病床機能分化が想定されているが、これらの病床群の機能評価手法、調査手法等は今後の重要な検討課題となっている。
地域の患者動態と医療ニーズの定量的な評価に適している医療施設調査、患者調査等と公表されているDPCデータを補完的に用いて、高度急性期から亜急性期を含めた地域医療提供体制の全体像を把握することが期待できる。
 本研究では、悉皆性を有する医療施設調査、患者調査データを用いて、変化しつつある地域医療の実態と地域で必要とされる医療機能を明かとする手法を示すとともに、他の調査との整合性を持たせながら病床機能を含めた地域医療提供体制の評価につながる統計調査のあり方を示すこととを目的とした。
結果と考察
一般病床の約3分の2をDPC病院が占めていること、非DPC病院の長期入院患者は必ずしも高齢者に限定されるものではないことが明らかとなった。非DPC病院では緊急受診の患者の割合は小さかったが、一定数の救急患者を受け入れ、緊急度が低いほど181日以上の長期入院の患者の割合が高く循環器疾患、外傷、呼吸器疾患が多い傾向を認めた。非DPC病院の死亡患者の6割以上が181日以上の長期入院患者であることから、非DPC病院の死亡患者の多くは、急性期の病態ではなく慢性期の病態にあったと考えられる。非DPC病院における手術患者は、外傷、筋骨格系など運動器に関する手術が多いことが特徴であった。
都道府県別の、DPC病院と非DPC病院の一般病床の平均在院日数を比較したところ、DPC病院では、ほとんど都道府県差異を認めなかったのに対して、非DPC病院では、2倍近い差を認めた。地域におけるそれぞれの機能の必要度に応じて、非DPC病院の一般病床が利用されていることを示唆すると考えられた。
結論
医療施設調査、患者調査の分析から一般病床の機能の多様性を明らかとする手法を示した。病床機能分化を進める今後の医療計画等の策定に有用なデータを提供できる可能性が示唆された。

公開日・更新日

公開日
2015-06-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201302010Z