文献情報
文献番号
201302006A
報告書区分
総括
研究課題名
ICD-11にむけての漢方の証分類の妥当性の検討
課題番号
H25-統計-一般-002
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
渡辺 賢治(慶應義塾大学 環境情報学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
2,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
日本版漢方分類の妥当性を技術的に検証するとともに、中国版、韓国版との比較を行い、国際分類導入への妥当性を検討する。
研究方法
日本版漢方分類は、ウェブ公開されているICD-11β版の中で、暫定的に第25章になっているTraditional Medicine conditions - Module Iの中に入っている。本研究ではこれを元に、レビュワーからのコメントに対応しつつ、中韓とともにフィールドテストを行い、また伝統医学分類作成の国際組織ならびにWHO-FICとも協力しつつ日本版漢方分類の妥当性を検討する。
結果と考察
日中韓を比較すると日本独特の表現もあり、それらの数が多くならないように証分類の組み合わせの部分はポストコーディネーションの形で表現することにし、これが受け入れられた。レビュワーは日本人13 名を登録したが、60人ほど欲しいという再要請があり、日本東洋医学会代議員の中から新たに選定中である。WHOが計画しているフィールドテストに先立って、症例を作成し、日本の漢方分類をコードしてもらうように日本東洋医学会代議員に依頼したところ、おおよその一致がみられ、漢方の証分類は日常診療で十分役に立つものと考えられた。フィールドテスト用の日本からの症例は漢方34症例、鍼灸12症例で、合計46症例を英訳してWHOに送付した。WHOではICD-11全体のフィールドテストに向けて準備を進めており、手引書を作成している。2013年6月にジュネーブで、今後の方針を決定する目的で、プロジェクト・アドバイザー・グループのメンバーと資金貢献している各国政府での会議を開催した。その結果資金・期間の制約の中でICDの伝統医学の章に特化した内容を進め、介入や用語については行わない、という方針とした。平成25年度WHO-FIC会議は10月12日から18日に北京にて開催された。中国で行ったこともあり、中国代表から伝統医学分類についてのプレゼンテーションもあった。WHOとは今後の進め方を検討したが、中国からは用語についてやはり行わないとレビューもできない、という強い意見が出て検討することになった。
結論
ICD-11に向けての漢方分類作成は順調に進捗している。今後はレビューおよびフィールドトライアルを経て最終産物となる予定である。
公開日・更新日
公開日
2015-06-02
更新日
-