標準的治療の確立が望まれる難治性疾患に対する新規治療法の開発

文献情報

文献番号
201244004A
報告書区分
総括
研究課題名
標準的治療の確立が望まれる難治性疾患に対する新規治療法の開発
課題番号
H24-実用化(国際)-指定-004
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
中西 洋一(九州大学病院 ARO次世代医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 赤司 浩一(九州大学大学院 医学研究院)
  • 堀内 孝彦(九州大学大学院 医学研究院)
  • 宮本 敏浩(九州大学病院 血液腫瘍内科 )
  • 新納 宏昭(九州大学病院 免疫・膠原病・感染症内科  )
  • 塚本 浩(九州大学病院  免疫・膠原病・感染症内科)
  • 谷 憲三朗(九州大学 生体防御医学研究所)
  • 村橋 睦了(九州大学 先端分子・細胞治療科)
  • 丸本 朋稔(九州大学 生体防御医学研究所)
  • 土方 康基(九州大学病院 先端分子・細胞治療科)
  • 井上 博之(九州大学 生体防御医学研究所)
  • 内藤 誠二(九州大学大学院 医学研究院)
  • 横溝 晃(九州大学大学院 医学研究院)
  • 篠原 信雄(北海道大学大学院 医学研究科)
  • 塚本 泰司(札幌医科大学 医学部)
  • 大山 力(弘前大学大学院 医学研究科)
  • 荒井 陽一(東北大学大学院 医学系研究科)
  • 赤座 英之(東京大学 先端科学技術研究センター)
  • 西山 博之(筑波大学 医学医療系)
  • 大家 基嗣(慶應義塾大学 医学部)
  • 頴川 晋(東京慈恵会医科大学 泌尿器科学)
  • 佐藤 威文(北里大学 医学部)
  • 大園 誠一郎(浜松医科大学 医学部)
  • 後藤 百万(名古屋大学大学院 医学系研究科)
  • 西村 和郎(大阪成人病センター 泌尿器科)
  • 藤澤 正人(神戸大学大学院 医学研究科)
  • 藤本 清秀(奈良県立医科大学 医学部)
  • 松山 豪泰(山口大学大学院 医学系研究科)
  • 筧 善行(香川大学 医学部)
  • 橋根 勝義(独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター)
  • 山口 秋人(医療法人 原三信病院)
  • 江藤 正俊(熊本大学大学院 生命科学研究部)
  • 中川 昌之(鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康長寿社会実現のためのライフ・イノベーションプロジェクト 難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究(国際水準臨床研究分野)
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
76,924,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、有効な治療法のない難治性疾患の中で、医療における必要性が高いものの企業の開発戦略には含まれないものに対する新規医療の臨床開発を行うことである。具体的には3つの疾患に対して医師主導治験・臨床試験の実施によりヒトでの有効性・安全性の評価を行い将来の実用化につなげることを目指す。課題名を以下に示す。

課題1:難治性全身性硬化症に対する自己造血幹細胞移植の臨床研究
課題2:肉眼的根治切除術後胆道癌患者に対する新規腫瘍関連抗原由来ペプチドワクチンを用いた後補助療法の第Ⅱ相医師主導治験
課題3:低用量BCG膀胱腔内注入維持療法の再発予防効果ならびに安全性に関するランダム化比較試験
研究方法
課題1:単アームの臨床第Ⅱ相試験である。治療内容は以下の通りである。①シクロフォスファミド4g/m2とG-CSFを用いて、造血幹細胞を骨髄より末梢血へ動員し、アフェレーシスによって採取後、自己反応性リンパ球を除去する目的で分離装置(CliniMACS)を用いてCD34陽性細胞を免疫学的に分離する。②体内の自己反応性リンパ球の根絶を目的に移植前治療としてシクロフォスファミド200mg/kgの投与を行った後、移植第0日に保存しておいたCD34陽性細胞(2x106/kg以上)の移植を行う。③アフェレーシスによって得られた細胞をCliniMACSを用いてCD34陽性細胞に純化した後に移植する。

課題2:「新規腫瘍関連抗原由来ペプチドワクチンを用いる免疫療法の開発」を目指した臨床第Ⅱ相試験を行う。既治療進行胆道がんと診断された患者を対象として,新規ペプチドワクチン(OCV-C01)の皮下投与時の有効性について,HLA-A2402を有する者と有さない者での全生存期間を比較する。治験薬のOCV-C01注は以下の2種類のバイアルからなる用時調製の注射剤である。バイアル①:有効成分としてエルパモチド,OCV-101及びOCV-105を含有する凍結乾燥製剤、バイアル②:不完全フロイントアジュバント(Montanide ISA 51 VG,以下IFA)。治験薬を1.0 mL/bodyで,週1回,4週間投与を1コースとして,腋窩部または鼠径部に皮下投与し、治験薬投与中止基準に該当するまで上記コースを繰り返す。

課題3:中・高再発リスクの筋層非浸潤性膀胱がん (Ta、T1) に対するTURBT後の標準量BCG導入療法+低用量BCG維持療法が、標準的レジメである標準量BCG導入療法より再発・進展予防効果において優れ、かつ安全に、高い完遂率をもって実施できるかどうかを、前向き無作為化比較試験によって検証する。対象はTa/T1のNMIBCで、TURBTにより腫瘍が完全に切除され、病理組織学的に尿路上皮がんと診断された患者。治療群は、①標準量導入療法群: BCG 東京株80 mg導入療法 (週1回、6週)、及び②低用量導入+維持療法群: BCG 東京株40 mg導入療法 (週1回、6週)+維持療法 (週1回、3週、4コース)とする。維持療法は、導入療法開始から3ヵ月後、6ヵ月後、12ヵ月後、18ヵ月後に実施する。主要評価項目は無再発生存期間とする。ランダム割付は、症例割付システムによる最小化法による。割付調整因子は、① 初発・再発、② 単発・多発、③ 2nd TURBTの切除組織の病理組織診断、④ 性別とする。予定登録数は、両群各90例、計180例。登録期間1.5年、追跡期間3年とした。
結果と考察
課題1:本年度は、最近の海外における臨床成績を分析し、臨床試験計画の最適化を目指した。また、施設における早期試験の解析結果を基にした臨床第II相試験のプロトコールを作成し、先進医療申請の準備に着手した。また、PMDAの薬事戦略相談を行った。
課題2:本年度は、第Ⅱ相医師主導治験を計画し、治験実施に向けたAROや企業等との打合せ実施に向けた準備、PMDAへの薬事戦略相談を行った。
課題3:本年度は 参加施設の選定と研究体制の整備を行い、平成25年1月に班会議を開催し、同月プロトコール、患者同意説明文書を完成した。

上記3課題とも、九州大学病院ARO次世代医療センターの主要メンバーから構成されるARO推進室会議において知財関連事項、薬事関連事項、当局対応、臨床研究や治験の実施に際して具体的な問題点や課題抽出など実務的な戦略策定を行った。
結論
AROと研究者間での協議の結果、課題によっては薬事戦略方針の修正、試験デザインの変更などが必要となり試験遂行上多いに進展し、3課題ともプロトコール確定~多施設臨床試験準備段階に至っている。次年度からの適正かつ迅速な試験開始が重要課題である。

公開日・更新日

公開日
2013-07-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201244004Z