文献情報
文献番号
                      201239016A
                  報告書区分
                      総括
                  研究課題名
                      進行非小細胞肺癌を対象としたエルロチニブとYM155の分子標的治療薬併用第I相試験
                  研究課題名(英字)
                      -
                  課題番号
                      H24-実用化(がん)-一般-004
                  研究年度
                      平成24(2012)年度
                  研究代表者(所属機関)
                      中川 和彦(近畿大学 医学部)
                  研究分担者(所属機関)
                      - 岡本 勇(近畿大学 医学部)
 - 倉田 宝保(近畿大学 医学部)
 - 鶴谷 純司(近畿大学 医学部)
 - 清水 俊雄(近畿大学 医学部)
 - 金田 裕靖(近畿大学 医学部)
 - 田中 薫(近畿大学 医学部)
 - 岡本 邦男(近畿大学 医学部)
 - 西尾 和人(近畿大学 医学部)
 - 坂井 和子(近畿大学 医学部)
 - 千葉 康敬(近畿大学 医学部)
 
研究区分
                      厚生労働科学研究費補助金 健康長寿社会実現のためのライフ・イノベーションプロジェクト 難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究(がん関係研究分野)
                  研究開始年度
                      平成24(2012)年度
                  研究終了予定年度
                      平成26(2014)年度
                  研究費
                      90,991,000円
                  研究者交替、所属機関変更
                      -
                  研究報告書(概要版)
研究目的
            進行非小細胞肺癌患者を対象に、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)エルロチニブに併用するYM155の推奨投与量の設定、及び用量制限毒性(DLT)を明らかにし、推奨投与量における安全性と抗腫瘍効果、及び効果に関わるバイオマーカーを探索する。
      研究方法
            分子標的治療薬併用第Ⅰ相臨床試験(医師主導治験)として、EGFR陽性進行非小細胞肺癌に対する化学療法を受ける患者を対象にエルロチニブとYM155併用投与の両薬剤推奨投与量の設定、用量制限毒性(DLT)および最大耐用量(MTD)を明らかにし、両分子標的治療薬の推奨投与量における安全性と抗腫瘍効果について検討する。
      結果と考察
            平成24年6月本研究計画に関する採択通知受領後、7月より同医師主導治験実施体制準備開始に至り10月施設内治験審査委員会(IRB)承認を得たのちに11月医薬品医療機器総合機構へ治験届を提出、12月PMDA当局より審査承認確認を得た。12月第1回目サイトトレーニング(CRC・薬剤師等を対象)施行、治験キックオフミーティングを兼ねた第2回目サイトトレーニング(医師・CRC・看護師・薬剤師等対象)施行、最終CRFフォーム固定 (クインタイルズ・ジャパン・データマネジメント部)、アステラス製薬より 近畿大学医学部附属病院薬剤部へ治験薬(YM155)搬入完了。クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパンと同治験委受託契約完了を行った。平成25年1月PK(薬物動態測定解析用)用検査キット米国より輸入通関完了 (Advion/Quintiles and PPD, USA)。日本臨床研究オペレーションズ(JCRO)と同治験業務委受託契約完了。第1コホート第1症例の治験登録、第1症例の第 1サイクル投与開始。2月第2症例の第 1サイクル投与開始。さらに第3症例の第 1サイクル投与開始。第1コホートレベル(治験薬YM155 3.6mg/㎡/day)では用量制限毒性(DLT)発現及び臨床上有意な毒性を全3症例において認めず、平成25年3月25日に効果安全性委員会を開催、同委員会の外部委員による審査にて次コホート(第2コホートレベル)への用量増加が承認され、4月より第2コホート症例の治験登録が開始予定とされた。同治験薬剤のCIOMSフォームを用いた海外における有害事象(SAE)報告に関しても近畿大学医学部腫瘍内科、クインタイルズ・ジャパンおよび日本臨床研究オペレーションズ(JCRO)による海外SAE報告プロセスのSOPに従いPMDAへの定期報告を行っている。
      結論
            第1コホートレベル(治験薬YM155 3.6mg/㎡/day)では用量制限毒性(DLT)発現及び臨床上有意な毒性を全3症例において認めず、既に1回目の外部委員による効果安全性委員会承認を経て次年度以降は治験プロトコールに準じて予定通り次コホートへの用量増加による治験登録が開始予定とされている。また、治験薬投与前後の腫瘍組織採取(気管支鏡生検等)も既に採取施行可能例には被験者の同意取得のもとに実施されており、抗腫瘍効果に関わるバイオマーカーの探索として1)YM155投与前後における腫瘍組織中のサバイビン蛋白質量の測定とアポトーシス誘導の有無を確認、2)肺癌組織の体細胞変異解析にあたり、LungCarta、Bio-plex (Ligand panel)等のマススクリーニングパネルを用いた半網羅的体細胞変異解析を行うための病理組織サンプルを病院病理部にて保管中である。
      公開日・更新日
公開日
          2013-08-21
        更新日
          -