進行・再発膵癌に対する新規エピトープペプチドカクテル療法と標準化学療法の併用効果を検討する多施設共同第I/II相臨床試験

文献情報

文献番号
201239010A
報告書区分
総括
研究課題名
進行・再発膵癌に対する新規エピトープペプチドカクテル療法と標準化学療法の併用効果を検討する多施設共同第I/II相臨床試験
課題番号
H23-実用化(がん)-一般-010
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
岡 正朗(山口大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 硲 彰一(山口大学 大学院医学系研究科)
  • 鈴木 伸明(山口大学 大学院医学系研究科)
  • 谷澤 幸生(山口大学 大学院医学系研究科)
  • 古川 裕之(山口大学 大学院医学系研究科)
  • 梅本 誠治(山口大学 医学部附属病院)
  • 後藤 満一(福島県立医科大学)
  • 有賀 淳(東京女子医科大学 先端生命医科学研究所)
  • 吉松 和彦(東京女子医科大学 東医療センター)
  • 田中 浩明(大阪市立大学 大学院医学研究科)
  • 藤原 俊義(岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科)
  • 井口 東郎(四国がんセンター 臨床研究センター)
  • 島田 光生(徳島大学 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部)
  • 千々岩 一男(宮崎大学 医学部)
  • 清水 良一(山口県厚生農業協同組合連合会 小郡第一総合病院)
  • 坂田 晃一朗(社会保険下関厚生病院)
  • 林 弘人(独立行政法人国立病院機構 関門医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康長寿社会実現のためのライフ・イノベーションプロジェクト 難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究(がん関係研究分野)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
118,182,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本治験は日本発のペプチドワクチン療法を第II相試験として実施し,第III相試験へ繋ぐ研究結果を見出すことにある。癌免疫療法は世界で注目され,開発競争が激化している。本治験で用いるエピトープペプチドは,有効性を示す多くの知見が得られ,全て日本が特許権を有する化合物である。本エピトープペプチドを用いた新薬開発が進めば,日本の国益に繋がる。本治験は膵癌に対する標準療法+ペプチドワクチン併用療法の安全性と有効性を探索的に検討する医師主導臨床試験(治験)である。進行膵癌の標準療法であるGemcitabineとペプチドワクチン療法を併用することの安全性およびペプチドワクチンの上乗せ効果を検討する。
研究方法
本治験は膵癌に対する標準療法+ペプチドワクチン併用療法の安全性と有効性を探索的に検討する医師主導臨床試験(治験)である。進行膵癌の標準療法であるGemcitabineとペプチドワクチン療法を併用することの安全性およびペプチドワクチンの上乗せ効果を検討する。Gemcitabineは本邦の薬事承認レジメンに基づき3週投与1週休薬で投与し,ペプチドワクチンは治験薬提供者から提供を受け,毎週投与する。病巣の増悪(PD)まで本療法を施行する。本治験を医師主導第II相臨床試験(治験)として実施し,標準療法+ペプチドワクチン療法併用時の安全性と有効性を探索的に検討することで,企業治験として第III相ランダム化比較試験を実施する根拠を創出する。
結果と考察
平成24年度は症例登録と治験の実施を主として位置付け,概ね順調に進行した。具体的には,平成24年2月にPMDAの対面助言を受けた後,指導内容に従って治験実施計画書を作成,各治験参加施設のIRB審議・承認,同年5月にPMDAへ治験計画届を提出した。また今回の治験に関する業務において,一部をCROへ委託した。主に,モニタリング業務,データマネジメント業務,統計解析,監査業務等である。また,症例報告書の作成についてはEDCを用い,遠隔施設での業務を円滑に行う体制を整備した。申請者である山口大学の研究者を治験調整医師とした治験調整事務局を設置し,本治験を牽引するとともに,CRO及び各施設間の連絡調整を行っている。症例登録開始から10か月が経過したが,現在までの運用に大きな問題はなく,順調に各業務が進捗している。また,本治験参加施設の治験担当医師・CRC(治験コーディネーター)等を集め,平成24年10月にブーストアップミーティングを開催し,進捗状況の確認,症例検討,今後の症例登録の加速を促した。当初の研究計画では治験実施期間を平成24年4月~平成26年3月の2年間としていたが,本治験登録開始が予定よりも遅れて平成24年6月より開始となった。平成24年度は症例登録,治験の実施を主として行った。平成25年度は目標症例到達まで症例登録を行い,その後は被験者のフォローアップを継続する。さらに症例報告書のデータクリーニング及び固定,症例検討会の開催,統計解析を行い,総括報告書を作成する。平成25年3月末時点において目標症例60例に対し,59例が登録されている。当初の計画からは概ね順調に進捗していると考える。平成25年度は被験者フォローアップ,症例報告書のデータクリーニング及び固定,症例検討会の開催,統計解析,総括報告書を作成し,治験を終了する予定である。
結論
治験の性格上,本治験の結果は治験終了,統計解析後である。平成24年度は当初の計画通り,症例登録,治験の実施を主として行い概ね順調に進捗した。

公開日・更新日

公開日
2013-05-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201239010Z