文献情報
文献番号
201235046A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品リスク管理計画制度の着実かつ効果的な実施のための基盤的研究
課題番号
H24-医薬-指定-015
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
成川 衛(北里大学薬学部 臨床医学（医薬開発学）)
研究分担者(所属機関)
- 天沼 喜美子(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部第一室)
- 堀 明子(医薬品医療機器総合機構 安全第二部)
- 前田 玲(日本製薬団体連合会 安全性委員会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
3,866,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書（概要版）
研究目的
本研究は、平成24年4月に公表された「医薬品リスク管理計画指針」に基づき、我が国において、医薬品のリスク管理がより効果的に実施されるための検討課題を明らかにし、国際的動向も踏まえた上での、その改善に向けた検討・提案を行うことを目的とする。
研究方法
「医薬品リスク管理計画指針」に基づき我が国で計画・実施される医薬品リスク管理について、その実施状況を考慮に入れて、今後、それがより効果的に実施されるための検討課題を明らかにし、その改善に向けた検討・提案を行う。具体的には、医薬品リスク管理計画の構成要素である①安全性監視、②リスク最小化活動について、我が国の現状及び諸外国での実施状況の調査・分析を行うとともに、①②を計画・実施する際の基礎となる医薬品のベネフィット・リスクの評価のあり方について整理・検討を行い、これらを踏まえて、医薬品のリスク管理計画制度がより効果的に実施されるための検討課題を明らかにし、その改善に向けた検討・提案を行う。
結果と考察
初年度（平成24年度）は、安全性監視のうち使用成績調査（特定使用成績調査、全例調査を含む）に関し、我が国でのこれまでの手法、実施状況及び意義に関する製薬企業を対象としたアンケート調査、公表情報（主に審査報告書）を基にした情報の整理・分析、これまでに対照群をおいた前向きコホート研究による使用成績調査が実施された事例に関する企業からのヒアリング調査を行った。また、医薬品リスク管理計画制度が先行実施されている欧州及び米国における制度の運用状況、実際上の問題点、制度改善に向けた検討事項などに関する文献調査、特にリスク最小化活動の効果の評価、医薬品のベネフィット・リスクバランスの評価に関する諸外国を含めた先行研究の調査・整理、欧州規制当局及び研究機関に対する現地調査を実施した。以上の研究成果については、順次、国内外の学術雑誌等に論文として発表している。
医薬品のリスク管理を着実かつ効果的に実行していくためには、個々の医薬品の性質やおかれた状況に応じて、安全性の監視とリスク最小化のための活動を計画し実行していく必要がある。その際には、市販後も日々蓄積・更新されていく情報に基づいて、当該医薬品のベネフィットとリスクのバランスを継続的に評価していくとともに、リスク最小化活動について何らかの形でその効果の測定（評価）が求められる。新薬の研究開発が急速に国際化する中で、市販後の安全対策についても国際的な視野・方法論に基づく対応が必要になってきており、この意味で、リスク管理計画制度が先行実施されている欧米の状況について、その実際上の問題点や制度改善に向けた検討事項なども含めて情報を収集し、分析していくことは重要な作業である。それらを踏まえ、また我が国の医療や薬事規制の状況も踏まえた形で、リスク管理手法を検討していくべきであると考える。
医薬品のリスク管理を着実かつ効果的に実行していくためには、個々の医薬品の性質やおかれた状況に応じて、安全性の監視とリスク最小化のための活動を計画し実行していく必要がある。その際には、市販後も日々蓄積・更新されていく情報に基づいて、当該医薬品のベネフィットとリスクのバランスを継続的に評価していくとともに、リスク最小化活動について何らかの形でその効果の測定（評価）が求められる。新薬の研究開発が急速に国際化する中で、市販後の安全対策についても国際的な視野・方法論に基づく対応が必要になってきており、この意味で、リスク管理計画制度が先行実施されている欧米の状況について、その実際上の問題点や制度改善に向けた検討事項なども含めて情報を収集し、分析していくことは重要な作業である。それらを踏まえ、また我が国の医療や薬事規制の状況も踏まえた形で、リスク管理手法を検討していくべきであると考える。
結論
新薬の研究開発が急速に国際化する中で、国際的な視野・方法論を踏まえながら、一方で各国の医療事情等も考慮に入れた形で、医薬品リスク管理を如何に着実かつ効果的に実行していくかは重要な課題である。今後、これまでの調査研究で明らかになった課題についてさらに分析を加えながら、我が国での医薬品のリスク管理の実効性を高めていくために必要となる事項について具体的な検討を行っていくこととする。
公開日・更新日
公開日
2013-05-28
更新日
-