医薬品の品質ガイドラインの実施に係る品質試験及び試験実施機関の品質システム等に関する研究

文献情報

文献番号
201235036A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品の品質ガイドラインの実施に係る品質試験及び試験実施機関の品質システム等に関する研究
課題番号
H24-医薬-一般-003
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
四方田 千佳子(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 香取 典子(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
  • 伊豆津 健一(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
GMP査察のための試験検査機能のための要件が提示され、今後、我が国において、地方衛生研究所と国立衛研からなる試験機関群がGMP査察のための試験検査機能を担うためには、試験機関の品質システムの構築が必須であり、共通の品質マニュアルの構築、共通の手順書の早期作成をめざす。 さらに、現在登録試験検査機関の登録要件となっていない溶出試験の精度保証の方策を探るため、地方衛生研究所薬事関連機関を中心に共同実験を行う。
研究方法
地方衛生研究所と国立衛研からなる試験機関群がGMP査察のための試験検査機能を担うため必要な、試験検査機関の品質システムの構築に向けて、試験機関管理の要件、共通の品質マニュアルの作成を行った。また、ロンドン欧州EMA訪問などを通じ海外査察当局の実情調査を行った。
溶出試験器のメカニカルキャリブレーションの有効性評価を交えて、地方衛生研究所薬事関連機関を中心に、USPのプレドニゾン標準錠剤の有用性確認の共同試験の検討から生じた問題点を、メカニカルキャリブレーションによる機器再校正を交えて再検討した。
注射剤に賦形剤や等張化剤として用いられるmyo-イノシトールの凍結乾燥による結晶多形の形成機構と評価法を検討した。
結果と考察
我が国におけるPIC/S加盟に伴う、査察団体の品質システムの再構築のための、公的試験検査機関の品質マニュアル、手順書案を研究班の成果として提案することが出来た。溶出試験のメカニカルキャリブレーションとUSPプレドニゾン錠の溶出試験結果から、容器の中心度が溶出試験結果に大きな影響を及ぼすことが明らかとなり、回転軸の位置補正が大きな要因であることが示唆された。myo-イノシトールの凍結乾燥による結晶多形の形成を見出すとともに、結晶形を左右する製剤組成や工程要因を明らかにした。
結論
本研究班の作成した品質マニュアルおよび手順書のひな型は、地衛研のみならず、国衛研においても品質システム構築に大きく貢献したと考えられる。
溶出試験器のメカニカルキャリブレーションは変動要因の補正に重要であることが明らかとなった。
凍結乾燥時の製剤品質の頑健性確保における、物性キャラクタリゼーションと工程理解の重要性が確認された。

公開日・更新日

公開日
2013-06-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201235036Z