法規制薬物の分析と鑑別に関する研究

文献情報

文献番号
201235009A
報告書区分
総括
研究課題名
法規制薬物の分析と鑑別に関する研究
課題番号
H22-医薬-一般-016
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
合田 幸広(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
研究分担者(所属機関)
  • 花尻 瑠理(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
  • 福原 潔(国立医薬品食品衛生研究所 有機化学部)
  • 河野 徳昭(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター筑波研究部)
  • 代田 修(徳島文理大学 香川薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では,法規制薬物の内,麻薬・向精神薬取締法及びあへん法など関連4法で厳しく規制される薬物及び,今後これらの法律により規制される可能性の高い薬物を対象とし,同薬物の分析と鑑別に関する研究を行う.
研究方法
使用した薬物は,主に国立衛研で研究用として合成,入手,保管品及び,麻薬取締部で国庫帰属となり交付を受けた物を用いた.材料植物の収集は,医薬基盤研薬用植物資源研究センターの協力を得た.
結果と考察
いわゆる「脱法ハーブ」使用者生体試料からの薬物分析を実施し,MAM-2201及びJWH-122及びその代謝物を検出,摂取識別法について考察した.麻薬に指定された合成カンナビノイド類の簡易検出法の検討を行うとともに,5-ITの合成を行った.押収錠剤型麻薬に含有される薬物分析を実施し,含量等の傾向を示した.薬物犯罪の捜索現場で発見された物件が違法薬物であるか否かを迅速に判定する方法として携行型ラマン分光光度計を用いる不正錠剤中薬物の識別法について検討した.大麻種子1粒を用いた産地特定のためのISSR-PCR法による検討を実施し,7種類の識別マーカーを作成し.それらを併用することで大麻16種中14種の大麻の相互識別が可能となった.ケシについては,昨年度までに開発したケシ,アツミゲシ,ヒナゲシ間の鑑別が可能なプライマーを用い,種子を検体とした植物種鑑別法,並びに核酸調製・保存資材(FTAカード)を用いた植物種鑑別法について検討し,ケシ属植物種子1粒を検体とした植物種の鑑別,並びにFTAカードで調製・保管した核酸試料を検体とした植物種の鑑別にそれぞれ成功した.また,抗SalA MAb産生ハイブリドーマを用いて組換え抗体の作成を試みた.さらにカチノンに対する抗CA MAbを用いたELISAについてより詳細な検討を行った.
結論
本研究は,監視指導麻薬対策課と密接な連絡のもと遂行され,その成果は厚生労働省の乱用薬物行政と乱用薬物取締りに直接貢献することになる.

公開日・更新日

公開日
2013-05-16
更新日
-

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
201235009B
報告書区分
総合
研究課題名
法規制薬物の分析と鑑別に関する研究
課題番号
H22-医薬-一般-016
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
合田 幸広(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
研究分担者(所属機関)
  • 花尻 瑠理(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
  • 福原 潔(国立医薬品食品衛生研究所 有機化学部)
  • 河野 徳昭(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター筑波研究部)
  • 代田 修(徳島文理大学 香川薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では,法規制薬物の内,麻薬・向精神薬取締法及びあへん法など関連4法で厳しく規制される薬物及び,今後これらの法律により規制される可能性の高い薬物を対象とし,同薬物の分析と鑑別に関する研究を行う.
研究方法
薬物は,主に国立衛研で研究用として合成,入手,保管品及び,麻薬取締部で国庫帰属となり交付を受けた物を用いた.材料植物の収集は,医薬基盤研薬用植物資源研究センターの協力を得た.

結果と考察
JWH-018の代謝物を合成,代謝物を利用した生体試料分析法を示した.デキストロメトルファンと,その光学異性体レボメトルファンにつきヒト肝ミクロゾーム光学選択的代謝について検討,別にラット尿でのNMR利用した光学選択的代謝を確認した.また,フェンタニルおよびノルフェンタニルの生体試料からの分析法を確立するとともに,脱法ハーブ使用者生体試料からの薬物分析を実施した.現場分析では,押収錠剤型麻薬の形態観察及び,薬物含有量試験法の検討及びマイクロ波利用薬物誘導体化条件の検討を行った.また,携行型ラマン分光光度計を用いる不正錠剤中薬物の識別法について検討した.さらに,麻薬・合成カンナビノイド類の呈色簡易検出法の検討を行うと共に,今後麻薬に指定が予想される化合物の合成を実施した.また別に,麻薬向精神薬評価系として薬物報酬系について検討した.植物関係では, 4-OMT遺伝子情報を利用したケシ属植物の簡便な識別法を確立し,本法が.FTAカード利用でも可能な事を示した.大麻では,押収品の形態観察及びTHC含有量調査を実施,高THC含有大麻の国内流通を確認した.また,大麻種子1粒を用いた産地特定のためのDNA鑑別法の開発を目的に検討を行い,IGS内の単純反復配列を利用したPCR法による種内変異の分析法を確立した.続いてISSR-PCR法の検討を行い,種子1粒を用いた産地特定のための7種識別マーカーを作成した.植物幻覚性分サルビノリンAの免疫化学的分析手法による検出法としてイムノクロマトストリップを構築した.また,カチノン検出競合的ELISAを開発した.
結論
本研究は,監視指導麻薬対策課と密接な連絡のもと遂行され,その成果は厚生労働省の乱用薬物行政と乱用薬物取締りに直接貢献することになる

公開日・更新日

公開日
2013-05-16
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201235009C

収支報告書

文献番号
201235009Z