後発医薬品の同等性ガイドラインにおける試験条件の最適化に関する研究

文献情報

文献番号
201235004A
報告書区分
総括
研究課題名
後発医薬品の同等性ガイドラインにおける試験条件の最適化に関する研究
課題番号
H22-医薬-一般-005
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
四方田 千佳子(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 柴田寛子(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部 )
  • 斎藤博幸(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部)
  • 岸本清子(東京都健康安全センター医薬品部)
  • 梶村計志(大阪府立公衆衛生研究所食品科学課)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
4,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
生物学的同等性試験ガイドラインでは、溶出試験部分を中心に産官学で議論し、平成24年2月に改訂版が出された。本研究では、改定に伴って検討すべき課題を取り上げると共に、今後のガイドライン改定に必要と思われる特殊な製剤の評価法などを検討する。
研究方法
 溶出試験における界面活性剤使用の最適化にむけた検討、リポソーム製剤のガイドライン試験法に関する検討では、リポソーム脂質二重膜の相転移挙動評価、脂質分散系製剤の製剤評価法に関する研究では、マイクロスフェア製剤の薬物放出性に関する検討を行った。経皮吸収型製剤等に関する放出試験法のドラフトの改訂、坐剤の放出試験法に関する基礎的検討を試みた。
結果と考察
経口製剤の溶出性におけるSDSやポリソルベートの影響の検討では、PS80では、市販試薬間で、溶出試験結果に大きな差は認められず、SDSのような使用した試薬による溶出試験への影響は無視できる程度と考えられた。リポソーム製剤の環境感受性蛍光プローブ測定やDSC測定は、温度や脂質組成の変化に対する脂質二重膜の相転移挙動の評価が可能であり、リポソーム製剤の品質管理に有用である。マイクロスフェア製剤の薬物放出性に与える試験液の影響を検討し、生理的環境に近い浸透圧とpHの緩衝液であれば、in vivoにおける薬物放出とある程度相関した薬物放出挙動を観察できることを示した。皮膚に適用する製剤の放出試験法はパドル法とシリンダー法、さらに拡散セル法を加えて最終案とした。坐剤の放出性では、DSC測定や、融点測定により熱的性質を狭くコントロールすることで、放出の制御が可能であることが示唆された。
結論
本研究の成果は、経口固形製剤の同等性試験ガイドライン、局所皮膚適用製剤のガイドラインの運用に役立ち、新たな特殊製剤の評価法のガイドライン作成にも有用である。

公開日・更新日

公開日
2013-05-30
更新日
-

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
201235004B
報告書区分
総合
研究課題名
後発医薬品の同等性ガイドラインにおける試験条件の最適化に関する研究
課題番号
H22-医薬-一般-005
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
四方田 千佳子(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 柴田 寛子(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部 )
  • 斎藤 博幸(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部)
  • 岸本 清子(東京都健康安全研究センター医薬品部)
  • 梶村 計志(大阪府立公衆衛生研究所衛生化学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
生物学的同等性試験ガイドラインでは、溶出試験部分を中心に産官学で議論し、平成24年2月に改訂版が出された。本研究では、改定に伴って検討すべき課題を取り上げると共に、今後のガイドライン改定に必要と思われる特殊な製剤の評価法などを検討する。
研究方法
溶出試験における界面活性剤使用の最適化にむけた検討、リポソーム製剤のガイドライン試験法に関する検討では、リポソーム製剤の特性評価法及び放出性評価法について検討し、さらにマイクロエマルジョン製剤の評価法、マイクロスフェア製剤の薬物放出性に関する検討を行った。経皮吸収型製剤等に関する放出試験法案の作成、坐剤の放出試験法に関する基礎的検討を試みた
結果と考察
経口製剤の溶出性におけるSDSやポリソルベートの試薬による影響の検討では、SDSの脂質組成、pHが製剤の溶出挙動に影響を及ぼすこと、PS80では、試薬による溶出性への影響はないことが示された。リポソーム製剤では、リポソーム製剤の表面固定水和層の厚さ、PEG脂質の分布や表面被覆率、温度や脂質組成の変化に対する脂質二重膜の相転移挙動の評価が可能であることを示した。リポソーム製剤やマイクロスフェア製剤の薬物放出性に与える試験液の影響を検討し、試験液の選択が重要であることが示された。皮膚に適用する製剤の放出試験法はパドル法とシリンダー法、さらに拡散セル法を加えて最終案とした。坐剤の放出性では、DSC測定や、融点測定により熱的性質をコントロールすることで、放出の制御が可能であることが示唆された。また、2012年2月に改訂された生物学的同等性ガイドラインの変更点を明らかにすると共に、国際的流布を目指して、Q&Aを含むすべての文書に対する英文翻訳版の作成を行った。
結論
本研究の成果は、経口固形製剤の同等性試験ガイドライン、局所皮膚適用製剤のガイドラインの運用に役立ち、新たな特殊製剤の評価法のガイドライン作成にも有用である。

公開日・更新日

公開日
2013-05-30
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201235004C

成果

専門的・学術的観点からの成果
溶出試験条件では、界面活性剤使用の最適化にむけた検討が進み、リポソーム製剤では、薬物放出制御因子の一つとしての脂質二重膜の相転移挙動の評価法が示された。分散系製剤であるマイクロスフェア製剤の試験液組成等の薬物放出挙動に与える影響が評価できた。皮膚適用製剤試験法では、縦型拡散セル法を追加して日本薬局方収載案とした。坐薬につき、溶融温度を測定し,その放出性の温度依存性と相関があることを示した。
臨床的観点からの成果
種々の製剤の薬物放出特性の評価法を詳細に検討することにより,医薬品の臨床的有効性をある程度In-vitroで予測することが可能となる。
ガイドライン等の開発
日本薬局方審議委員会へ,皮膚適用製剤の放出試験法案を提案し,第17改正日本薬局方(平成28年3月7日告示)の一般試験法 6.13 皮膚に適用する製剤の放出試験法として収載された.また,座薬の溶融温度は,第17改正日本薬局方第一追補をめざして,製剤各条に記載されることとなった.
その他行政的観点からの成果
皮膚適用製剤の承認申請時の放出試験法の適用が容易になり、標準的な方法が明確にされた.油性基剤を用いた坐剤では,融点測定が品質管理に有用であることが再確認され,放出試験に替わりうる試験としての位置付けを明確にできた.
その他のインパクト
特になし。

発表件数

原著論文(和文)
2件
原著論文(英文等)
3件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
梶村計志, 川口正美,四方田千佳子
難水溶 性製剤の溶出試験に界面活性剤として使用されるポ リソルベート80の品質に関する研究
医薬品医療 機器レギュラトリーサイエンス ,  43 (7) , 650-655  (2012)

公開日・更新日

公開日
2014-06-06
更新日
2018-06-21

収支報告書

文献番号
201235004Z