と畜・食鳥検査における疾病診断の標準化とカンピロバクター等の制御に関する研究

文献情報

文献番号
201234041A
報告書区分
総括
研究課題名
と畜・食鳥検査における疾病診断の標準化とカンピロバクター等の制御に関する研究
課題番号
H24-食品-一般-009
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
山本 茂貴(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
研究分担者(所属機関)
  • 朝倉 宏(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
  • 森田 幸雄(東京家政大学 家政学部)
  • 中馬 猛久(鹿児島大学 農学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は食肉の衛生を確保するための施策に貢献する研究であり、1.と畜・食鳥検査における疾病診断の標準化に関する研究、2.食鳥肉のカンピロバクターの制御に関する研究、3.牛内臓肉の衛生管理に関する研究の3つをおこなった。1.食肉衛生検査は、疾病排除を主体として、食中毒予防のための食肉の衛生管理などが含まれている。その中でも、疾病廃除のための診断技術を平準化することにより、全国で同一レベルの食肉検査を行うことが可能となることが期待される。2.これまでカンピロバクターの制御に関する研究では、食鳥処理場での対策を中心に行われてきた。平成24年度の研究では、農場から食卓に至るフードチェーンを通して、カンピロバクター食中毒の制御のための研究を行う。3.牛内臓肉衛生管理の中でもの衛生管理に関する研究はほとんど行われていない。牛の腸管内には腸管出血性大腸菌を初めとする食中毒菌が存在している。それらの2次汚染を防ぐために牛内臓処理施設の衛生管理に関する研究を行うことを目的とした。
研究方法
1.平成24年度は主要な6疾病を選択し、全国の食肉衛生検査所にマニュアルの必要性についてアンケート調査を行った。また、食肉検査マニュアルがどうあるべきかについて検討した。
2.食鳥肉のカンピロバクターの制御に関する研究では、(1)農場での衛生対策ポイントの検討として、農場での鶏群の汚染状況を調査した。(2)食鳥処理場での衛生対策、これまでの脱羽工程、中抜き工程、冷却工程等の組み合わせに加え、食品安全委員会の食品健康影響評価研究で指摘された方法、すなわち、非汚染鶏から汚染鶏の順番で食鳥処理を行う方法による汚染状況の変化に関して検討した。(3)流通段階においては、冷凍等応用的処理によるカンピロバクターの低減効果に着目し、関連文献を収集すると共に、条件抽出を行い、実験的に検証した。
3.平成24年度は内臓処理施設及び第1胃から第4胃、小腸、大腸について菌数を測定し、汚染状況を把握するとともに、汚染に影響する処理工程について検討した。
結果と考察
1.牛白血病、豚丹毒、豚赤痢、萎縮性鼻炎、ヨーネ病の順に改訂が必要との結果となった。その他の疾病としては、高度の水腫、中皮腫などが複数のブロックから提案された。
2.(1)今回の調査した農場でカンピロバクター・コリ1株のみ分離された。汚染農場での使用形態をさらに検討する必要があると考えられた。(2)汚染農場からの鶏群が先に処理された場合、非汚染農場からの鶏群は汚染を受けたが、チラー水により汚染が軽減された。遺伝子マーカーにより汚染菌の追跡が必要と考えられた。(3)冷凍により、汚染菌数の大幅な低減が見られた。冷凍村賞金について検討する必要がある。
3.内臓処理施設により菌数に1000倍程度の差があった。汚染の低い処理場での衛生管理についてさらに検討する必要がある。
結論
1.食肉衛生検査マニュアルは現場での使用を視野に入れた改訂が必要である。
2.食鳥肉のカンピロバクターの制御に関する研究
農場、食鳥処理場、流通の各段階で対策をとる必要があると考えられた。食鳥処理の順番と冷凍流通は効果が期待される。
3.牛内臓肉の衛生管理に関する研究
汚染菌数の低い処理施設での手順をマニュアル化する必要がある。

公開日・更新日

公開日
2013-06-24
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201234041Z