文献情報
文献番号
201234033A
報告書区分
総括
研究課題名
食品防御の具体的な対策の確立と実行検証に関する研究
課題番号
H24-食品-一般-001
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
今村 知明(公立大学法人奈良県立医科大学 健康政策医学講座)
研究分担者(所属機関)
- 山本 茂貴(国立医薬品食品衛生研究所)
- 高谷 幸(公益社団法人日本食品衛生協会)
- 岡部 信彦(川崎市健康安全研究所)
- 赤羽 学(公立大学法人奈良県立医科大学 健康政策医学講座)
- 鬼武 一夫(日本生活協同組合連合会)
- 田村 光平(公立大学法人奈良県立医科大学 健康政策医学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書（概要版）
研究目的
本研究では過年度の研究成果である意図的な食品汚染に対する脆弱性評価手法「CARVER+Shock法」と「食品工場における人為的な食品汚染防止に関するチェックリスト」について、実際の異物混入の事例を踏まえた上で食品工場に適用することで、対策の検討を行うこと、さらに、食品企業向けの食品防御ガイドラインについて、中小規模の食品工場における対策の観点から精緻化を行うこと、また、食品による健康被害を早期に把握するための食品の市販後調査（以下、PMM）を実現する手法の高度化を行うことを目的とする。
研究方法
日本生活協同組合連合会（以下、日本生協連）との連携により以下の方法を採用した。（1）食品工場への現地調査を実施し脆弱性評価を行う際に、過年度研究で開発した「食品工場における人為的な食品汚染防止に関するチェックリスト」を実際に適用した。特に、実際の異物混入の事例を踏まえた上で対策と問題点の整理を行った。（2）（1）の結果を用いて、食品防御の視点から現行の安全管理体制に追加すべき具体的対策を検討した。（3）「食品防御対策ガイドライン（案）」の精緻化を行うため、特に中小規模食品工場における食品防御対策の観点から、2工場に対して実施した実地調査の結果を基に、内容の検討を行った。（4）食品PMMについては、過年度に収集したデータを用い、リアルタイム性の向上を主眼としたPMMの高度化、夏季におけるPMM実施への検討及び対策の検討を行った。
結果と考察
（1）チェックリストおよびガイドラインについて、実際の異物混入の事例での活用における問題点の整理と改善点の検討を行った。（2）過年度研究で検討を行った「食品防御対策ガイドライン（案）」について、中小規模食品工場における食品防御対策の観点から、これらの規模の工場におけるガイドライン活用を念頭に、ガイドライン項目・内容についての精緻化を行った。（3）パルシステム東京及び生活協同組合コープこうべの協力を得て過年度に実施した健康調査及び商品購入データを用い、リアルタイム性の向上を主眼とした分析手法の検討及び次年度以降に実施する夏季期間中のPMMのアラート検出に向けた検討を実施した。
結論
過年度研究において検討した食品工場における食品防御に対する脆弱性評価手法（CARVER+Shock法およびチェックリスト（案））に基づき、実際の異物混入事例が発生した施設に対する現地調査を行い、現行の管理体制に追加すべき具体的対策の提案及びガイドラインの検証を実施した。また、中小規模の食品工場への現地調査結果を踏まえ、これらの規模の工場における食品防御対策ガイドライン（案）の活用を念頭に、ガイドラインの精緻化を行った。さらに食品PMMについて、過年度に収集した健康調査及び食品購入データを活用し、リアルタイム性の向上を主眼としたPMMの高度化を行い、健康被害疑いがある食品の早期発見のための分析サイクル短縮が実現可能であることを確認した。今後は、抽出された原因候補食品との因果関係の調査や、実用化に向けたリアルタイムアラートの出し方の向上などを検討していく必要がある。
公開日・更新日
公開日
2013-06-24
更新日
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