文献情報
文献番号
201234016A
報告書区分
総括
研究課題名
検査機関の信頼性確保に関する研究
課題番号
H23-食品-一般-001
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
小島 幸一(財団法人食品薬品安全センター 秦野研究所)
研究分担者(所属機関)
- 尾花 裕孝(大阪府立公衆衛生研究所)
- 中澤 裕之(星薬科大学)
- 斉藤 貢一(星薬科大学)
- 村山 三徳(社団法人日本食品衛生協会食品衛生研究所)
- 渡辺 卓穂(財団法人食品薬品安全センター 秦野研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
30,480,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
食品の安全性確保のために精度管理体制の整備や適正な精度管理用調査試料の開発とこれに付随した精度管理を実施し、食品衛生検査機関における検査成績の信頼性の確保に貢献することを目的とした。
研究方法
放射線検知の精度管理体制の構築では、ハンバーグパテを対象に開発した2-アルキルシクロブタノン分析法を用いた添加回収試験、外部精度管理試験及び照射判定試験を実施した。マイコトキシン検査では、市販のビールを対象としデオキシニバレノールの添加回収試験を実施した。残留有害物質では、ピーナッツを試料としてELISA及びLC-UVを用いて分析法バリデーションのために添加回収試験を行った。適正試料の作製では、理化学では牛肉を用いたサルファ剤の安定性、微生物では基材中でのセレウス菌、ビブリオ属菌の安定性について確認した。アレルギー検査では、卵タンパク質を対象とした精度管理調査を、組換えDNA食品では遺伝子組換えトウモロコシ検知のためのリアルタイムPCRで得られるCt値の統計解析を試みた。
結果と考察
放射線検知の精度管理体制の構築では、放射線検知の指標となる2-アルキルシクロブタノンの分析法を開発した。本法は簡便であり、汎用性の高い方法であることが示された。また、その方法を用い精度管理を行った結果、全機関が誤回答なく判定できた。マイコトキシン検査では、ビール中のデオキシニバレノールに着目し、前処理法を再検討することで、スクリーニング法としてのELISA法の有用性が確認された。残留有害物質では、開発したシクロピアゾン酸の分析法を汚染が危惧されるピーナッツに適用し、その有用性が示された。適正試料の作製における理化学検査では、残留動物用医薬品検査において基材としての牛肉でのサルファ剤の安定性が部位によって異なることが確認された。微生物学検査では、セレウス菌検査において食塩の添加で温度変化に強い安定な試料作製が可能となった。アレルギー検査では、卵タンパク質の測定を対象とした外部精度管理調査を試験的に実施し、おおむね良好な結果が得られた。組換えDNA食品では、Ct値を指標とした測定精度の推定を行える可能性が示された。
結論
加工食品における放射線検知の適否判断およびかび毒検査における試験法の有用性が検証された。また、理化学と微生物の検査における適正な外部精度管理調査試料の開発を進めることができた。
公開日・更新日
公開日
2013-06-24
更新日
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