文献情報
文献番号
201234014A
報告書区分
総括
研究課題名
食品を介したダイオキシン類等有害物質摂取量の評価とその手法開発に関する研究
課題番号
H22-食品-一般-017
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
松田 りえ子(国立医薬品食品衛生研究所 食品部)
研究分担者(所属機関)
- 渡邉 敬浩(国立医薬品食品衛生研究所 食品部 )
- 堤 智昭(国立医薬品食品衛生研究所 食品部 )
- 天倉 吉章(松山大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
67,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
種々の化学物質のヒトに対する暴露及びそれに伴う健康影響リスク評価と低減を目的とし,摂取量推定研究,摂取量推定のための方法論確立研究,摂取量推定を目的とした分析法開発研究を行った.
研究方法
摂取量推定研究では,トータルダイエット(TD)試料分析により,ダイオキシン類をはじめとする有害化学物質摂取量推定を行った.摂取量推定のための方法論確立研究では,有害化学物質濃度データ解析により,検出率が増加傾向にある農薬を見出し,GC-MS一斉分析法によるTD試料中の農薬等分析の性能評価を行った.水銀の毒性は有機水銀において高いため,有機水銀摂取量推定に使用可能なメチル水銀分析法の開発および妥当性評価を行った.有機水銀一斉分析法を開発し,38種の魚介類中のメチル水銀,エチル水銀,並びにフェニル水銀濃度の実態を調査した.摂取量推定を目的とした分析法開発研究高感度CALUXアッセイの評価を行い,HRGC/HRMS分析による毒性等量値と良好な相関が認められた.高感度CALUXアッセイによる天然成分のAhR活性評価を行った.食品中の水酸化PCB (OH-PCBs)の非誘導体化測定法及び多環芳香族炭化水素(PAHs)分析法を開発した.
結果と考察
摂取量推定研究結果:継続して実施しているDDT類,重金属類の摂取量は,近年の結果と同様であった.検出頻度,濃度の解析及び摂取量の対ADI比を考察し,農薬類の摂取量推定の終了,鉛,カドミウム,ヒ素の摂取量推定への新たな分析法の導入等による精密化,PCBと水銀摂取量の推定のための食品群の限定による効率化を図ることとした.ダイオキシン類の平均1日摂取量は0.69 pgTEQ/kg bw/dayであり,日本におけるTDIの約17%であった.
摂取量推定のための方法論確立研究結果:検出率が増加傾向にある農薬としてアセタミプリド等を見出し,GC-MS一斉分析法による農薬分析の性能評価を行った結果,試料作製の際にできる限り低濃度の食品を用いて調製すること,内部品質管理を取り入れた分析系として評価すること,試料の十分な均一化が重要であると結論された.メチル水銀分析法の妥当性を標準試料及び添加試料を用いて確認した.魚介類中の有機水銀一斉調査では,38試料中30試料からメチル水銀が検出され,エチル水銀やフェニル水銀は検出されなかった.一方,分析法の性能が実態調査の目的に適していなかったことが明らかとなった.
摂取量推定を目的とした分析法開発研究結果:高感度CALUXアッセイによる結果は,HRGC/HRMS分析による毒性等量値と良好な相関が認められた.ローズマリーエキス,オウゴン成分,天然由来成分38種,インドール骨格を有する天然化合物でAhR活性を見出した.天然物にAhR活性がみられたことから,食品中ダイオキシンのバイオアッセイ測定時には,天然AhR活性成分の影響を考慮したサンプル調製を行う必要性が示唆された.HRGC/HRMSによる水酸化PCB (OH-PCBs)の非誘導体化分析法を検討し,抽出液の硫酸処理と2種類の固相カラム精製により測定できることが示唆された.装置検出限界は0.02~0.2 pg,実際の魚試料中のOH-PCBsの濃度は,1~20 pg/gであった.燻製食品中に含まれるPAHs16種の分析法のPAHs含有実態調査への使用を目的に性能評価を実施した結果,真度が大きく外れ信頼性が乏しいPAHsが見られた.ベンゾ[a]ピレン(BAP)等の基準値への適合判定を目的とした性能評価の結果,BAPは評価した濃度における適合判定が可能であると考えられた.
摂取量推定のための方法論確立研究結果:検出率が増加傾向にある農薬としてアセタミプリド等を見出し,GC-MS一斉分析法による農薬分析の性能評価を行った結果,試料作製の際にできる限り低濃度の食品を用いて調製すること,内部品質管理を取り入れた分析系として評価すること,試料の十分な均一化が重要であると結論された.メチル水銀分析法の妥当性を標準試料及び添加試料を用いて確認した.魚介類中の有機水銀一斉調査では,38試料中30試料からメチル水銀が検出され,エチル水銀やフェニル水銀は検出されなかった.一方,分析法の性能が実態調査の目的に適していなかったことが明らかとなった.
摂取量推定を目的とした分析法開発研究結果:高感度CALUXアッセイによる結果は,HRGC/HRMS分析による毒性等量値と良好な相関が認められた.ローズマリーエキス,オウゴン成分,天然由来成分38種,インドール骨格を有する天然化合物でAhR活性を見出した.天然物にAhR活性がみられたことから,食品中ダイオキシンのバイオアッセイ測定時には,天然AhR活性成分の影響を考慮したサンプル調製を行う必要性が示唆された.HRGC/HRMSによる水酸化PCB (OH-PCBs)の非誘導体化分析法を検討し,抽出液の硫酸処理と2種類の固相カラム精製により測定できることが示唆された.装置検出限界は0.02~0.2 pg,実際の魚試料中のOH-PCBsの濃度は,1~20 pg/gであった.燻製食品中に含まれるPAHs16種の分析法のPAHs含有実態調査への使用を目的に性能評価を実施した結果,真度が大きく外れ信頼性が乏しいPAHsが見られた.ベンゾ[a]ピレン(BAP)等の基準値への適合判定を目的とした性能評価の結果,BAPは評価した濃度における適合判定が可能であると考えられた.
結論
摂取量推定研究:次期研究における有害物質摂取量推定の方針を定めた.ダイオキシン摂取量は経年的に減少傾向にあるが,食品の安全を確保するため,今後もダイオキシン類摂取に対する寄与が大きい魚介類,肉・卵類に重点を置いた調査を継続し,動向を見守る必要がある.
摂取量推定のための方法論確立研究:摂取量推定対象となる有害物質は食品に偏在している可能性があり,そのような場合の分析法評価試料調製留意点を明らかにした.開発したメチル水銀分析法の妥当性が確認された.有機水銀一斉分析法には改良が必要であった.
摂取量推定を目的とした分析法開発研究:高感度CALUXアッセイ,水酸化PCB (OH-PCBs)の非誘導体化測定法,PAHs16種の分析法を開発し,その性能を評価した.
摂取量推定のための方法論確立研究:摂取量推定対象となる有害物質は食品に偏在している可能性があり,そのような場合の分析法評価試料調製留意点を明らかにした.開発したメチル水銀分析法の妥当性が確認された.有機水銀一斉分析法には改良が必要であった.
摂取量推定を目的とした分析法開発研究:高感度CALUXアッセイ,水酸化PCB (OH-PCBs)の非誘導体化測定法,PAHs16種の分析法を開発し,その性能を評価した.
公開日・更新日
公開日
2013-06-24
更新日
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