医師等による就業上の措置に関する意見のあり方等についての調査研究

文献情報

文献番号
201233004A
報告書区分
総括
研究課題名
医師等による就業上の措置に関する意見のあり方等についての調査研究
課題番号
H22-労働-一般-004
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
森 晃爾(産業医科大学 産業生態科学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 大久保 靖司(東京大学 環境安全本部)
  • 安部 治彦(産業医科大学 医学部)
  • 藤野 善久(産業医科大学 医学部)
  • 茅嶋 康太郎(産業医科大学 産業医実務研修センター)
  • 立石 清一郎(産業医科大学 産業医実務研修センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
5,950,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
一般定期健康診断の結果、医師等による就業上の措置に関する意見に基づき、事業者が適切な事後措置を実施できるよう、そのあり方等について検討を行うことを目的とし、前2年間の研究成果をもとに必要なエビデンスや事例の整理、及びまとめを行う。
研究方法
就業措置に関するエビデンスをまとめることとして、心臓突然死と一過性意識消失のリスク評価、心臓植込み型デバイス植込み・失神およびてんかん患者の自動車運転制限についての検討、健康診断の有所見者に対する産業医による就業上の意見に関する実態およびコンセンサス調査を行った。また、適切な対応ができる医師(産業医)等の確保のために、日本医師会認定産業医向けおよび産業衛生専門医向けの研修プログラムを作成した。その上で、3年間の研究成果をまとめたWebページを作成した。
結果と考察
「心臓突然死と一過性意識消失のリスク評価」について、職場で発生した場合にリスクが高いと考えられる、心臓突然死や失神などの疾患を取り扱う循環器内科疾患を例に挙げて検討した。「心臓植込み型デバイス植込み・失神およびてんかん患者の自動車運転」について、健診の事後措置において適切かつ容易に運用可能なWebページコンテンツを作成した。「健康診断の有所見者に対して、健康管理を行う事を目的とした、産業医による就業上の意見に関する実態調査、およびコンセンサス調査」を調査票によるデルファイ法(3回実施)を用いて行い、一定のコンセンサスを得た。「医師会認定産業医向けの研修プログラム」を開発し、その有効性を検討した。「産業衛生専門医向けの研修プログラム」として、事例検討のためのツールを開発した。「企業外労働衛生機関の健康診断事後措置への関与」について、大規模な労働衛生機関を対象に調査を行った。「英国における就業支援制度-Fit Notes Statement」に関して調査を行い、考え方を整理した。
結論
3年間の研究班で得られた知見に基づき、事業者が労働者の健康状態に基づき就業上の措置を適正に行うためのあり方と課題について、「就業上の措置を適正に行うための手引き」と「産業医等が事業者に対して適切な就業上の意見を述べるために必要な事項(提言案)」をまとめた。また、研究成果をWebサイトにまとめて公開した。

公開日・更新日

公開日
2013-10-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
201233004B
報告書区分
総合
研究課題名
医師等による就業上の措置に関する意見のあり方等についての調査研究
課題番号
H22-労働-一般-004
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
森 晃爾(産業医科大学 産業生態科学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 大久保 靖司(東京大学 環境安全本部)
  • 安部 治彦(産業医科大学 医学部)
  • 藤野 善久(産業医科大学 医学部)
  • 茅嶋 康太郎(産業医科大学 産業医実務研修センター)
  • 立石 清一郎(産業医科大学 産業医実務研修センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
一般定期健康診断の結果、医師等による就業上の措置に関する意見に基づき、事業者が適切な事後措置を実施できるよう、そのあり方等について検討を行うことを目的とした、
研究方法
適切な就業上の措置の実施のためには、適切な手順、エビデンスに基づく参考基準、適切な対応ができる医師(産業医)等の確保、事後措置の重要性に対する事業者の理解が不可欠である。そこでまず、事業場において実施されている医師等による就業上の措置に関する意見の実態や文献について様々な視点から調査を行った。その過程で収集された事例を分析した結果、就業上の措置に関する医師の意見については、その目的によって5つの類型(類型1:就業が疾病経過に影響を与える場合の配慮、類型2:事故・公衆災害リスクの予防、類型3:健康管理(保健指導・受診勧奨)、類型4:企業・職場への注意喚起・コミュニケーション、類型5:適性判断)に分類される可能性が示唆された。また、産業医の選任義務のない小規模な事業場で、健康診断を行った企業外労働衛生機関や医療機関の医師等が就業上の意見を述べることを可能とする条件について検討した。
結果と考察
5つの類型のうち、類型1については担当医とのコミュニケーションツール、類型2については失神や突然死の発生リスクに関するエビデンス情報、類型3については就業措置を検討する数値に関する産業医間のコンセンサス情報が必要と考えられた。そこで、担当医とのコミュニケーションツールを作成するとともに、エビデンス情報の収集・整理を行った。また、健康診断の事後措置として就業上の措置を検討する検査項目と数値についてデルファイ法を用いてコンセンサス情報を取りまとめた。これら収集・整理された情報に基づいて職務適性の評価と就業上の措置に関する意見を行うことができる医師を養成するための研修プログラムの作成を作成した。
結論
すべての労働者を対象として、事業者が医師から適切な就業上の意見を聴取できるための課題と検討の方向性を提言としてまとめるとともに、3年間の成果を統合したWebページを作成して公表した。

公開日・更新日

公開日
2013-10-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201233004C

成果

専門的・学術的観点からの成果
成果は産業衛生学会誌および関連学会で発表した。
臨床的観点からの成果
開発された研修プログラムについて、健康診断の事後措置が多くの事業場で適切に実施されるよう、日本医師会認定産業医制度の研修会において、継続的に活用している。
ガイドライン等の開発
第2回労働安全衛生法に基づく定期健康診断等のあり方に関する検討会で、研究結果を報告した。
平成28年3月9日
その他行政的観点からの成果
該当なし
その他のインパクト
該当なし

発表件数

原著論文(和文)
1件
産業衛生学雑誌
原著論文(英文等)
1件
Journal of Occupational Health
その他論文(和文)
5件
日本産業衛生学会誌、労働の科学、日本医事新報、心電図他
その他論文(英文等)
3件
Circulation Journal, Journal Arrhythimia (Editorial)
学会発表(国内学会)
18件
日本産業衛生学会、日本循環器学会、日本てんかん学会、日本不整脈学会他
学会発表(国際学会等)
14件
6th International Conference on Occupational Health, CarioRhyshm 2011 etc
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
藤野善久、高橋直樹、横川智子他
産業医が実施する就業措置の文脈に関する質的調査
産業衛生学雑誌 , 54 (6) , 267-275  (2012)
原著論文2
Seiichiro Tateishi, Mariko Watase, Yoshihisa Fujino, et al.
The opinions of occupational physicians about maintaining healthy workers by means of medical examinations in Japan using the Delphi method
Journal of Occupational Health , 58 (1) , 72-80  (2015)

公開日・更新日

公開日
2019-06-14
更新日
-

収支報告書

文献番号
201233004Z