外国人患者の受け入れに関する医療機関の整備に関する研究

文献情報

文献番号
201232041A
報告書区分
総括
研究課題名
外国人患者の受け入れに関する医療機関の整備に関する研究
課題番号
H24-医療-指定-034
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
遠藤 弘良(東京女子医科大学 国際環境・熱帯医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 岡村 世里奈(国際医療福祉大学)
  • 遠矢 雅史((財)日本医療機能評価機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
2,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本における国際医療交流の推進に資するためには外国人を受入れる医療機関の整備が必要となる。①平成24年度から開始された「外国人患者受入れ医療機関認証制度」について、その質、透明性、公平性の検証、②年々大きく変化する、いわゆるメディカルツーリズムをめぐる最新の国際情勢の把握、そして③研究活動の成果を医療関係者のみならず、広く一般への提供と国際医療交流と受入れ医療機関の在り方に関する意見交換、を目的とした。
研究方法
1)外国人患者受入医療機関認証制度の質の検証と受審病院等の変化について
日本医療機能評価機構の「評価機能審査手順書」、Joint Commission Internationalの「JCI審査手順書」ならびに日本医療教育財団の「外国人患者受入れ認証制度認定調査員研修テキスト」等を比較検討した。また「外国人患者を受け入れる医療機関の機能と要件」をもとに「外国人患者受入れ認証制度認定調査員研修テキスト」の評価項目を比較検討した。さらに今年度認証の審査を受けた2病院について訪問調査に同行し、審査手順等について検証を行い、病院の職員からのヒアリングも行った。
(2)医療をめぐる国際情勢の把握
国際医療交流(Medical Tourism)に関する英語書籍ならびにPubMedに収録されている学術論文の収集・分析を行った。また医療の国際化に関する国際会議「The 5th World Medical Tourism & Global Healthcare Conferences」(2012年10月24日~26日)に出席して、医療の国際化をめぐる国際動向や国際的課題等について同じく情報収集・分析を行った。
(3)シンポジウムの開催
平成24年12月2日に東京女子医科大学において医療機関の国際化に関するシンポジウム「医療のグローバル化と日本の医療機関」を開催した。
結果と考察
(1)「認証制度」は医療機関の情報を把握する仕組みや審査の質を確保する仕組みについて、実績のある認証組織で行われている仕組みと多くの点で一致していることが確認され、評価項目については先行研究で把握の必要された領域を含んだものとなっていた。
(2)国際情勢については、①国際医療交流の主な受け入れ国としては20か国ぐらいがあり国内の医療事情や地理的状況に応じてそれぞれ特徴的な国際医療交流を実施していること、②これまでその成長産業としての側面に関心が向けられていたが、最近ではそのプラス面やマイナス面あるいは外国人患者の受入国や送出国に与える影響等、エビデンスに基づいた評価の必要性が強調されるようになってきていること、③課題としては、正確なデータ収集の必要性、患者の安全性を担保するためのファシリテーターや医療機関の国際的な評価基準構築の必要性、遠隔医療に関する規制の問題、患者の国際移動に伴う感染症リスク対策、臓器売買など倫理上の問題への対応、等に関する議論が盛んになっていることが明らかとなった。
 (3)「医療のグローバル化と日本の医療機関」と題してシンポジウムを開催した。幅広い分野から約250名近くが参加した。
結論
(1)日本医療教育財団に対し、認証制度の改善のための具体的な提言を行って行く予定である。また、受審病院の変化については、認証後一定期間後のフォローならびに、より多くの受審病院における検証を行いたい。
(2)医療をめぐる国際情勢について得られた成果は各種メディアを通じて広報するとともに、政策提言も行って行く予定である。
(3)シンポジウムの内容をインターネット上において公開し、また検討された内容を次年度の研究課題とする予定である。

公開日・更新日

公開日
2013-05-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201232041C

成果

専門的・学術的観点からの成果
「外国人患者受入れ医療機関認証制度」は医療機関の情報を把握する仕組みや審査の質を確保する仕組みについて、実績のある認証組織で行われている仕組みと多くの点で一致していることが確認され、評価項目については先行研究で把握の必要された領域を含んだものとなっていることが判明した。国際医療交流に関してはこれまで成長産業としての側面に関心が向けられていたが、最近では外国人患者の受入国や送出国に与える影響等、エビデンスに基づいた評価の必要性が強調されるようになってきていることも判明した。
臨床的観点からの成果
特になし。
ガイドライン等の開発
特になし。
その他行政的観点からの成果
「外国人患者受入れ医療機関認証制度」の評価結果は今後の同認証制度の普及・改善に活用されるものと考えられる。
その他のインパクト
「医療のグローバル化と日本の医療機関」と題してシンポジウムを開催した。国際医療交流に関心のある医療機関や研究機関、医薬品・医療機器メーカーや旅行会社、翻訳業、コンサルタント会社、建設会社、行政、出版・報道などから幅広い分野から約250名近くが参加した。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件
「医療のグローバル化と日本の医療機関」と題してシンポジウムを開催

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2019-05-22
更新日
-

収支報告書

文献番号
201232041Z