中小医療施設における感染制御策の質向上を目指す支援体制についての研究

文献情報

文献番号
201232004A
報告書区分
総括
研究課題名
中小医療施設における感染制御策の質向上を目指す支援体制についての研究
課題番号
H23-医療-一般-005
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
小林 寛伊(東京医療保健大学)
研究分担者(所属機関)
  • 木村 哲(東京逓信病院 病院感染対策/内科)
  • 森屋 恭爾(東京大学医学部 感染制御学講座 感染制御学)
  • 賀来 満夫(東北大学大学院 医学系研究科 感染制御学)
  • 大久保 憲(東京医療保健大学 医療保健学部 医療情報学科 /大学院 感染制御学)
  • 尾家 重治(山口大学医学部附属病院 医療薬剤学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
中小医療施設における感染制御策の質向上を目指す支援体制として、以下の6項目 ①施設内指針遵守のためのチェックリストの実用評価 ②アウトブレイク発生時の特定方法ならびに原因追求に関する指針案への改善改定 ③中小医療施設との効果的協同ラウンド ④インフェクション・コントロール・ナース(ICN)およびインフェクション・コントロール・ドクター(ICD)の日常業務必要時間の算定 ⑤感染対策地域支援 ネットワーク ⑥感染制御実践看護学講座(6ヶ月研修)の一般化と中小医療施設教育への寄与 を総合的に検討した。これらにより、感染制御策の質向上に寄与することを目的とした。
研究方法
①は、2007年度より取組み試行、改善を繰り返し、最終的に50項目に圧縮整理をして、各施設での有効活用に供してきた インフェクション・コントロール・チーム・ラウンド時の介入項目リスト intervention item list(IIL)を社団法人日本病院会感染制御講習会(ICS講習会)および、感染制御実践看護学講座(6ヵ月研修)受講生に説明し、試用評価を求めた。ICS講習会受講生に対しては、その結果介入したか、改善が見られたかの回答も求めた。 ②は、アウトブレイクの早期特定と原因追究のための効果的指針案に検討を重ねて改訂を試みた。今回は特に、今までの報告に加え、実例の表示と解説を試みた。③は、感染制御実践看護学講座(6ヶ月研修)のカリキュラムである自施設実習についての受講生の全報告(PP)から、その効果を示す改善点を読み取って、まとめた。さらに、訪問ラウンドの際に統一的かつ包括的な指導が可能となるよう、訪問ラウンド時におけるチェックリストを開発した。④は、1年目の東京医療保健大学大学院感染制御実践看護学講座の受講生を対象としたDelphi法による調査結果に加え、インフェクション・コントロール・ドクター(ICD)を対象に、Delphi法を用いた調査をおこなうと共に、看護協会が認定している感染管理認定看護師 Certified Nurse in Infection Control(CNIC)に調査を実施し、このそれぞれの調査結果について比較検討を加え、現段階において、何床当たり1人のICD、CNICが必要かを算定した。⑤は、感染防止対策加算による地域支援ネットワーク状況について、平成24(2012)年に、全国8か所の地方厚生局HPに公表された「届出受理医療機関名簿」により、感染防止対策加算1を平成24年4月1日に算定し届け出た898施設を対象に、調査表を郵送し、回収した記名自記式の調査用紙を分析した。⑥は、2010年度第1回より始まった感染制御実践看護学講座(感染防止対策加算の専従または専任看護師の条件となっている、6ヶ月研修として厚生労働省より認められた講座)は、2012年度第3回までに、55名の修了生を輩出してきた。 この修了生に対し、現状での業務情況を調査した。
結果と考察
感染制御策を専門とする先進的な研究者に分担、かつ、協力を仰ぎおこなわれた当研究は6つもの施策を総合的に関連性を持たせてまとめ上げられ、中小医療施設における感染制御策の質向上を目指す支援体制として、大きく前進を遂げた。 このように具体的な感染制御策をいくつも組み合わせて特に中小医療施設の支援をおこなう試みはいまだ見ておらず、これら一連の施策が大きく役立つものと確信する。特に急速に前進しはじめた地域連携の中で、効果的に活用されることを期待している。
結論
6項目にもわたる幅広い視野に立った施策を効果的に組み合わせた本研究は、専門のインフェクション・コントロール・ドクター(ICD)/インフェクション・コントロール・ナース(ICN)のいない施設でも、具体的な現場での介入の方法に 普遍性を持たせ、知識獲得のツールをも提供し、誰でも効果的に取り組める感染制御体制を提供するものとなった。 これは本研究の目的である、中小医療施設における感染制御策の質向上に大いに寄与した。国内の82%にもおよぶ中小医療施設の感染制御策の質向上は、日本における医療安全に資すること多大であり、患者サービスに大きく貢献する。

公開日・更新日

公開日
2013-06-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
201232004B
報告書区分
総合
研究課題名
中小医療施設における感染制御策の質向上を目指す支援体制についての研究
課題番号
H23-医療-一般-005
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
小林 寛伊(東京医療保健大学)
研究分担者(所属機関)
  • 木村 哲(東京逓信病院 病院感染対策/内科)
  • 森屋 恭爾(東京大学医学部 感染制御学講座 感染制御学)
  • 賀来 満夫(東北大学大学院 医学系研究科 感染制御学)
  • 大久保 憲(東京医療保健大学 医療情報学科 /大学院 感染制御学)
  • 尾家 重治(山口大学医学部附属病院 医療薬剤学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
中小医療施設における感染制御策の質向上を目指す支援体制として、以下の8項目 ①施設内指針遵守のためのチェックリストの実用評価 ②感染制御策遵守のためのe-learning ③感染制御策の質向上を目指す教育的DVD ④アウトブレイク発生時の特定方法ならびに原因追求に関する指針案への改善改定 ⑤中小医療施設との効果的協同ラウンド ⑥インフェクション・コントロール・ナース(ICN)およびインフェクション・コントロール・ドクター(ICD)の日常業務必要時間の算定 ⑦感染対策地域支援ネットワーク ⑧感染制御実践看護学講座(6ヶ月研修)の一般化と中小医療施設教育への寄与 を総合的に検討した。これらにより、感染制御策の質向上に寄与することを目的とした。
研究方法
①は2007年度より取組み試行、改善を繰り返し、最終的に50項目に圧縮整理をして、各施設での有効活用に供してきた インフェクション・コントロール・チーム・ラウンド時の介入項目リスト intervention item list(IIL)を社団法人日本病院会感染制御講習会(ICS講習会)および、感染制御実践看護学講座(6ヵ月研修)受講生に説明し、試用評価を求めた。ICS講習会受講生に対しては、その結果介入したか、改善が見られたかの回答も求めた。 ②は教育啓発教材としての3つのe-learningを作成、公開し、現場感染制御策、特に専門家のいない中小医療施設の質向上に寄与した。 ③は、2つのDVDを作成し、東京医療保健大学大学院ホームページに掲載し公開した。④アウトブレイクの早期特定と原因追究のための効果的指針案に検討を重ねて改訂を試みた。今回は特に、今までの報告に加え、実例の表示と解説を試みた。 ⑤は感染制御実践看護学講座(6ヶ月研修)のカリキュラムである自施設実習についての受講生の全報告(PP)から、その効果を示す改善点を読み取って、まとめた。さらに、訪問ラウンドの際に統一的かつ包括的な指導が可能となるよう、訪問ラウンド時におけるチェックリストを開発した。 ⑥は、1年目の東京医療保健大学大学院感染制御実践看護学講座の受講生を対象としたDelphi法による調査結果に加え、インフェクション・コントロール・ドクター(ICD)を対象に、Delphi法を用いた調査をおこなうと共に、看護協会が認定している感染管理認定看護師 Certified Nurse in Infection Control(CNIC)に調査を実施し、このそれぞれの調査結果について比較検討を加え、現段階において、何床当たり1人のICD、CNICが必要かを算定した。 ⑦は、感染防止対策加算による地域支援ネットワーク状況について、平成24(2012)年に、全国8か所の地方厚生局HPに公表された「届出受理医療機関名簿」により、感染防止対策加算1を平成24年4月1日に算定し届け出た898施設を対象に、調査表を郵送し、回収した記名自記式の調査用紙を分析した。⑧は2010年度第1回より始まった感染制御実践看護学講座(感染防止対策加算の専従または専任看護師の条件となっている、6ヶ月研修として厚生労働省より認められた講座)は、2012年度第3回までに、55名の修了生を輩出してきた。 この修了生に対し、現状での業務情況を調査した。
結果と考察
感染制御策を専門とする先進的な研究者に分担、かつ、協力を仰ぎおこなわれた当研究は6つもの施策を総合的に関連性を持たせてまとめ上げられ、中小医療施設における感染制御策の質向上を目指す支援体制として、大きく前進を遂げた。 このように具体的な感染制御策をいくつも組み合わせて特に中小医療施設の支援をおこなう試みはいまだ見ておらず、これら一連の施策が大きく役立つものと確信する。特に急速に前進しはじめた地域連携の中で、効果的に活用されることを期待している。
結論
8項目にもわたる幅広い視野に立った施策を効果的に組み合わせた本研究は、専門のインフェクション・コントロール・ドクター(ICD)/インフェクション・コントロール・ナース(ICN)のいない施設でも、具体的な現場での介入の方法に 普遍性を持たせ、知識獲得のツールをも提供し、誰でも効果的に取り組める感染制御体制を提供するものとなった。 これは本研究の目的である、中小医療施設における感染制御策の質向上に大いに寄与した。国内の82%にもおよぶ、中小医療施設の感染制御策の質向上は、日本における医療安全に資すること多大であり、患者サービスに大きく貢献する。

公開日・更新日

公開日
2013-06-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201232004C

成果

専門的・学術的観点からの成果
感染制御体制の質向上、特に300床未満の中小医療施設対象。
臨床的観点からの成果
・日本に適した感染制御策の質向上。
・インフェクション・コントロール・チーム(ICT)ラウンド時介入リスト
 Intervention Item List( IIL )
・インフェクション・コントロール・ナース(ICN)/インフェクション・コントロール・ドクター(ICD) の日常業務必要時間に基づく算定
ガイドライン等の開発
アウトブレイク発生時の特定方法ならびに一時的対応に関する指針案‐Ⅲ
―感染症治療にはここでは言及せずー(2012年度案 2013年4月)
その他行政的観点からの成果
2005年以来、厚生労働省 院内感染対策中央会議の議を経ておこなってきた、日本環境感染学会認定教育施設を中心とする、感染対策地域支援ネットワーク作りに勤めてきたが、これをもとに、2012年に始まった感染防止対策加算により、急速に発展した。地域支援ネットワーク状況について、平成24(2012)年に当研究としておこなった、全国8か所の地方厚生局HPに公表された「届出受理医療機関名簿」により、898施設を対象とした感染防止対策加算1の調査では、その成果が如実にあらわれている。
その他のインパクト
平成24年度 第5回東京医療保健大学大学院公開講座 於:時事通信ホール  基調講演「感染制御策の向上を目指してー今、何をすべきかー」小林寬伊  研究発表「インフェクション・コントロール・ナース(ICN)の必要人数」中田諭  研究発表「感染制御実践看護学講座を終えて 改善できた点、改善できなかった点」 萱島すが等

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
2件
小林寬伊, 中田諭. ICN業務必要時間. 医療関連感染2011;4:25-29. 小林寬伊. 中小病院との協同ラウンド 第1回感染制御実践看護学講座受講生の意見.同誌2011;4:34-63.
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
第28回日本環境感染学会総会 2013年3月1日 於:パシフィコ横浜  シンポジウム1「診療報酬改定により進められた院内感染対策地域連携の現状と問題点」 特別発言:小林寬伊
学会発表(国際学会等)
1件
第11回東アジア感染制御カンファレンス 2012年11月15日開催 於:東京ビックサイト Keynote lecture: Update on Strategies for ・・・小林寛伊
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
5件
感染対策と医療経済 木村哲  医療関連感染対策に必要な基礎知識 森屋恭爾  器材の消毒の実際 尾家重治  病院の建築設備的感染制御策とその運用 小林寛伊  感染制御の過去・現在・未来 小林寛伊

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-09
更新日
-

収支報告書

文献番号
201232004Z