診断困難な(原因不明の)出血性後天性凝固異常症の総合的診療指針の作成

文献情報

文献番号
201231153A
報告書区分
総括
研究課題名
診断困難な(原因不明の)出血性後天性凝固異常症の総合的診療指針の作成
課題番号
H24-難治等(難)-一般-052
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
一瀬 白帝(山形大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 惣宇利 正善(山形大学 医学部)
  • 尾崎 司(山形大学 医学部)
  • 松下 正(名古屋大学 医学部)
  • 浦野 哲盟(浜松医科大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患克服研究)
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
6,175,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 人口の高齢化と共に増加しつつある出血性後天性凝固異常症は、一般凝固検査でスクリーニングが容易なものと困難なものに分類され、前者は比較的容易に診療可能であるが、後者は臨床現場では原因不明の出血とされ易い。そこで、後者の実態を初めて調査して、迅速な検査と診断のアルゴリズムを構築して、本疾患群の総合的診断基準と治療指針を作成することが本研究の目的である。
研究方法
 平成24年度の本研究は、代表者1名、分担者4名、協力者27名の体制で実施した。調査活動を広報し、全国アンケート調査で症例の発掘/集積を開始して、基礎疾患の同定、抗体の検出、作用機序の同定、新しい凝固因子抗体検査法の開発等を行った。平成25年3月31日現在で23例とその家族についてコンサルテーションと種々の検査を行って診断、治療を実施した。また、平成23年7月に、特に後天性血友病XIII(13)の治療に不可欠なXIII(13)因子濃縮製剤の保険適応外申請を提出しており、平成24年12月の厚生労働省担当部署の問合せに対応して、XIII(13)因子濃縮製剤の投与量についての緊急調査(メールアンケート)を実施して回答した。その後、3月25日付で保険適応と厚生労働省の会議にて判断された。
 なお、本研究の特別精密検査は、山形大学医学部倫理委員会の承認と主治医が症例や家族から同意文書を得て実施している。
結果と考察
(1)調査広報
 本疾患群の広報、アンケート調査、研究成果の発表等、計画通りに順調に進行している。ただし、後天性血友病XIII(13)の知名度が上がったと思われるのにも拘らず、全国調査のアンケート回答率が平成23年度18.1%から18.8%への微増に留まっている。これは、1) 班研究のタイトルがインパクトのない平凡なものに変わったこと、2) 予算上の理由からインセンティブをなくしたこと、3) 4つの診療科に依頼しているが、結局、血液内科に回されることが多いので母数が最大3-4倍になっていることが主な原因であると思われる。
(2)血栓止血学的臨床研究
 症例のスクリーニング、診断方法の検討、止血療法の検討、免疫抑制療法の検討、代替的止血療法の検討も順調に進行しつつある。
(3)分子病態学的研究
 インヒビターの同定、迅速インヒビター検査の開発、抗線溶反応のグローバルな検査法の開発は順調に達成されつつある。
結論
 上述したように、殆どの目標は達成しつつある。次年度に向けて更にデータを蓄積し、目標を達成する予定である。

公開日・更新日

公開日
2013-06-06
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201231153Z