性分化疾患の実態把握と病態解明ならびに標準的診断・治療指針の作成

文献情報

文献番号
201231149A
報告書区分
総括
研究課題名
性分化疾患の実態把握と病態解明ならびに標準的診断・治療指針の作成
課題番号
H24-難治等(難)-一般-048
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
緒方 勤(浜松医科大学 小児科)
研究分担者(所属機関)
  • 堀川 玲子(国立成育医療研究センター 内分泌代謝科)
  • 有阪 治(獨協医科大学 小児科)
  • 島田 憲次(大阪府立母子保健総合医療センター 泌尿器科)
  • 中井 秀郎(自治医科大学 小児泌尿器科)
  • 深見 真紀(国立成育医療研究センター研究所 分子内分泌研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患克服研究)
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
6,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、性分化疾患の実態把握と病態解明ならびに標準的診断・治療指針の作成である。その背景として、性分化疾患が、社会的性の決定を必要とする新生児期の医学的救急疾患であるのみならず、思春期発来障害、性腺腫瘍易発症性、性同一性障害、不妊症などを招く難病であることが挙げられる。
研究方法
関連する倫理的事項を遵守して実態把握のアンケート調査や遺伝子解析を行った。遺伝子解析は、当該施設の倫理委員会承認を受けている。
結果と考察
以下の成果が挙げられた。第一に、性分化疾患診療の現状分析と集学的医療・医療の均てん化の実現のために、(1) 性分化疾患の内科的診療に関する全国アンケート調査(そのデータを現在解析中)(堀川、緒方)、(2) 性分化疾患の外科的診療に関する全国アンケート調査(そのデータを現在解析中)(中井)、(3) 性分化疾患相談医の設置(緒方、堀川、島田、中井)、(4) インターネットを使った多施設合同カンファレンスの試行(緒方、堀川、島田、深見)をおこなった。第二に、性分化疾患に関する情報発信と啓蒙活動のために、(1) 性分化疾患に関する内科的診断・治療の手引き(WEBぺージ・DVD)作成の分担決定(緒方、堀川)、(2) 性分化疾患に関する外科的診断・治療の手引き(WEBぺージ・DVD)作成の分担決定(島田、中井)、(3) 性線腫瘍発症リスクのまとめ(緒方、堀川)、(4) 資料配布(緒方、堀川、島田)、(5) 研究班ホームページの設置(緒方、深見)を行った。第三に、脳の性分化に関する研究では、(1) 性自認の現状に関する実態調査(緒方、深見)(日本小児科雑誌投稿中)、(2) 思春期・成人期の性自認調査(有阪)、(3) 脳の性分化に関するまとめ(緒方)を行った。第四に、遺伝子解析による病態解明では、(1) 次世代シークエンサーを用いた解析(深見)、(2) ゲノムワイドアレイCGH解析(緒方、深見)、(3) 新規男性ホルモン産生経路Backdoor Pathwayの解析(緒方、深見)を行っている。さらに、関連組織との連携では、(1) 関連学会との連携(全員)、(2) 患者会との連携(堀川、島田)(従来からの患者会と、今年発足した患者会)、(3)他の関連研究グループとの連携(緒方、深見)を進めている。
結論
上記の成果に記したように、本研究班は、平成21年度から実施された厚生労働科研費難治疾患克服研究事業における多くの成果を引き継ぎ、最終的に「性分化疾患の実態把握と病態解明ならびに標準的診断・治療指針の作成」に必要とされる性分化疾患診療の現状分析と集学的医療・医療の均てん化の実現、性分化疾患に関する情報発信と啓蒙活動、脳の性分化に関する研究、遺伝子解析による病態解明、関連組織との連携が十分に進んでいる。

公開日・更新日

公開日
2013-05-09
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201231149Z