多発性硬化症の新規免疫修飾薬を検証する医師主導治験

文献情報

文献番号
201231108A
報告書区分
総括
研究課題名
多発性硬化症の新規免疫修飾薬を検証する医師主導治験
課題番号
H24-難治等(難)-一般-007
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
山村 隆(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 神経研究所免疫研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 小川雅文(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院神経内科)
  • 佐藤典子(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院放射線診療部)
  • 立石智則(独立行政法人国立精神・神経医療研究センタートランスレーショナルメディカルセンター臨床研究支援室)
  • 三宅幸子(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター神経研究所免疫研究部)
  • 大木伸司(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター神経研究所免疫研究部)
  • 荒浪利昌(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター神経研究所免疫研究部)
  • 佐藤準一(明治薬科大学薬学部 バイオインフォマティクス)
  • 案浦洋一(アスビオファーマ株式会社生物医学研究所創薬化学研究部)
  • 木村円(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター、トランスレーショナル・メディカルセンター臨床研究支援部)
  • 福田 昂一(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター、トランスレーショナル・メディカルセンター臨床研究支援部)
  • 米本直裕(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター、トランスレーショナル・メディカルセンター情報管理・解析部)
  • 服部正平(東京大学大学院新領域創成科学研究科 ゲノム微生物学)
  • 村田美穂(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患克服研究)
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
237,308,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
多発性硬化症(MS)は若年で発症する慢性の中枢神経系炎症疾患である。MSは終生に及ぶ医療介入の対象になるが、インターフェロンβなどの従来薬の効果は限定的であり、分子標的医薬には長期投与を躊躇させる重大な副作用(PML、悪性腫瘍など)がある。本研究の目的は、NCNPで開発した新規糖脂質医薬OCHの安全性および薬効確認のための臨床試験を、健常者およびMS患者を対象とする医師主導治験として実施し、OCHの医薬品開発を加速することにある。OCHが実用化されれば治療法の選択肢が増加し、発症早期から治療を受ける患者数が増加し、それは予後の改善、介護費用の削減や労働人口の増加にもつながる。
研究方法
臨床試験を実施するために必要な非臨床試験、臨床試験実施体制の整備等を進め、OCHのFirst in human試験を「早期探索的臨床試験」として、国立精神・神経医療研究センター病院およびクラスター病棟で実施する。平成24年度の「早期探索的臨床試験」では、健常被験者を対象とする非盲検用量比較試験を実施し、薬物動態を評価する。研究所ではフローサイトメーターやDNAマイクロアレイを用いて、疾患活動性を反映する血液バイオマーカーのOCH投与による変化を明らかにし、バイオマーカー評価法や投与プロトコール策定に有用な情報を収集する。
結果と考察
一群3例の健常者を対象とする医師主導治験(OCH経口単回投与試験)を、NCNP病院、クラスター病棟で実施した。計12例について、安全かつプロトコールを遵守した臨床試験が終了し、薬効や投与方法に関する重要な知見が得られた(詳細は現時点では非公開)。
結論
OCH医師主導知見(First in human試験)を実施し、OCHの安全性および有用性が確認された。国立研究所で芽生えた医薬品シーズをもとに、医薬品開発をするという目標に向かって、大きな前進が見られたと言える。

公開日・更新日

公開日
2013-05-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201231108Z