文献情報
文献番号
201231072A
報告書区分
総括
研究課題名
ヤング・シンプソン症候群の病態解明と医療管理指針作成に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H23-難治-一般-093
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
黒澤 健司(地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター 遺伝科)
研究分担者(所属機関)
- 升野 光雄(川崎医療福祉大学医療福祉学部医療福祉学科)
- 山内 泰子(川崎医療福祉大学医療福祉学部医療福祉学科)
- 近藤 達郎(社会福祉法人聖家族会重症心身障害児施設みさかえの園むつみの家)
- 水野 誠司(愛知県心身障害者コロニー中央病院)
- 安達 昌功(地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター 内分泌代謝科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患克服研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
ヤング・シンプソン症候群は、特異顔貌、先天性心疾患、甲状腺機能低下症、重度精神遅滞を特徴とし(Young & Simpson, 1987)、当研究組織の研究者らによる報告(Masuno, Am J Med Genet, 1999; Kondoh, Am J Med Genet, 2000)により疾患概念が確立した先天奇形症候群である。平成23年度には、診断基準を作成、ウェブ上の情報公開、Exome解析(trio解析)による責任遺伝子KAT6Bの同定、全国2次調査による病態の解明、生体試料保存として5家系の株化リンパ芽球の保存、を行った。これまでの研究成果を踏まえ、1)ヤング・シンプソン症候群の診断基準に基づいた正しい診断による疑い例再評価、2)遺伝子診断に基づいた臨床症状の再評価、医療管理指針の見直し、3)遺伝子型-表現型の相関の解明、などを目的とした。
研究方法
1)ヤング・シンプソン症候群変異未検出例における探索的Exome解析
父母のexome解析を同時に行うtrio解析の方法を採用した。exome解析に関する方法論の概要は、ほぼ昨年と同様である。
2)ヒストン修飾異常症としてのヤング・シンプソン症候群とRubinstein-Taybi症候群の臨床像の比較検討
遺伝子解析診断確定症例5例の臨床症状とRubinstein-Taybi症候群症例の臨床特徴を比較し、文献的考察を加えた。
3)先天性奇形症候群の地域ベースでのサポート体制に関する研究
シンポジウムは、長崎大学市民公開講座として周知された。当日来られた方々にアンケート調査おこなった。
4)Young-Simpson症候群と類似した特徴を有した16p13.3重複症候群の女児例の臨床像に関する研究
眼瞼裂狭小と精神遅滞を有する3歳女児。遺伝学的検査としてのマイクロアレイ解析の結果及び過去の報告情報を交えて考察した。
5)ヤング・シンプソン症候群の内分泌学的特性の検討-3-
自験の症例につき、詳細な性腺機能の検討を行った。
6)希少難病の健康管理を目的とした症候群カードの作成
疾患についての情報が少ない希少疾患の患者家族や関わる方々の支援を目的に、「YOUNG-SYMPSON SYNDROME CARE CARD」を考案に至った。
父母のexome解析を同時に行うtrio解析の方法を採用した。exome解析に関する方法論の概要は、ほぼ昨年と同様である。
2)ヒストン修飾異常症としてのヤング・シンプソン症候群とRubinstein-Taybi症候群の臨床像の比較検討
遺伝子解析診断確定症例5例の臨床症状とRubinstein-Taybi症候群症例の臨床特徴を比較し、文献的考察を加えた。
3)先天性奇形症候群の地域ベースでのサポート体制に関する研究
シンポジウムは、長崎大学市民公開講座として周知された。当日来られた方々にアンケート調査おこなった。
4)Young-Simpson症候群と類似した特徴を有した16p13.3重複症候群の女児例の臨床像に関する研究
眼瞼裂狭小と精神遅滞を有する3歳女児。遺伝学的検査としてのマイクロアレイ解析の結果及び過去の報告情報を交えて考察した。
5)ヤング・シンプソン症候群の内分泌学的特性の検討-3-
自験の症例につき、詳細な性腺機能の検討を行った。
6)希少難病の健康管理を目的とした症候群カードの作成
疾患についての情報が少ない希少疾患の患者家族や関わる方々の支援を目的に、「YOUNG-SYMPSON SYNDROME CARE CARD」を考案に至った。
結果と考察
1)GATKを中心としたpipelineの整備により追加再検討を行った結果、KAT6Bを含む112のPredicted damagingに絞り込むことができた。最終的に、KAT6B exon 16 c.C2473T(Q825X)の従来変異が報告されないエクソン領域の新しい変異であることが判明した。Exon 16での変異は、本例が最初である。今後、類縁疾患の責任遺伝子同定は勿論、変異がなぜこうした複雑な病態をもたらすのかをモデル動物やiPS細胞を用いて解析を進めることが課題となる。
2)ヒストンアセチル化異常を原因とするヤング・シンプソン症候群とRubinstein-Taybi症候群の臨床症状の比較をおこなった。臨床特徴に多くの共通点があり、新しい疾患概念の可能性が考えられた。
3)「ハンディを負った方々が地域社会で幸せに生活するために」というテーマでシンポジウムを開催した。今後、何か問題なのかを明確にしつつ、このような試みを進めていく必要があると思われる。
4)眼瞼裂狭小精神遅滞の女児例を経験し、マイクロアレイ解析にて16p13.3領域の中間部重複を認め16p13.3重複症候群と診断した。ヤング・シンプソン症候群を始めとする眼瞼裂狭小精神遅滞の症候群の鑑別診断の一つであった。
5)ヤング・シンプソン症候群における性腺機能低下症は、女性に比し男性でより高頻度であった(女性50%、男性100%)。多数例での長期的な性腺機能の検討が必要である。
6)希少疾患の患者家族や関わる方々の支援を目的に「YOUNG-SYMPSON SYNDROME CARE CARD」を作成した。現状から希少疾患の患者家族に生じている困難な点を取り上げ、具体的な対策を実施でき、さらに研究班で得られた最新の情報が不可欠であった。
2)ヒストンアセチル化異常を原因とするヤング・シンプソン症候群とRubinstein-Taybi症候群の臨床症状の比較をおこなった。臨床特徴に多くの共通点があり、新しい疾患概念の可能性が考えられた。
3)「ハンディを負った方々が地域社会で幸せに生活するために」というテーマでシンポジウムを開催した。今後、何か問題なのかを明確にしつつ、このような試みを進めていく必要があると思われる。
4)眼瞼裂狭小精神遅滞の女児例を経験し、マイクロアレイ解析にて16p13.3領域の中間部重複を認め16p13.3重複症候群と診断した。ヤング・シンプソン症候群を始めとする眼瞼裂狭小精神遅滞の症候群の鑑別診断の一つであった。
5)ヤング・シンプソン症候群における性腺機能低下症は、女性に比し男性でより高頻度であった(女性50%、男性100%)。多数例での長期的な性腺機能の検討が必要である。
6)希少疾患の患者家族や関わる方々の支援を目的に「YOUNG-SYMPSON SYNDROME CARE CARD」を作成した。現状から希少疾患の患者家族に生じている困難な点を取り上げ、具体的な対策を実施でき、さらに研究班で得られた最新の情報が不可欠であった。
結論
Exome解析を行い、これまで変異が検出されなかったKAT6B exon 16にnon-sense変異を検出した。これで典型例7例全てにKAT6Bの変異を検出した。依然として病態の解明は今後の課題であり、症例をさらに増やして遺伝子型-表現型の相関関係を明らかにし、さらにiPS細胞やモデル動物による病態の解析が重要と考えられた。
公開日・更新日
公開日
2013-05-31
更新日
-