希少性難治性疾患患者に関する医療の向上及び患者支援のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
201231050A
報告書区分
総括
研究課題名
希少性難治性疾患患者に関する医療の向上及び患者支援のあり方に関する研究
課題番号
H23-難治-一般-039
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
西澤 正豊(新潟大学脳研究所 神経内科学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 吉良 潤一(九州大学大学院医学研究院 神経内科学分野)
  • 糸山 泰人((独)国立精神・神経医療研究センター病院 神経内科)
  • 荻野 美恵子(北里大学医学部神経内科学分野)
  • 小森 哲夫((独)国立病院機構箱根病院 神経内科)
  • 福永 秀敏((独)国立病院機構南九州病院 神経内科)
  • 斎藤 加代子(東京女子医科大学付属遺伝子医療センター)
  • 宮井 一郎(社会医療法人大道会森之宮病院 神経リハビリテーション研究部)
  • 神作 憲司(国立障害者リハビリテーションセンター研究所 脳機能系研究部)
  • 清水 俊夫(東京都立神経病院 脳神経内科)
  • 戸田 達史(神戸大学大学院医学研究科 神経内科)
  • 溝口 功一(国立病院機構 静岡てんかん・神経医療センター 神経内科)
  • 成田 有吾(三重大学医学部看護学科)
  • 伊藤 道哉(東北大学大学院医学系研究科)
  • 青木 正志(東北大学大学院医学系研究科 神経内科)
  • 松原 四郎(東京都立神経病院 神経内科)
  • 川井 充((独)国立病院機構東埼玉病院 神経内科)
  • 小林 庸子((独)国立精神・神経医療研究センター病院 リハビリテーション科)
  • 中馬 孝容(滋賀県立成人病センター リハビリテーション科)
  • 河原 和夫(東京医科歯科大学医歯学総合研究科 )
  • 武藤 香織(東京大学医科学研究所 家族社会学・医療倫理)
  • 豊島 至((独)国立病院機構あきた病院 神経内科)
  • 千田 圭二((独)国立病院機構岩手病院 神経内科)
  • 加藤 丈夫(山形大学医学部第三内科)
  • 中野 今治(自治医科大学 神経内科学分野)
  • 紀平 為子(関西医療大学保健医療学部)
  • 祖父江 元(名古屋大学大学院医学系研究科 神経内科学)
  • 中川 正法(京都府公立大学法人京都府立医科大学大学院 神経内科学分野)
  • 中島 健二(鳥取大学医学部医学科神経医科学講座 脳神経内科分野)
  • 松尾 秀徳((独)国立病院機構長崎川棚医療センター 神経内科学分野)
  • 佐々木 秀直((独)北海道大学大学院医学研究科 神経内科学分野)
  • 宮地 隆史((独)国立病院機構柳井医療センター 神経内科)
  • 植竹 日奈((独)国立病院機構まつもと医療センター中信松本病院 保健医療分野におけるソーシャルワーク)
  • 菊地 誠志((独)国立病院機構北海道医療センター 神経内科)
  • 菊池 仁志((独)医療法院財団華林会 村上華林堂病院 神経内科)
  • 美原 盤((公財)脳血管研究所附属美原記念病院 神経内科)
  • 犬塚 貴(岐阜大学大学院医学系研究科 神経内科・老年学分野)
  • 駒井 清暢((独)国立病院機構医王病院 神経内科学分野)
  • 狭間 敬憲(地方行政独立法人大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科)
  • 阿部 康二(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 脳神経内科学分野)
  • その他(当研究班の分担者は58名。その他の分担者については研究報告書を参照。)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患克服研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
75,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班は、希少性難治性疾患(以下難病)に対する医療・介護・福祉の提供体制の現状から具体的な課題を抽出し、その解決方法を研究し、その成果により難病対策に関する行政課題の解決を図り、健康社会の実現に貢献することを目的としている。昭和47年から続くわが国の難病対策事業は、さまざまな面で制度の「谷間」が顕在化して抜本的な制度改革を迫られる事態となり、厚労省において法制化を含めて今後の難病対策のあり方に関する検討が続けられている。現在、議論は最終段階にあることを踏まえ、当事者も含めて、難病に関係してきたわが国の専門家集団を総結集した本研究班は、難病対策制度の現状における諸課題に関して、各種の調査により実証的なデータを蓄積し、その解決のために有効な方策を具体的に検討し、難病対策委員会に対して政策提言を行い、今後の難病対策制度の改革に資することを目標とする。
研究方法
本研究班は1年目に検討課題として、1)難病医療の提供体制のあり方、2)難病に関係する多職種のスキルアップとリハビリテーションの向上、3)難病患者支援のあり方、4)難病の定義、医療経済、倫理等の包括的な難病対策制度のあり方、を取り上げ、それぞれを担当する分科会を組織した。また、東日本大震災の発生を受けて、難病の災害対策については独立したプロジェクトとした。各分科会における2年目の主な検討課題は、分科会1:地域における難病医療の連携体制、特に難病医療ネットワークの機能向上、保健所における難病支援体制、レスパイト入院のあり方に関する検討、分科会2:療法士、MSW、ヘルパー等、難病に関わる多職種のスキルアップ、および難病リハビリテーションの向上を目指した医工学連携、栄養支援・呼吸機能支援・コミュニケーション支援に関する検討、分科会3:難病当事者の視点からみた難病対策のあり方、特に難病相談支援センターの機能向上、就労支援のあり方、遺伝カウンセリングのあり方に関する検討、分科会4:難病の定義、緩和ケア、医療経済、医療倫理等、難病を巡る包括的課題に関する検討、災害対策プロジェクト:東日本大震災における難病当事者の状況調査、および災害時個別支援計画の策定支援、広域医療搬送、停電対策に関する検討、である。
結果と考察
今年度は厚労省難病対策委員会における制度改革の検討状況に合わせて、特に難病相談支援センターのあり方に関するフォーラムを開催した。代表的なセンターの実態調査に基づいて、それぞれの現状と課題を把握し、それらに基づいて、望ましいセンターのあり方、当事者の地域生活を支援する上で果たすべき役割、実務を担当する難病相談支援員が抱える課題とその解決方策等について取りまとめ、厚労省に政策提言を行った。また、分科会1において、難病医療ネットワークと実務を担当する難病医療専門員(難病コーディネーター)のあり方に関して、全国の各ネットワークの実態調査に基づいて、課題を把握し、望ましいネットワークのあり方、難病医療コーディネーターのあり方について取りまとめ、同じく厚労省に対して政策提言を行った。また昨年度に引き続き、難病と災害対策に関する第2回のフォーラムを開催した。東日本大震災における難病当事者の状況調査を継続し、併せて既に実施された各種調査結果の収集を図った。さらに広域医療搬送、災害時個別支援計画の策定、および医療依存度の高い在宅難病患者の停電対策について調査し、遅れている「難病当事者の災害対策の立案」に資することを目的として政策提言を行った。また、難病の緩和ケアに関する理解を深める目的で、第2回目の緩和ケアに関する研修会を実施した。最後に、平成25年1月に難病対策委員会より「難病対策の改革について(提言)」が出されたことを受けて、この提言に関する緊急フォーラムを開催し、問題点を検証した。
個々の分担研究者による研究報告書は平成24年度の総括研究報告書に譲る。また、難病相談支援センターに関する検討会、災害対策に関する検討会、緩和ケア研修会、および難病対策の改革についての緊急フォーラムについては、いずれも記録集を刊行した。
結論
本研究班は、厚労省において現在進行している「今後の難病対策のあり方」に関する検討に有用な政策提言を行うことを目的として、プロジェクト型の横断的な研究体制を採用し、今年度は、難病相談支援センターと難病相談支援員、難病医療ネットワークと難病医療コーディネーターの現状と課題、それぞれが果たすべき役割と望ましい組織のあり方について検討した結果をまとめ、政策提言を行った。また東日本大震災における難病患者、家族の実態調査を継続し、難病患者の広域医療搬送、および停電対策等における主な課題をまとめて、政策提言を行った。

公開日・更新日

公開日
2013-04-24
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201231050Z