進行性腎障害に関する調査研究

文献情報

文献番号
201231049A
報告書区分
総括
研究課題名
進行性腎障害に関する調査研究
課題番号
H23-難治-一般-033
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
松尾 清一(名古屋大学 大学院医学系研究科腎臓内科学)
研究分担者(所属機関)
  • 川村 哲也(東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科)
  • 鈴木 祐介(順天堂大学 医学部 腎臓内科)
  • 城 謙輔(仙台社会保険病院 病理部)
  • 山縣 邦弘(筑波大学 医学医療系臨床医学域 腎臓内科学)
  • 杉山 斉(岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 慢性腎臓病対策腎不全治療学)
  • 今井 圓裕(名古屋大学 大学院医学系研究科 腎臓内科学)
  • 南学 正臣(東京大学 医学部附属病院 腎臓内分泌内科)
  • 堀江 重郎(帝京大学 医学部 泌尿器科)
  • 奴田原 紀久雄(杏林大学 医学部 泌尿器科)
  • 横山 仁(金沢医科大学 医学部 腎臓内科)
  • 渡辺 毅(福島県立医科大学 腎臓高血圧・糖尿病内分泌代謝内科学)
  • 長田 道夫(筑波大学 大学院人間総合科学研究科 生命システム医学専攻分子病理学分野形態検査)
  • 安藤 昌彦(名古屋大学 大学院医学系研究科先端医療・臨床研究支援センター)
  • 木村 健二郎(聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科)
  • 湯澤 由紀夫(藤田保健衛生大学 医学部 腎内科)
  • 有村 義宏(藤田保健衛生大学 医学部 腎内科学)
  • 西 慎一(神戸大学 大学院医学研究科腎臓内科 腎・血液浄化センター)
  • 成田 一衛(新潟大学 大学院医歯学総合研究科 内部環境医学講座)
  • 猪阪 善隆(大阪大学 大学院医学系研究科 老年・腎臓内科学)
  • 丸山 彰一(名古屋大学 大学院医学系研究科 腎臓内科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患克服研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
72,954,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国は世界でも有数の腎不全大国であり、透析患者数は世界でもトップレベルである。透析医療に要する費用は国民総医療費の4%以上を占め、総額1兆数千億円と医療経済への影響も大きい。本研究班が対象とする進行性腎障害、特に重点4疾患(IgA腎症、急速進行性糸球体腎炎、難治性ネフローゼ症候群、多発性嚢胞腎)は透析に至る重要な原疾患となっている。しかし、当該4疾患は、原因解明や治療法の確立が十分進んでいるとは言えない。近年特に、各国における臨床研究が国際ネットワークとして編成され、世界的な規模での連携と治療ガイドライン作りが進められている。我が国もこのような潮流に遅れることなく、本研究成果をもとに国際的ベンチマーキングを行い、さらなる臨床研究を推進する必要がある。本研究の目的は対象4疾患の標準的な診断法および治療法を確立し、国際的な比較によりその効果を検証し、それを普及させることである。この目的を達成するために効率的な研究組織を構築して運営し、その成果を政策提言や双方向的な情報発信を通して社会に還元しようとする、我が国では極めて独創性の高い特色ある研究と言える。
研究方法
我々はこれまでに、ウエブを活用した腎疾患登録システムを日本腎臓学会との連携で立ち上げ、前向き観察研究(二次研究)を進めてきた。対象4疾患について、①これまでの研究で確立したウエブ疾患登録のシステムの強化と精緻化、②Mindsの作成手順に則った形での診療ガイドラインの公表と臨床現場への還元、③二次研究の(中間)解析結果公表、④病因・病態の解明に関する研究成果の臨床応用、⑤遺伝子試料の収集と有効利用の促進、を行うとともに、⑥研究成果を、社会・患者と双方向的に共有するための啓発活動(ホームページの充実など)を行い、⑦過去3年間の研究から得られた研究成果をもとに国際的なベンチマーキングを通じて、リサーチクエスチョンの立案と政策提言を行う。
結果と考察
現在までに、腎臓病総合レジストリー(J-KDR)の登録患者数は20,000例を超えている。本年度は、特にこのレジストリーを基にした前向き観察研究(二次研究)が大きく進展した。日本ネフローゼ症候群コホート研究(JNSCS)は416例が登録され、世界的に見ても大規模なコホートとなっている。IgA腎症の後ろ向きコホートでは1103例の登録を完了し解析結果を公表した。さらに、IgA腎症、急速進行性糸球体腎炎、特発性膜性腎症においては介入研究も進行している。また、診療ガイドラインの改訂に向けて多分野の専門家を交えた形での作成体制を整え、日本腎臓学会のCKDガイドライン作成委員会と協力する形で、対象4疾患のガイドラインの作成が順調に進んでいる。
結論
本研究により、対象とする4疾患(IgA腎症、急速進行性糸球体腎炎、難治性ネフローゼ症候群、多発性嚢胞腎)に関する診断法・治療法が確立され、その普及が図られることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2013-05-08
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201231049Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
89,800,000円
(2)補助金確定額
89,800,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 49,393,577円
人件費・謝金 5,141,291円
旅費 7,146,620円
その他 11,275,988円
間接経費 16,846,000円
合計 89,803,476円

備考

備考
自己資金:3,476円

公開日・更新日

公開日
2015-06-10
更新日
-