強皮症における病因解明と根治的治療法の開発

文献情報

文献番号
201231045A
報告書区分
総括
研究課題名
強皮症における病因解明と根治的治療法の開発
課題番号
H23-難治-一般-029
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
佐藤 伸一(東京大学医学部附属病院 皮膚科)
研究分担者(所属機関)
  • 浅野 善英(東京大学医学部附属病院 皮膚科)
  • 石川 治(群馬大学大学院医学系研究科 皮膚科学)
  • 尹 浩信(熊本大学大学院皮膚病態治療再建学)
  • 遠藤 平仁(東邦大学医学部医学科内科学講座膠原病学分野)
  • 猪子 英俊(東海大学医学部分子遺伝学)
  • 川口 鎮司(東京女子医科大学リウマチ科 膠原病学)
  • 桑名 正隆(慶應義塾大学医学部 リウマチ学膠原病学臨床免疫学)
  • 後藤 大輔(筑波大学医学医療系内科 膠原病・リウマチ・アレルギー)
  • 高橋 裕樹(札幌医科大学医学部 第一内科 臨床免疫学)
  • 波多野 将(東京大学医学部附属病院 循環器内科)
  • 藤本 学(金沢大学医薬保健研究域医学系皮膚科学)
  • 山本 俊幸(福島県立医科大学医学部 皮膚科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患克服研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
16,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
全身性強皮症(以下、強皮症)は皮膚および肺、腎、消化管、心をはじめとする内臓諸臓器を系統的に侵す慢性疾患であり、膠原病に分類される。本研究の目的は、実績のある強皮症の専門家を集め研究チームを編成することによって、強皮症の病因解明、そして根治的治療法の開発を行うことである。
研究方法
基礎研究では、1.TLR4の関与、2.転写因子Fli1のin vivoにおける線維化への関与、3.疾患感受性遺伝子の同定、4.強皮症動物モデルなどを用いた薬剤の有効性のスクリーニングなどを行った。臨床研究では、1.臓器病変について、早期診断や予後予測に関連する臨床研究、2.重症型強皮症の早期例の登録事業のデータから、活動性や予後を反映する分子の同定などを行った。
結果と考察
1. 基礎研究
1.TLR4と線維化の関連性を明らかにした。2.Fli1がin vivoにおいても線維芽細胞の活性化に関与することを明らかにした。3.疾患感受性遺伝子としてIL-12RB2を同定した。4.有効性が期待される薬剤として、シルデナフィル、ファチジン酸阻害、FTY720などを同定した。
2. 臨床研究
1.早期診断基準案を作成し、多施設で感度、特異度を解析した。また、肺高血圧症スクリーニングにおける心エコー、BNP、呼吸機能検査の組み合わせの有用性などを明らかにした。2.重症型強皮症早期例の登録事業より、血清中ICAM-1の上昇は肺機能の悪化を、血清中P-selectinの上昇は身体機能の低下を予測する指標であることを明らかにした。
結論
強皮症の主要病態、特に線維化が起こるメカニズムの解明、強皮症の一元化病態仮説の確立、早期診断に関連する臓器病変の評価法の確立、予後予測因子の抽出などにおいて成果が得られた。

公開日・更新日

公開日
2015-06-10
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201231045Z