自己免疫疾患に関する調査研究

文献情報

文献番号
201231021A
報告書区分
総括
研究課題名
自己免疫疾患に関する調査研究
課題番号
H23-難治-一般-005
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
住田 孝之(筑波大学 医学医療系)
研究分担者(所属機関)
  • 山本 一彦(東京大学医学系研究科)
  • 上阪 等(東京医科歯科大学医歯学総合研究科)
  • 竹内 勤(慶應義塾大学医学部)
  • 田中 良哉(産業医科大学医学部)
  • 渥美 達也(北海道大学医学研究科)
  • 天野 浩文(順天堂大学医学部)
  • 広瀬 幸子(順天堂大学医学部)
  • 三森 明夫(国立国際医療研究センター)
  • 三村 俊英(埼玉医科大学リウマチ膠原病科 )
  • 三宅 幸子(国立精神・神経医療研究センター)
  • 山田 亮(京都大学医学研究科附属ゲノム医学センター)
  • 三森 経世(京都大学医学研究科)
  • 神田 隆(山口大学医学系研究科)
  • 藤本 学(金沢大学医薬保健研究域医学系)
  • 川口 鎮司(東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター )
  • 室 慶直(名古屋大学医学系研究科)
  • 清水 潤(東京大学医学部)
  • 石原 正一郎(東京医科歯科大学医歯学総合研究科)
  • 太田 晶子(埼玉医科大学医学部 )
  • 神人 正寿(熊本大学生命科学研究部)
  • 梅原 久範(金沢医科大学血液免疫内科)
  • 川上 純(長崎大学医歯薬学総合研究科)
  • 佐野 統(兵庫医科大学内科学講座)
  • 坪田 一男(慶應義塾大学医学部)
  • 斎藤 一郎(鶴見大学歯学部)
  • 中村 誠司(九州大学歯学研究院)
  • 高村 悦子(東京女子医科大学眼科)
  • 坪井 洋人(筑波大学医学医療系内科(膠原病・リウマチ・アレルギー) )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患克服研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
83,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
自己免疫疾患に関して、1)実態把握のために必須な疫学調査、2)疫学調査の統計学的病態解析による予防因子・予後予測因子の提唱、3)病因・病態解明のためにゲノム、ポストゲノム、免疫学的解析に関する国内・国際共同研究、4)実践的かつ国際的視野に立った診断基準の検定・改訂、5)臨床現場で活用できる治療ガイドラインの作成、6)発症機序に基づく新規治療薬の開発、などを目的とした。自己免疫疾患の医療の向上、患者のQOLの改善を目指すために必要不可欠な研究プロジェクトである。
本研究の特色は、発症機序、臨床病態の異なる自己免疫疾患を対象としているため、三つの分科会から構成されている点である。1)SLE、AOSD、2)PM/DM、3)SSを対象とし、各分野の専門家から研究体制を構築し、効率のよい建設的な研究班を組織、運営する。
研究方法
1)SLE/AOSD分科会:(1)疫学調査、(2)予防因子・予後予測因子の解析、(3)ゲノムワイド関連解析、(4)分子免疫学的解析、(5)診療ガイドライン作成、(6)新規治療法の検討などを施行した。2)PM/DM分科会: (1)疫学調査、(2)予防因子・予後予測因子の解析、(3)ゲノムワイド解析、(4)分子機構解析、(5)国際診断基準の検定、(6)診療ガイドラインの作成、(7)新規治療戦略の開発などを進めた。3)SS分科会では、(1)疫学調査、(2)予防因子・予後予測因子の解析、(3)ゲノムワイド解析、(4)病因・病態解析、(5)診断基準の検定、(6)診療ガイドライン作成、(7)新規治療法の検討などを行った。
結果と考察
1)SLE/AOSD分科会において、(1) SLE患者数57,253人(2009年度)、年齢調整発生率1.94人/10万人、罹患率35.21人/10万人であることを明らかにした。(2)2003~2010年度の臨床調査個人票を対象として体系的な集計解析を行い、1)男女比は1:8.23と女性に多い、2)腎機能障害とデイスコイド疹は男性に多く、光線過敏と血球減少は女性に多い等の臨床的特徴を明らかにした。(3)発症機序に関して分子免疫学的解析を進めた。(2)AOSDにおける疫学二次調査結果の解析から、1)男女比は、1:2.57で女性に多い、2)血清フェリチン最高値とLDH値に相関が強い、3)治療法として使用された生物学的製剤の中68%がトシリズマブであった、等の臨床的特徴を明らかにした。(3)ゲノムワイド解析を進めた。(4)発症における自己抗体の臨床的意義に関する研究を推進した。
2)PM/DM分科会において、(1) 2010年度の臨床調査個人票を解析した結果、有病率人口10万対13、2010年の罹患率は100万人年あたり14と推計された。(2) 皮膚症状、抗Jo-1抗体、間質性肺炎の合併、悪性腫瘍の合併の割合は年齢による違いが認められたなどの臨床的特徴を明らかにした。(3)ゲノムワイド解析を進めた。(4)国際診断基準の妥当性検討と新基準作成に向けた基盤研究を推進した。
3)SS分科会において、(1) 診断基準の検定:旧厚生省基準、アメリカヨーロッパ基準、ACR基準の3つの診断基準を比較検討した結果、旧厚生省基準(現日本基準)が感度、特異度ともに最も優れている事を報告した。(2)全国疫学二次調査の結果、男女比は1:17.4、一次性:二次性が1.49:1、抗SS-A抗体陽性者77.4%、抗SS-B抗体陽性者35.4%などの臨床的特徴を明らかにし予防因子・予後予測因子の解析を進めた。(3)ゲノムワイド解析を推進した。(4)発症の分子機構について分子免疫学的手法で推進した。
結論
1.SLE/AOSD分科会:SLE診療ガイドライン作成および新規治療戦略の準備を進めた。AOSD診療ガイドライン作成および新規治療プロトコールの作成を進めた。
2.PM/DM分科会:発症の分子機構解析、ゲノム解析を推進し、診療ガイドライン作成と国際診断基準の検定を進めた。
3.SS分科会:診療ガイドライン作成および免疫細胞、免疫分子を標的とした新規治療法の評価を進めた。

公開日・更新日

公開日
2015-06-10
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2014-03-10
更新日
-

収支報告書

文献番号
201231021Z