本邦における造血細胞移植一元化登録研究システムの確立

文献情報

文献番号
201229025A
報告書区分
総括
研究課題名
本邦における造血細胞移植一元化登録研究システムの確立
課題番号
H23-免疫-一般-013
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
熱田 由子(名古屋大学 大学院医学系研究科造血細胞移植情報管理・生物統計学)
研究分担者(所属機関)
  • 長村 登紀子(東京大学医科学研究所・附属病院 セルプロセッシング・輸血部)
  • 坂巻 壽(都立駒込病院)
  • 田渕 健(都立駒込病院 小児科)
  • 森島 泰雄(愛知県がんセンター研究所 疫学・予防部)
  • 神田 善伸(自治医科大学自治医科大学附属さいたま医療センター血液科)
  • 宮村 耕一(名古屋第一赤十字病院 血液内科)
  • 村田 誠(名古屋大学医学部附属病院)
  • 谷口 修一(国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 血液内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(免疫アレルギー疾患等予防・治療研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
6,924,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、移植医療の登録研究方法論を技術的に分析し、登録研究の効率と質を上げ、本邦の造血細胞移植一元化登録(TRUMP登録)を研究登録データベースとして発展させることがその目的である。本研究により本邦の造血細胞移植臨床研究が発展し、欧米亜の造血細胞移植グループとの連携した国際共同研究の活性化も期待できる。
研究方法
・研究データベース構築と解析(ワーキンググループでの研究)
国内のテーマごと研究グループ(ワーキンググループ)を組織し、研究活動の活性化を図ると同時に、現在の調査項目のいわゆる「基本項目」から、研究データベースへ発展させる。
・長期フォローアップシステムとリレーショナルデータベースシステムの確立(第二世代TRUMPの開発)
疾患治療グループとのあるいは欧米亜の国際造血細胞移植グループとの共同研究、および移植患者の長期間にわたる追跡に対応できる柔軟な情報収集システムを開発する。
・データ管理・統計解析の効率化の研究
データ管理・統計解析の効率化は研究の進行を早め、質を向上し、生産性に大きな影響を与える。本研究班で開発した統計解析に適したデータ構造書、統計解析手順書、および解析スクリプトは本邦における、あるいは国際共同研究における登録研究の効率と質を高める.
・国際共同研究への発展と活性化
欧米・亜諸国との共同研究が活性化する体制を構築する経験は他分野にも提供できる貴重なノウハウおよび経験となる。
結果と考察
・研究データベースの構築と解析(ワーキンググループ研究の活性化)に関して
平成23-24年度:国内のテーマごと研究グループ(ワーキンググループ)を組織し、登録研究を推進すると同時に、研究データベース項目の検討を行った。項目の追加、二次調査研究の計画を実施した。2012年12月末時点で付表1に示す23のワーキンググループにて、延べ481名の研究者(1名3ワーキングまで参加のため216名)が研究活動を開始しており、147の登録研究が承認・遂行され、116件の学会発表がなされた。
平成25年度:ワーキンググループ研究の活性化および二次調査研究の実施
・長期フォローアップシステムとリレーショナルデータベースシステムの確立(第二世代
TRUMPの開発)
平成23年度:長期予後研究に要求されるデータの質の基準を作成し、長期フォローアップできるシステム概要の検討を行った。
平成24年度:上記設計に基づいた第二世代TRUMPの開発を行った。
平成25年度:上記設計に基づいた第二世代TRUMPの開発と試験運用の実施
・データ管理・統計解析の効率化研究
平成23年度:統計解析に適したデータ構造書、統計解析手順書、および解析スクリプトの開発
平成24年度:上記のワーキンググループ研究での運用と解析担当者教育プログラムの開発および教育セミナー(TRUMP統計セミナー)を実施した。
平成25年度:上記運用続行およびこれらの改訂と解析担当者教育プログラムの運用。
・移植後長期生存者のQOLに関する研究
平成23年度:プロトコールの作成
平成24年度:参加施設の募集と研究の開始
平成25年度:研究の遂行
・国際共同研究への発展と活性化
北米を中心とする登録機関であるCIBMTR, 欧州を中心とする登録機関であるEBMT, アジア太平洋を中心とするAPBMTとの連携、共同研究を可能とし、活性化する体制の構築に関する研究を行った。平成23年度にはCIBMTRのInternational Studies Working Committeeとの共同研究が一つ開始した。平成24年度には共同研究が二つ加わり、合計三研究が遂行されている。平成25年度は共同研究の遂行と成果発表を予定する。
結論
移植医療の登録研究方法論を技術的に分析することにより、登録研究の効率と質を統計解析の効率と質を含めて向上し、本邦の造血細胞移植一元化登録を研究登録データベースとして発展させつつあり、さらにこれを利用する研究組織の活性化および生産性の向上に貢献している。

公開日・更新日

公開日
2013-05-07
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201229025Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
9,000,000円
(2)補助金確定額
9,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,425,516円
人件費・謝金 1,256,325円
旅費 611,354円
その他 3,630,805円
間接経費 2,076,000円
合計 9,000,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2014-05-28
更新日
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