文献情報
文献番号
201226010A
報告書区分
総括
研究課題名
エイズ患者におけるカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスが原因となる疾患の発症機構の解明と予防および治療法に関する研究
課題番号
H23-エイズ-一般-002
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
片野 晴隆(国立感染症研究所 感染病理部)
研究分担者(所属機関)
- 上田 啓次(大阪大学大学院 医学系研究科 感染免疫 ウイルス学)
- 藤室 雅弘(京都薬科大学 薬学部 細胞生物学分野)
- 今村 顕史(がん・感染症センター都立駒込病院 感染症科)
- 照屋 勝治(国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)
- 上平 朝子(国立病院機構大阪医療センター 感染症内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
15,600,000円
研究者交替、所属機関変更
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研究報告書(概要版)
研究目的
日本のエイズ患者におけるカポジ肉腫の発症数が増えており、カポジ肉腫への対策は急務である。本研究は日本のカポジ肉腫減少を目指し、カポジ肉腫の原因ウイルスであるカポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHVまたはHHV-8)関連疾患の発症機構の解明、ワクチンを含めたカポジ肉腫の新規予防・発症予知法の開発、カポジ肉腫・KSHV感染症の現状把握、治療ガイドラインの作成を目標とする。
研究方法
ウイルスはKSHV、GFP発現組換KSHVを用いた。また、KSHV感染細胞として、TY-1, BCBL-1を用いた。血清中HHV-8抗体検査はELISAとIFAにより検出した。その他、分子生物学的方法を各分担研究の中で目的に応じて使用した。アンケート調査は全国のエイズ拠点病院を対象に書面、またはインターネット(web)上で行なった。
結果と考察
基礎研究では、KSHV細胞間感染実験系を開発し、その感染機構の一部を明らかにするデータを得た。現在、適切な動物モデルがない中で、この系は最もヒト感染に近い感染モデルであると考えられる。また、KSHV陽性PEL細胞の細胞死を誘導する薬剤を同定した。臨床研究では、カポジ肉腫の病期分類の再検討と、KSHV関連疾患の臨床例の検討と症例における抗体検査を行った。これらの調査結果を基に、ドキシル、ARTの使用を考慮したKSHV関連疾患のための「診断と治療の手引き」を作成し、全国のエイズ拠点病院に配布した。
結論
KSHV細胞間感染実験系を開発し、細胞間感染のメカニズムに迫った。PEL細胞の細胞死を誘導する薬剤をいくつか同定した。KSHV感染疾患の全国調査を行い、実態を把握すると共に、「診断と治療の手引き」を作成した。
公開日・更新日
公開日
2014-05-26
更新日
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