安全かつ効果的な抗HIV療法開発のための研究

文献情報

文献番号
201226009A
報告書区分
総括
研究課題名
安全かつ効果的な抗HIV療法開発のための研究
課題番号
H23-エイズ-一般-001
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
潟永 博之((独)国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)
研究分担者(所属機関)
  • 太田 康男(帝京大学医学部 内科学講座)
  • 杉浦 亙((独)国立病院機構名古屋医療センター 臨床研究センター 感染・免疫研究部)
  • 吉村 和久(国立感染症研究所 エイズ研究センター 第一室)
  • 川村 龍吉(山梨大学医学部附属病院 皮膚科)
  • 児玉 栄一(東北大学病院 内科・総合感染症科)
  • 横幕 能行((独)国立病院機構名古屋医療センター エイズ治療開発センター)
  • 本田 元人((独)国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター )
  • 塚田 訓久((独)国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
抗HIV療法は様々な新規薬剤の登場により複雑化している。感染者一人一人のHIVの薬剤感受性状況に基づいて抗HIV効果を予測し、生じ得る副作用・併用薬との相互作用などを考慮しながら、最適と思われる組み合わせを選び出すこととなる。複数存在する治療ガイドラインは、主に欧米で行われた臨床試験の結果に基づいており、小柄な日本人にそのまま当てはめられるものではない。本研究の目的は、安全で効果的な日本人のための抗HIV療法を開発し実践可能にすることである。
研究方法
日本人感染者における副作用の解析・毒性回避法の探索のために、テノホビルの腎毒性の解析、プロテアーゼ阻害薬の糖・脂質代謝・骨代謝への毒性メカニズムの解明、プロテアーゼ阻害薬およびアバカビルの心血管系への影響の評価、副作用回避のために新規薬剤に治療変更した症例の解析を行った。
感染個体内の進化に伴う薬剤感受性変化の解析、インテグラーゼ阻害薬などの新規薬剤に対する薬剤耐性の解析、マラビロクなどの侵入阻害薬に対する薬剤耐性の解析を行った。
結果と考察
テノホビルの腎毒性の解析については、低体重のみならず、尿細管トランスポーター遺伝子のSNPが関与している可能性を示した。アタザナビルは、腎結石を生じやすいため、腎障害を起こしやすいことを示した。逆転写酵素の172RはTAMの出現と関連し、172Kは151 complex変異の出現と関連することを報告した。マラビロクの感受性を決定するtropismについて、CCR5-tropicからCXCR4-tropicへと変化する際のEnv V3領域に高頻度に見られる変異のパターンを同定した。HIV感染男性同性愛患者354人のうち43人が外来フォロー中に新たにHBV感染していることを見いだした。
結論
抗HIV薬の副作用と薬剤耐性変異に関し新たな知見を得ることができた。今後の臨床現場へのフィードバックが必要である。

公開日・更新日

公開日
2014-05-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201226009Z