自然災害時を含めた感染症サーベイランスの強化・向上に関する研究

文献情報

文献番号
201225064A
報告書区分
総括
研究課題名
自然災害時を含めた感染症サーベイランスの強化・向上に関する研究
課題番号
H24-新興-一般-014
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
谷口 清州(国立感染症研究所 感染症情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 永井 正規(埼玉医科大学 公衆衛生学)
  • 中瀬 克己(岡山市保健所)
  • 神谷 信行(東京都健康安全研究センター 疫学情報室)
  • 山本 英二(岡山理科大学 総合情報学部)
  • 多田 有希(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 安井 良則(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 中野 貴司(川崎医科大学 小児科学)
  • 堀野 敦子(国立感染症研究所 細菌第二部)
  • 西藤 成雄(西藤小児科こどもの呼吸器・アレルギークリニック)
  • 佐多 徹太郎(富山県衛生研究所)
  • 池松 秀之(九州大学先端医療イノベーションセンター)
  • 藤本 嗣人(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 蒲地 一成(国立感染症研究所 細菌第二部)
  • 森兼 啓太(山形大学 医学部付属病院 検査部)
  • 砂川 富正(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 奥村 貴史(国立保健医療科学院 研究情報支援研究センター)
  • 齋藤 玲子(新潟大学教育研究院 医歯学系 公衆衛生学)
  • 調 恒明(山口県環境保健センター)
  • 高橋 英之(国立感染症研究所 細菌第一部)
  • 大日 康史(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 笠原 敬(奈良県立医科大学 感染症センター 臨床感染症学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
33,724,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
サーベイランスを論理的・体系的に整理し、感染症サーベイランスの方法論的な研究を行うと共に、地域、あるいは特定の疾患のネットワークサーベイランスを支援することによって地域のあるいは疾患の垂直的サーベイランスインフラを強化
研究方法
1)継続的な現状の公的サーベイランスの運用体制の評価と改善、2)定点サーベイランスの改善、3)危機発生時のサーベイランス体制の整備、4)地域・疾患のネットワークサーベイランスの整備支援と疾患毎のサーベイランスの戦略的強化の4つの面で活動

結果と考察
感染症法による発生動向調査の新システムについて評価を行い、病原体サーベイランスについては地衛研における実態調査検証。定点サーベイランスにおける警報・注意報の評価と罹患数の新しい推計方法開発。日本語版Epi Infoのアップデート。京都府における重症サーベイランス、インフルエンザのネットワークサーベイランス、インフルエンザウイルスの地域的サーベイランス稼働中。高知県にて百日咳の強化サーベイランス、RSウイルス感染症の全国レベルの病原体サーベイランス開始。髄膜炎菌のLAMP法開発、地域における薬剤感受性調査完了し、インターネットでの抗菌薬購入についての意識調査完了。アデノウイルスの新たな分類法を開発、百日咳菌とその類縁菌を同時に検出するmultiplex real-time PCR法を構築。マイコプラズマの薬剤耐性及び遺伝子型別調査。「性感染症発生動向調査活用のためのガイドライン」を作成普及。東日本大震災時の感染症対策を評価。避難所サーベイランスのための電子システム、自然災害時のためのFaxOCR技術、クラウド技術の開発と整備・公開。新型感染症の早期探知アルゴリズム実証と早期臨床情報収集システム構築のための基礎的検討
結論
日本における感染症サーベイランスは、感染症法に基づきIBSを中心として運用され、一定の効果を上げてきた。しかしながら昨今の新興感染症の状況から、未知の健康危機事例の探知には、IBSだけでは対応できず、EBSも必要不可欠である。また現在のIBSも、その疾患の特徴とサーベイランスの目的に合わせて適切なサーベイランス手法を選択して改善していく必要がある。これらを運用していくためには地域における疫学機能を強化していくことは極めて重要であるし、地域や専門家のネットワークを育成し保っておくことも必要である。これらは特に自然災害を含む大規模健康危機時に特に重要であり、平常時のサーベイランス体制を充実し、ネットワークを維持しておくことは、サーベイランスを考えるだけではなく、健康危機発生時への対応としてもきわめて重要である。

公開日・更新日

公開日
2013-06-06
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201225064Z